先日、友人3人とミッドランドスクエアシネマ で鑑賞したアンソニーホプキンス主演の「ファーザー」
アカデミー賞主演男優賞受賞、脚色賞受賞作品です。
認知症の父と娘の絆を描いたヒューマンドラマ。と、思っていたらとんでもない。
もちろん家族の物語で、
娘が父を介護する話ではあります。
しかし、今までよくある親の介護を描いた作品とは違った。
本作は単純に「認知症は大変」といった共感を誘うのではなく、「人と出来事を共有できない悲しさ、辛さ」を描いています。
ですから認知症以外の人、介護する側の人が観ても、その苦労や恐怖を追体験できるストーリーになっているのです。
アンソニーの頭の中では現実と虚構が入り混じっていて、嘘をついているように、娘や見るものを混乱させていく。
認知症で記憶がなくなる恐怖よりも、混乱する恐怖のほうが比重が高かった。
介護問題の深刻さを伝えるだけでなく、高齢者に悪意はないこと、そして彼ら自身の困惑している世界を描いているのです。
私の母は、記憶力がよく私の黒歴史もすべて覚えている人。しかしこのところ、記憶が断片的に飛ぶようで、それに応えていくのは、私にとってはかなりストレスで常に悩んでいました。
この映画をみて彼女の頭の中を知り彼女も困惑していることがわかった。
とはいえ、すぐに怒っちゃうんだな、だめな娘だよなぁ。
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