残された時間を有意義に過ごす為に早々に出された余命宣告は父に甚大なダメージを与えました。

躁鬱病を発病し服用をしていましたが、とにかく体がだるく眠くなるようで父は躁鬱病の薬を嫌いました。飲ませるのも一苦労。
薬の服用がだんだんきちんと出来なくなっていました。すると父の体に異変が起きました。体がムズムズしてじっとしていられなくなり一日中家の中を歩き続けるしかなくなりました。朝方2時間くらい疲れて寝るだけ他はずっと一日中歩き続けます。布団は血だらけ。父が歩いている間に転倒してしまうからです。父は足のマッサージを何度も頼んで来ましたが疲れてしまった家族は拒否。今思うと残酷な事をしたと思います。父は1カ月近く歩き続けます。抗がん剤治療の主治医から治療をストップされ精神科の先生いないからと治療を断られました。

精神科と抗がん剤が出来る別の病院を探さなければいけなくなりました。別の県の病院を紹介してもらいましたが冷遇でした。何でうちで治療するのと言われました。ないから来たのに。抗がん剤治療はどこも一緒だからと拒否され精神科だけ診てもらいました。
強い薬を出されほぼ父は寝かされていました。

でも一番理解していなかったのはこの時は家族でした。この病気は精神科の薬の副作用のアカシジアと分かるまで時間がかかりました。
眠れないのは昼間寝ているから体動かしたらとか父に言っていました。父は言われた通りに体を動かし歩いていました。春先の朝方とても冷えます。朝方父が家の中にいなかったので探すとジャンバーを着て外を歩いている父を見つけました。家の中を夜歩いていると家族に迷惑をかけるからと言われました。
辛いのは父なのに私が泣いてしまいました。