研究現場には、時々信じられない行動をとる人がいます。

研究生活をしている中で、出会った恐ろしい話をします。


この話は、当時勤めていた会社以外では、大受けでした。

でも、その会社の中では、マジで恐怖でした。


日曜日の夕刻、偶々つけたTVで、笑点が終わり、夕飯を食べながら、国民的漫画、・・・そう、あの海の一族が出てくる、原作者が亡くなっても永遠に続くと思えるあの番組が始まります。


そうそう、その番組の、世界的なスポンサー T社が一つの恐怖を生みました。


2001年春、世界的なIT不況がそれまで、活況を呈していたIT産業に、冷水を浴びせました。

ご多分に漏れず、T社は、不況の波を受け経費削減に走りました。


T社におんぶに抱っこしている、大手機械メーカーEがありました。(いまも、まだあります。)

焼肉のタレは作っていませんが、結構名前は売れています。


T社は、余剰人員整理をしようと考えました。

E社に人員を引き受けてくれるように頼みました。

E社も、当然不況の影響でそんなゆとりはありませんが、大恩あるT社の依頼ですから、引き受けます。


E社は、人件費を払い、余剰人員を余剰に抱え込みます。

「彼(N君)の仕事はどうしよう?」


と、いうことで、E社・社内で、余剰だけれど、会長の夢があるので潰せない持て余し軍団、つまり、私のチームに押付けられたわけです。


私の部隊は「特定開発部」何が特定かというと、私が社外から持ち込んだ、二つのややこしいテーマ、「ナノ」と、「バイオ」をやる部隊であり、「やる」といっても、予算はほとんど無いので、つまり、テーマは消しませんが、仕事をして、お金を使ってはいけませんよ、と言い渡された、独立愚連隊なわけです。私は課長で、部ですので、とってもある意味凄い「部長」と4人の部下がいました。


居室の場所は、行灯部屋の、ゴミ捨て場とトイレの間という、何をするのも便利な場所でした。


この「特定開発部」のことは、また書くとして、


彼がある日、ある会議で報告をしました。

「アルカリ溶液で処理をしました。PHは、16.9です。」


そのまま、会議は進みました。


私は、あまりのことに言葉を失いました。


そこで、堀場製作所のホームページをそれとなく教えました。

堀場のホームページには初学者向けのPHの話のコーナーがあるのを知っていたからです。


次の週にまた会議がありました。


彼は、改善されました。「今回の処理は、PH16.4です。」


絶句


ちなみに、彼は博士です。





独立行政法人 理化学研究所の表明


    1. 研究不正

       「研究不正」とは、科学研究上の不正行為であり、研究の提案、実行、見直し及び研究結果を報告する場合における、次に掲げる行為をいう。ただし、悪意のない間違い及び意見の相違は研究不正に含まないものとする。(米国連邦科学技術政策局:研究不正行為に関する連邦政府規律2000.12.6 連邦官報 pp. 76260-76264の定義に準じる。)

    1. (1)
    捏造(fabrication):データや実験結果を作り上げ、それらを記録または報告すること。
        (2) 改ざん(falsification):研究試料・機材・過程に小細工を加えたり、データや研究結果を変えたり省略することにより、研究を正しく行わないこと。
        (3) 盗用(plagiarism):他人の考え、作業内容、結果や文章を適切な了承なしに流用すること。

  • 平成17年11月2日

    理研科学者会議


    科学研究における不正行為とその防止に関する声明

     科学者は、その研究目的が自己の好奇心に基づくものであれ、国策的戦略にのっとったものであれ、できうる限り自律的かつ誠実に研究を遂行する義務を持ち、その研究成果を自らのものとして公表する権利を有している。
     理化学研究所は、わが国随一の自然科学における総合研究機関であり、自然科学の新しい研究分野を開拓するとともに、国民の負託に応じた重要な分野での戦略的研究を遂行し、研究成果の社会への還元に努めている。すなわち、世界に伍して先端的研究を推進するわが国の拠点である。この理化学研究所において、研究者は他の機関にも増して、前述にある研究者としての義務と権利を心して自覚し、諸外国としのぎを削りつつ研究を遂行しなければならない。
     昨今、科学研究において、捏造(Fabrication)、改ざん(Falsification)、盗用(Plagiarism)などの非倫理的不正行為が発生しており、理化学研究所もその例外ではなかったことは悲しむべき事である。
     研究における不正行為は、研究者に社会が託した夢と信頼を裏切る行為であり、科学に対する裏切り行為であるとともに、研究者自身の自殺的行為であると極言できる。理化学研究所の研究者一人ひとりが、このような不正行為に陥ることのないよう、厳しく自らを律するとともに、他者にその疑いがある場合に、すみやかに適切な対応をなし、不正行為を未然に防ぐ努力をなすべきである。
     科学研究の不正は科学者に対して社会から託された夢と希望を自ら踏みにじる行為であることを改めて強く認識し、科学をこよなく愛する理化学研究所の研究者として、以下のことを宣言する。

