妊娠初期には便秘や下痢を繰り返すことが多いのですが、週数が進むにつれて、どうしても便秘がちになっていきます。
食生活で改善できることもありますが、便秘薬が必要になることも。
そこで、今回は妊娠中に便秘薬を飲むことで赤ちゃんに影響が出ないか検証してみました。
ご紹介する論文はこちら
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/20201964/
1980年から1996年にかけてハンガリーで産まれた先天奇形のある22843名と、先天奇形のない38151名を比較しました。
対象となった方は、全員に妊娠中の便秘があり、13種類の先天奇形に関して検討しています。
妊娠中に便秘薬を服用した母親からは78名(0.34%)の先天奇形の赤ちゃんが生まれ、便秘薬を服用していないお母さんからは144名(0.38%)の先天奇形の赤ちゃんが生まれました。
先天奇形の種類別に検討してみても、どの先天奇形でも便秘薬による影響は考えられませんでした。
便秘薬の中でもセンナという種類は奇形の原因となる物質は含まれず、妊娠中の酷い便秘の時にセンナは禁忌とはなっていません。
ここまでが、この論文で紹介されている内容となります。実際、妊婦さんに便秘薬を処方することは多いのですが、最もよく処方しているのは、酸化マグネシウムといって、便を柔らかくする作用のある薬です。
それでもダメな場合には、上記の論文で出てきたセンナという薬のように、腸の動きを活発にする薬を処方することもあります。
ただ、どういうわけか、センナという薬の添付文書(製薬会社が作る薬の説明書)には、センナは妊婦さんに使わないように、という記載が、、、
そこで、そんなセンナという薬に関する論文を調べてみました。
それがこちら。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/19491001/
これは、上の論文で紹介したハンガリーの方達のデータを使って、センナに特定して検証しています。
22843名の先天奇形のある赤ちゃんのうち、お母さんがセンナを内服していたのは506名(2.2%)でした。一方で、先天奇形のない赤ちゃん38151名のうち、センナを内服していたお母さんは937名(2.5%)でした。
その他の23個の先天奇形のグループに分けて比較しても、センナを内服することで奇形の確率は上がりませんでした。
また、先天奇形のない赤ちゃんで比較すると、センナを内服したお母さんでは、分娩週数が0.2週ほど遅くなり、早産の確率も6.6%と低い結果となりました(センナを内服していないお母さんの早産確率は9.9%)
以上のことから、妊娠中にセンナを内服することで奇形の確率が上がったり、早産のリスクが高くなる、という心配はいらないことがわかります。