その結果、受診を指示されていたグループでは、229,943人の胎児のうち、0.54%(1,252人)が胎児死亡の結果となり、受診を指示されていないグループでは、159,775人の胎児のうち、0.59%(944人)が胎児死亡の結果となりました。
その他に、死産、新生児死亡、低出生体重、NICUの入院などにも明らかな違いは認められませんでした。
一方で、胎動減少を感じたら受診するように指示されたグループでわずかに増えたのは、早産率(7.6% v.s. 7.1%)、器械分娩(36.6% v.s. 31.6%)、帝王切開(28.2% v.s. 25.3%)でした。
以上の結果から、胎動をカウントすることは、出産の結果を大きく改善することはなさそうだ、という結論になっています。
ここからは個人的な考えですが、この論文では胎動減少を訴えて受診した妊婦さんを診察した結果として、器械分娩や帝王切開がわずかに増えています。
それは、やはり診察した結果、赤ちゃんが苦しそうにしているからではないかと、、、
そう考えると、やはり胎動減少というのは、一定の確率で赤ちゃんの苦しさを表しているのではないかと思うのです。
実際に診察していても、胎動減少を訴えられた妊婦さんで、実際に赤ちゃんが苦しい様子だったということは、ほとんどありません。
しかし、ゼロではありませんでした。
数日前からなんとなく胎動が感じられなくて、受診してみたら既に赤ちゃんが亡くなっていた、ということもありました。
そういった場合、胎動が感じられない時点で受診していたとしても、赤ちゃんが救えたかどうかは誰にもわからないのも事実、、、
なかなか難しいところではありますが、やはり胎動減少を感じた時には、ひとまず相談してほしいと思います。
何事もないことが確認できれば、それでいいわけですから。