違いと共通点 | 将棋

将棋

将棋について
将棋上達法(将棋の初段を目指す方への提案・サポート)

サッカーFIFAランキングで現在1位はドイツです。

昨年行われたW杯での4回目の優勝を引っ提げて

ポイントで2位以下を大きく引き離しての現王者です。

そんなドイツサッカーを表現するのに

「最後に勝つのはドイツ」という言葉があります。

長いサッカーの歴史の中でドイツが常勝国である事を

賞賛した言葉です。

元々はイングランド代表で日本でもプレーしたことのある

ゲーリー・リネカー氏の言葉「フットボールは単純だ。

22人がボールを奪い合い、最後はドイツが勝つ。」

を短くしたものだと思われますが、自国を称賛する様な

ドイツ人自身の言葉でなく、サッカー発祥の地イギリス人

の言葉であることがその言葉に重みを持たせます。


さて、将棋の話に参ります。

読者諸賢は私が何を言いたいか、もうお分かりですね。

「最後に勝つのは羽生」

というフレーズが私の脳裏から離れません。

リネカー氏の言葉をパクれば「将棋は単純だ。2人が

交互に一手づつ駒を進めて、最後は羽生が勝つ。」

こんな感じでしょうか。


19日に行われた竜王戦1組の佐藤康光九段戦で

羽生名人が勝利しました。

加えて通算勝ち数が歴代単独3位となりました。

竜王戦で羽生名人の次の相手は三浦九段と

屋敷九段の勝者です。

大きな声では言えませんが頂きです。


羽生・佐藤のお二人の将棋は素晴らしい内容に

なりますが、最後は羽生名人が勝利します。

対戦成績は羽生名人から見て103勝53敗。

その二人が創り出す素晴らしい将棋の内容から

誰もが「何故対戦成績にこんなに差がつくのか?」

と考えますが、羽生名人自身も分からないとのこと。

「将棋の探究者だから」という言葉も思いつきますが

それは佐藤モテ九段にも当てはまります。

結局、原因は不明で自然界(将棋界?)の法則

として「最後に勝つのは羽生」という言葉で処理

するしか思いつきません。


大名人である故大山康晴十五世名人の将棋信念は

「将棋は最後に間違えた方が負けるゲーム。

そして人間は必ずミスをする。」というものでした。

例え不利に陥っても、辛抱強く耐え、相手の嫌味嫌味に

自然と手が行き最後には勝ってしまう大山将棋を称して

故芹沢博文九段はこう言いました。

「あの人の将棋は蛭だ。」


将棋界記録保持ツートップの大山十五世と羽生名人。

個性の塊の様な大山将棋と個性が無いのが個性

言われる羽生将棋、全く異質ともいえる棋風ですが

どこかに共通点もあるはず。

「大山将棋と羽生将棋その違いと共通点」というような

題名で「将棋世界」連載として、勝又教授あたりに

語って頂きたいと希望します。