先日は子宮頸がんに対するHPVワクチンが「異形成」の再発を予防するデータをご紹介しました。




前回のデータでは、ワクチン接種群1,360人のデータで、外科的治療後の異形成再発リスクが、中等度異形成以上だと36%に、軽度異形成以上だと67%に減少している結果でした。


そこで、今回はもう少し対象人数が多いデータを見ていきたいと思います。








こちらのデータでは、異形成の患者さん21,472人を対象に、外科的治療のみ行った17,340人と、外科的治療前後でHPVワクチンを接種した4,132人を比較して、異形成の再発率を検証しています。



結果


異形成の再発率は、


・軽度異形成: 045倍


・中等度異形成: 0.33倍


・高度異形成: 0.28倍


と、いずれもHPVワクチン接種群にて再発率が低くなっていました。



ちなみに、同様にHPVが原因と言われている呼吸器乳頭症や肛門上皮内腫瘍のリスクも低下しましたが、尖圭コンジローマや外陰上皮内腫瘍の再発リスクは変わりませんでした。


以上のことから、子宮頸がん検診で異形成を指摘されて治療する事になっても、HPVワクチンを接種する事で再発リスクを下げられる可能性があると言えそうです。


基本的に、初めて性行為をする前にHPVワクチンを接種するのが最も効果的なのですが、その時期を逃して異形成を指摘されたとしても、その時点でワクチン接種するメリットはありそうですね。