こちらあみ子 今村夏子ふと、思いっきりダサく生きたいと思った。ダサさを隠さず生きようと思った。私は弱いって、笑いながら言って怯えながら好奇心を連れて弱さの奥を見に行きたい。だからそれまでは、涙で消化してしまいたくない。涙で胸の高ぶりを解消したくない。「こちらあみ子」ただただ、言葉が出てこない。つき抜けすぎていて、真っ直ぐに飛ぶ矢のようで私は同じ早さでついてゆくことができない。なのにさっきからずっと胸が疼いている。何かが内側をぐるぐるとまわっている。