ひよこよさんは
“楽しみにすると、もれなくそれが叶わない”
という不運な天命のもとに生きている。
何度かブログにも書かせていただいたが、
大小関係なくどんなことにもそれは当てはまる。
観光先で見たかったものが修理中であったり、
目当てのものを食べに行くと売り切れ、
買いたいものだけが売り切れ、
行きたかった店はことごとく潰れ、
外がメインの行事は高確率で雨傾向にある。
ひよこよさんの結婚式は晴れ男の夫と力が相殺され、曇りで落ち着いた。
1人で行動すると大体天気は崩れる。
実際9月に行ったフィンランドも、今月行ったオーストリアも小雨が降り注いだ。
そういえばミラノもザコパネもとんでもない量の雨が降り注いでいたことを思い出した。
『絶対楽しみにしてはならん』
何か予定が立つ度に夫に言われ、
どんなことがあろうが楽しみという感情を捨てて凪の精神で迎えねばならないのだ。
楽しみにすればするほど、必ず何かは叶わない。
非常に不運な天命を背負っているのがひよこよさんなのである。
そんななか、最近同じ片鱗を見せてきた者がいる。
次男だ。
少し前から次男が不運な香りを匂わせてきたことにひよこよさんは気づいていた。
去年の年末、エジプトのマクドナルドで次男が大好物のフィレオフィッシュが売られていた。
カイロとギザの街中を移動している間、
ずっと緊張感を持ちながら過ごしていた最中に見つけた久しぶりのフィレオフィッシュ。
タッチパネルで3個注文し、カード決済を行ってテーブル席で待っていたところ
『品切れやねん、すまんやで』
と店員さんがやってきて心が折れかけ、泣いていた。
こないだも“欲しいLEGOがある”と言い、
ひよこよさんのベッドメイキングをしたり、
ひよこよさんのスリッパをお風呂上がりに揃えていたり、
ひよこよさんのパジャマとぱんつをきれいに畳んで洗面所に置いて置いたりと
せっせとご褒美待ちをしていた。
痺れを切らして大型スーパーにLEGOを買いに行くと、いつもはLEGOがあるのに取扱中止となっていた。
そして心が折れかけ、泣いていた。
先日もひよこよさんになかなか買ってもらえない飲み物を、長男と次男が夫にこっそり買ってもらえることになったのだが
次男の飲み物だけ何故かレジを通らず見送りとなったらしい。
『(次男が好きなもの)、ないんやって』
思い返せば次男とご飯を食べに行くと、
そう次男に伝えることが少なくないような気がする。
まさかこんな不運DNAも遺伝するのか。
ひよこよさんもこの不運が現れたのは次男と同じ10歳の時だった。
しかしここぞという時こそ叶わないという不運巡りは完全に一緒で疑いたくもなる。
可哀想に。
10歳の子に“感情を捨て、凪を極めよ”と言うのはなかなか酷な話である。
しかしおそらく、ひよこよさん親子に出来ることはひたすら凪の精神を極め、
共に天竺を目指すことのみである。
ひよこよさんは人生折り返しであろうが、次男の天竺への旅はまだ始まったばかり。
次男よどうか、強くあれ。
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