以前、PCOという状態について説明しました。
https://ameblo.jp/hnb-lc/entry-12547877824.html
卵巣自体が排卵しにくい体質になっていて、その結果として生理不順になったり、不妊につながるのですが、今回はそんなPCOという状態に対して、さまざまなサプリがどのように影響するかを調べてみました。
まず最初の論文はこちら。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29475212/
こちらの論文では、502名のPCOの方にビタミンDを内服してもらって、その効果を検証しました。
その結果、卵巣の中の卵胞の育つ数(卵胞の中に卵子があり、育った卵胞が排卵することで妊娠の可能性が出てきます)は2.34倍、メトホルミンという薬だけを飲む時に比べて、生理が順調になる確率は1.85倍になっていました。
メトホルミンという薬は糖尿病の時に使う薬で、PCOの方が飲むと排卵機能が改善する効果があると言われています(保険適応ではないので、不妊治療の時に自費で処方することのある薬です)
このようにビタミンDにはPCOによる排卵障害を改善する一定の効果が期待できると言えそうです。
次にご紹介する論文はこちら。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29859385/
こちらの論文では、ビタミンDとオメガ3脂肪酸というサプリの効果を検証しています。
対象となったのは18〜40歳のPCOの女性60名です。彼女たちをサプリ群とプラセボ群(何も効果のない粒を飲む群)、それぞれ30名ずつに分けました。
サプリ群の女性は、2週間に1度、50,000IUという量のビタミンDを内服し、毎日2000mgのオメガ3脂肪酸も内服して、12週間に渡って経過を観察しました。
その結果、サプリ群ではベック鬱病調査の指標が改善しました。
ベック鬱病調査とは、こちらに説明してあるような鬱病に関するアンケートのことです。
http://www.sannoclinic.jp/bdi.html
また、DASS(鬱病不安ストレススケール)という、うつ状態や不安に関するアンケートに関してもサプリ群で改善が認められました。
ビタミンDに関しては、この論文の他にもプロバイオティクスと一緒に併用することでPCOの方の体調が改善したという論文があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30665436/
こちらの論文では、サプリ群の女性に、2週間に1度、50,000IUという量のビタミンDを内服してもらい、毎日80億CFUという量のプロバイオティクスを内服して、12週間に渡って経過を観察しました。
その結果、やはりベック鬱病調査もDASSも改善が認められたのです。
そして、ベック鬱病調査・DASSの改善が認められたのは、オメガ3脂肪酸・ビタミンEでも報告されています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29306057/
こちらの論文では、1000mgのオメガ3脂肪酸と400IUという量のビタミンEを連日内服してもらい、12週間経過を見たところ、同様に鬱・不安に関するアンケート結果が改善していたのです。
このようにPCOの方に対する様々なサプリメントの効果が報告されていて、排卵障害に関してはビタミンD、それ以外のメンタルな症状に関してはビタミンD・オメガ3脂肪酸・ビタミンEなどに効果が期待できます。
一度症状に悩まれている方は試してみてはどうでしょうか?