練り物はこれで欲を満たすが、油揚げは見たことない。
熱々の厚揚げに、これでもかと醤油をびしゃがけして食べたい。
そんなことを考えながら1年半が経った。
ロシア駐在時にはなかったTVerというありがたいコンテンツで日本の情報番組を垂れ流ししていた時である。
豆腐屋さんの1日が紹介されていて、
そこの大将が豆腐を揚げていた。
薄く切って揚げて油揚げ、
厚めに切って厚揚げを作っていた。
そうだ、なぜ今までやらなかったのか。
ポーランドでも豆腐はTOFUとしてヴィーガンさんの強い味方で精通している。
しかし一般スーパーに置いてあるTOFUは軽石かと思うほどに硬い。
それでいて賞味期限は3ヶ月から半年先のものが多く、謎と闇が深い。
TOFUでは油揚げは作れないだろう。
そしてひよこよさんはベトナム街にある食材屋さんへと走った。
自宅からトラムで45分の距離にあるベトナム街のお店は常に怒号が飛び交い、横入りは定石の店である。
しかしこのお店にはあるのだ、豆腐が。
“今日もしくは昨日、清潔な環境下で作られた豆腐でありますように”
と毎度祈りながら買う。
しかしこの作り手不明の豆腐は絹と木綿のちょうど中間のような柔らかさで、使い勝手がいい。
試してみたい、ひよこよさんは2人に横入りされながら会計をした。
まずは豆腐を水切りしておく。
キッチンペーパーに包んで冷蔵庫で一晩置いておいた。
翌朝、早速5mmほどの暑さに豆腐を切る。
油の温度は低くていい、と豆腐屋の大将が言っていた。
水切りをしたとはいえ、表面はしっとりなので油はねバチバチ系だと思ったらそうでもない。
数分後、ひっくり返す。
…これは油揚げか?
薄めの厚揚げのような硬さであるが、
もう引き返せないのでとりあえず最後まで揚げてみる。
豆腐を厚めに切って厚揚げも作ってみよう。
油揚げ…なのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
おあげさんに使うような油揚げにはならず、
やはり薄い厚揚げのようになってしまった。
とりあえず揚げたてを醤油びしゃがけで食べてみる。
いい!
やはり薄い厚揚げ感はあるが、細かく切ってお味噌汁などに入れれば油揚げに近くなるかもしれない。
そして厚揚げも良い許容範囲である。
そしてひよこよさんの油揚げ欲もだいぶ満たされた。
今日はおでんにしよう。
(ひよこよさんのおでんの卵は出汁巻き卵)
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