波乱の両思い5 | 恋愛小説 くもりのちはれ

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「慶君、カイ君って幼馴染なんだよね?慶君の幼馴染ってカイ君だけじゃないよね?」


私の突然の質問に、慶君は立ち止まり振り返る。


そして不思議そうな表情で質問の答えを口にする。


『幼馴染って言うのが、ずっと一緒にいる奴の事を言うのならば、カイだけじゃなくて他にもいるけど・・・


でも、雪菜どうしてカイ?もしかして・・・カイが気に入った?』


「イヤ、そうじゃなくて・・・」


先ほどから私たちの後を悲しそうに下を向き追いかけてくる彼女は、私の台詞にハッと慌てたように


顔を上げ大きく首を振る。


そして・・・後ずさりながら・・・


違うの・・・そうじゃないの・・・苦しめたいとかじゃないの・・・なんて念を私に送り消えた。


「あぁ・・・なんでもない。」


話を振っておきながら、なんでもないなんて・・・慶君にしてみると“何なんだよ?”って思うよね。


だけど、慶君の事になるとホント解らない。


見えちゃうものと見えないもののバランスが上手く図れなくて・・・彼女の思いも単なる嫉妬なのか・・・


もしくは私の力を求めての現われなのか・・・ぜんぜん解らない。


『もしかして、さっき何か言われた?ぶっちゃけ過去の俺は、良いやつとは決して言えねぇから・・・


とにかく今更どうすることもできねぇけど・・・でも今の俺は、雪菜が嫌という事は絶対しねぇ。


過去は消せないし変えれねぇから、だから今の俺を、コレからの俺を見て欲しい。』


唯一心を読めない慶君の気持ちを、慶君自身の声で聞けるのは、素敵な言葉と同じくらい嬉しい。


「うん・・・」


『じゃっ、早速・・・今の俺の気持ち』


「えっ?んっ・・・」


不意に肩を掴まれ、瞬きの瞬間に奪われた唇


『駄目だ。足りねぇ・・・』


「へっ?」


私の腕を掴み、先ほど彼女たちから逃げたと同じ速度で駆け出した慶君。


『我慢限界!雪菜、とにかく急いで俺の家。』


二人きりになれる場所に行こう!なんて意味深な言葉を聞きながら・・・


とうとう私達そういうことになっちゃうの?そういうことするの?って戸惑いつつも辿り着いた慶君の家。


だけど・・・


『雪菜ちゃん、今日は遅くまでいられるかしら?一緒にお夕飯を作りましょっ♪』


なんて・・・玄関に現れた慶君ママに邪魔されて、慶君の思惑通りにはならなかった。


『マジかよ?ばばぁ・・・親父と初詣じゃなかったのかよ?!』


そう項垂れる慶君を、少し可愛そうに思いつつも、安堵した事は慶君には内緒だ。


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