サイクリストのための救命救急講習会その1 | サイクリング天国いばらきを走ろう!HMBアウトドアクラブ

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It's a HOLIDAY! サイクリング天国いばらきを走ろう! 霞ヶ浦 Cycling Team
土浦市で学習塾経営のかたわら、霞ヶ浦周辺でサイクリングイベンドを開催したり、子どもたちの自然体験活動をプロデュースしたりしています。Since 1992

テレビドラマ「都庁爆破」の撮影にも使われた土浦市消防本部。

そんな、すばらしく贅沢な施設をお借りして、今日は、サイクリストのための救命救急講習会です。

募集はほとんどツイッターとバイシクルクラブ、サイクルスポーツのウェブサイト、あとは、下記のパンフレットをお店や自転車屋さんなどに置かせてもらいました。それでも、あっという間に20名近くになり、ランチサイクリングのお店のキャパシティの関係で募集を途中で打ち切りました。

皆さんの関心の高さが伺えます。



下が、当日の進行です。あらかじめ、HMBスタッフで質問を用意しておき、あとは当日、参加者の皆さんの質問に答えていただく形です。



 

さっそく会場へ。会場は3階ですが、2階にはフロアに各メーカーの消防車や救急車の模型が展示されています。子どもが喜びますね!!

 

立派な電子掲示板に、HMBの名前が!!

 

こちらが3階講堂。カーペット敷きでホテルのラウンジみたい。

 

 今日、講師をしてくださる救急救命士のシオハタさん(向かって左)、救助隊のイトヤマさん(右)、救急隊員のミヤカワさん(中央)。

お休みを返上して来てくださいました。

 

あいさつの後は、まず会長の事例発表。

下りのカーブではみだして来た対向車をかわして落車。鎖骨を粉砕骨折。

 

 手術室へ。

 

 早く手が使えるようになるよう、牛乳を飲む会長。

 

 チタンプレートで固定。今でも、術部には違和感が。

 

 

 次に救急救命士のシオハタさんがサイクリングにかかわる事例について、様々な質問にこたえてくださいました。メモをとるのに必死で写真が撮れませんでした(~o~)

 土浦市消防本部の管内で特にサイクリストからの救助要請が多いのは、ダントツでりんりんロード、時間帯は夕刻、特に冬の路面凍結や雨によりスリップしての落車だそうで、スピードが出ているほど、ペダルを固定しているほど、重篤な擦過傷や骨折、脳しんとう、最悪のときは心肺停止もあったそうです。

 他にも夏場の熱中症に加え、冬場は軽装で走り出して走れなくなり低体温症に陥ったりという例も多いとのこと。

   また、最近はロードバイクの前輪が外れて投げ出される事故も増えているそうです。締め付けが甘いと命に関わりますね。

 写真は落車などで出血した場合の止血法です。

 

 三角巾を1枚持っていると、色々なトラブルに対処可能だそう。

また、アルミックシートという軽量のシートを持っておくと、アルミの面を外にすれば日差しの遮断効果が、内にすると保温効果があるということで、これはロングライドには必携だなと痛感しました。

 また、救急車を呼ぶか呼ばないかの基準はひとこと「迷ったら呼ぶ」ということで、自力で走ることが可能でも、近くの救急病院を教えてもらえたり、手当の仕方をアドバイスしてもらえたりするそうです。

 また、これは市町村によってちがうということですが、自転車をどうするかという問題にも、最善をつくしてくださるとのこと。むげに置き去りにはしないと、土浦の方はおっしゃっていました。

 

 霞ヶ浦りんりんロードでも起こった最悪の落車事故、心肺停止。実際にあった事例では、2人で縦列走行中、前を走る人がふと気付いたら後ろの仲間がいない、慌てて道を戻ると落車し動かない。心肺停止だったそうです。

    ですから、自分や仲間だけでなく、動かなくなっているサイクリストを見かけたら、一刻も早く呼吸を確認して、通常の呼吸がないときはすぐに胸骨圧迫開始しなければいけません。

 

    胸骨圧迫をうまくできると、生存可能性がざっと2倍になるのです。反対に力を入れすぎて肋骨が折れたり、残念ながら蘇生できなかったとしても、罪に問われることは絶対にないとシオハタさんが強調しておられました。

 

 

30回に1回は、気道確保して息を2回吹き込みます。吐く息の中にも、16パーセントくらいの酸素が含まれています。口からの出血や、おう吐物がついているときは、特別なマスクをつかうか、胸骨圧迫だけを行うそうです。マスクはAEDの装置の中にも入っていますので、極力やりたいですね。

 

みんな真剣です。

 

さすがマサさん。元消防団。

 

たった1分やっただけで、へとへとに。これを、救急隊に引き継ぐまで続けます。

講師の皆さんが、それぞれの参加者のよかったところを見つけて取り上げてほめてくださいます。それは、単にみんなを喜ばせようということではなく、「やれるんだ」という自信を持たせることで、緊急事態に直面したとき、みんながひるまずに行動に移す決め手になり、生存率が上がることにもつながるからだと思います。

 

続いて、AEDについて学びます。つづく