天使の悪戯38 | 恋愛小説 くもりのちはれ

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「歩君・・・私、本当はすごく戸惑ってる。」


電源の落とされた携帯は、もちろん・・・もう震える事はしないけど


今この瞬間も・・・誰かがこの携帯に、私に関する事を送信してるのは間違いない。


それに・・・私だけで無くて一緒に居た裕也の事も、調べ尽くされてるはずだ。


突然、歩君は呟くように『解る。』と言って立ち上がり、対面になっているキッチン


向かうと、冷蔵庫を開ける。


解る・・・解るって何が・・・私が解らないよ。


『ホント、何も入ってねぇ・・・水だけかよ・・・奈緒、水で良いか?』


私の返事を待たず、ミネラルウォーターを2本取り出し『ほらっ』と私の前に


その一本を差し出す。


「ありがとう・・・」私が受け取ると、テーブルを挟んだ向かい側の床にドサッと座り、


下から覗く様に私の眼を見つめる。


『俺の一言で今のこの状況は無くなる・・・だけど、俺はその指示を出す気は無い。』


どうして・・・止めて欲しいよ、監視されてるのなんてイヤだよ・・・


言葉は出さず、見つめ返す私。


歩君には読心力か何かがあるのだろうか?


『奈緒が止めてって言っても、俺は止めさせねぇ。』


私・・・獲物の様に・・・捕まってしまったのかも・・・


『フッ・・・捕まったウサギみてぇって思ってんだろ。すげぇ独占欲ってか・・・


奈緒、違うよ・・・


また、読まれた・・・目を伏せる私。


『あのな、これは大げさな話じゃねぇ。実際、俺に恨みを持ってる奴が、俺じゃなく


奈緒を狙うのは解りきった事だから。で、そんな解りきってる中で・・・


もし奈緒に何かあったら、俺だけで無く・・・俺の仲間が守りきれなかったって事で


馬鹿にされんだ。』


歩君は、テーブルの上の携帯を持ち上げ


『だから奈緒を守る事は、俺だけじゃなく、こいつら全員のプライドが懸かってる』


ペットボトルに手を伸ばし水を一口飲み、はぁーと溜息の様に息を吐くと


『もちろん、一番は奈緒の安全の為だ。だから、奈緒がイヤだと言っても無理』


世界が違ってついていけない話なんだけど・・・私の事を考えての事と理解できる。

『俺も奴らも、絶対に・・・奈緒の監視を止めない』


それに何より今、目の前にいる歩君と離れる事は出来ない。


結果、私の答えは一つしかない。だから・・・


「うん・・・気にしないようにする。」と、私は歩君を見て頷いた。




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