    1. 科学の真理を追求するうえで、いつも他を欺くおそれがないよう自らを律する。
    2. 他者の不正を決して黙認しない。
    3. 指導的立場に立つ研究者は、研究に不正が入り込む余地のないよう日々心を配る。 また、不正のないことを示すための客観的資料・データ等の管理保存を徹底する。
    4. 研究論文の著者は、その論文の正しさを客観的にいつでも誰にでも説明する責任がある。

    *******

    以上、理研ホームページより

    *******

    研究の不正は、いやと言うほど行われている。


    今日、日本化学会のプログラムをチェックしていて、日*製作所の連中の発表を見つけた。

    例の盗用の連中だ。

    日本一の電機会社が片棒を担いでいる。あるいは、阪*大学の連中にだまされているだけか?盗品買いをしただけか?


    結局、結果責任だよ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・恥を知れ

    私の仕事は、今、ナノテクとかナノサイエンスといわれる領域です。

    ナノテクは、多分このまま行けば、後一・二年で、世の中から見捨てられて、「ナノって何ナノ」とでもいわれるでしょう。

    実際、騒がれている割に、何も「製品」が出てきません。一番の花形「カーボンナノチューブ」で作られた製品を見たことがありますか?フラーレンはどうですか?(怪しげな、「白金ナノ粒子配合」**などは除きます)


    実は、クリントン(旦那の方)が騒ぐ前からナノテクはあったし、製品もありました。

    第一、そのナノテクでは、日本はアメリカと比べ、遥かに先行していました。ところが、日本政府は、あたかも、アメリカが先行しているかのように慌てふためいて、技術導入をしようとした、と理解しています。


    私自身、ナノテクで製品を出していますし、あの時期に純粋に「ナノ粒子」で学位をとった人間は少ないでしょうね。


    私のナノテク事始は、1995年1月13日です。阪神大震災の直前です。(それ以前の仕事も、ナノテクではありますが・・)全くのローテクの開発目的の当たり実験中に、偶然、新規な金属ナノ粒子合成法を見つけたことに始まります。

    この方法は、それまで、あるいは現在でも、ほとんどのナノ粒子の合成法が、日産ナノgから数gに留まっているのに対し、いきなり数kgの量産方法だったことと、出来上がるナノ粒子のたちの良さにあります。

    開発した人間の所属は、高々30人ほどの中小企業で、しかも自前のラボが無く、公設試の一角を借りての仕事です。当然、特殊な機械も使いません。

     実際、作った本人である私も、それから約1年正体が判りませんでした。(しょうがないですよ、電顕も無いし・・・)

     製品作りが先行して、’96年には当初開発目的の試作品が出来、’97年には製品化が出来ました。

     また、'96年に新規なナノ粒子であることが判明して特許出願、外部発表、それに伴い大手企業からの共同開発の申し出が数社、順風満帆ですね。

     でも、私は、その会社を’98年末をもって「馘首」になりました。

    理由は、製品開発に成功したことでした。

    狩に成功した犬は、殺されて煮られて当然なのでしょう。


    簡単に言えば、多分大きな原因は3つあったのだと思います。

    1、新製品が出来たので、旧製品を作った社長としては不愉快だった。

    2、契約上、新規考案に対し、褒賞を払わなければならなくなったので、それを避けるため

    3、場所を借りた公設試の研究員が私を社会的に抹殺することで、本来礼儀的につけていた発明者の名誉を横取りするべく社長とはかった。


    いずれにしろ、退職金を含めて60万円で会社を放り出され、路頭に迷いました。

    今でも、あの社長とあの研究員の顔を見ることは出来ません。私が、何をしてしまうか自制が効きそうにありません。

    特許は、その後、日本特許、米国特許と成立し、いまだに私を苦しめています。


    そして、この事件が、後の事件の遠因になっているのです。


    中村修二さんは、まだましだったんですよ、2万円も貰っていたじゃないですか。

    日本で、特許なんかとるものではありません。