動眼神経麻痺の鍼灸治療はおススメ
当院には外眼筋と呼ばれる、眼球を動かすための筋肉が麻痺したことによる複視を訴える方がよくご来院されます。
外眼筋麻痺の原因になる筋肉は6つありますが、それらの筋肉を動かすための神経は3つです。
それが動眼神経、滑車神経、外転神経の3つなのですが、その中でも動眼神経麻痺は非常に特に外見上分かりやすい症状を示します。
動眼神経麻痺が原因で起こる症状は主に以下の3点です。
1.眼瞼下垂
上眼瞼(上まぶた)が下垂してしまい、目が開け難くなります。
2.眼球運動障害
外眼筋を支配する神経の中で、最も多くの筋肉を支配している為、眼球運動が大幅に障害されます。
特に内側の動きが制限されるため、特徴的な外斜視が見られます。
3.瞳孔散大
瞳孔括約筋が収縮されない為、瞳孔が散大して光が非常に眩しくなります。
こうした症状が一度に出てしまうため、日常生活に大きな負担が生じます。
目が半開きに見えることから、顔面神経麻痺に似ていると感じる方がいらしゃるかもしれませんが、顔面神経麻痺と違い額のしわ寄せが出来なかったり、口元に麻痺が生じることはありません。
また顔面神経麻痺では目を閉じることが出来ませんが、動眼神経麻痺では逆に目をしっかりと開けることが出来ない反面、目を閉じることは楽に行うことが出来ます。
外斜視も動眼神経麻痺に特徴的な症状ですので、知っている人が見ると一目瞭然で違いが分かります。
外斜視はただ見た目に問題なだけでなく、両目が同じ方向を向いていないため、どうしても複視が強く出現します。
また何故か外斜視を持つ方は、実際に他人が感じる以上に、視線を合わせられていないと感じるようです。
そのため対面して人と話すことが億劫になり、対人作業が苦手になる傾向もあります。
外科的に治療が必要な外眼筋麻痺と違い、支配神経の循環障害による不全麻痺では保存療法が第一選択になりますが、上のような事情から一日でも早く完治することが望まれるため、鍼灸治療を選択される方がご来院されています。
動眼神経麻痺はその他の外眼筋麻痺と違い、見た目にも分かりやすい症状があるため重症であると感じやすいですが、治り方自体にはそれほど違いがないように感じます。
現在も動眼神経麻痺の方がご来院されていますが、初診から約1カ月経ってかなりの回復が見られています。
初診時は非常に特徴的な3症状が見られておりましたが、現在は全ての症状で約7~8割の回復を見せています。
特に治療開始後3週間目から急激な回復を示しており、自覚的にも日常生活が楽になったそうです。
他の外眼筋麻痺と違い、動眼神経麻痺では見た目にも派手な症状を示すため、回復する時の変化にも大きな成果を感じやすい疾患です。
そのため施術を行う鍼灸師も手ごたえを感じやすく、日々の変化(成果)を患者と共有しやすい疾患でもあります。
勿論、逆に効果が出ない場合には両者ともに焦りを感じやすかったりもしますので、初診時での適応・不適応の判断をしっかり行う必要があります。
こうしたしっかりとした判断を出来る治療院が最寄にあるようでしたら、動眼神経麻痺の方にはぜひ鍼灸治療をご活用頂きたいと思います。