トルデジアン2018・アラ還暦オヤジの挑戦② ~試練の2日目~ | カッコイイおじいを目指すランBAKA院長のトレーニング診療日誌

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ウルトラランナー・トライアスリート院長の加齢と闘うドタバタ奮闘記

    ”Tor des Geants” (トルデジアン/巨人の旅)

 

トルデジアンは、イタリア北西部アオスタ自治州の山々で開催されるトレイルレース。

総距離330km(200マイル)、累積標高差は2万4000mD+、を制限時間150時間(6日+6時間)で

  1 モンテ・ビアンコ(=モンブラン・4810m)、
  2 グラン・パラディーソ(4061m)、

  3 モンテ・ローザ(4634m)、
  4 モンテ・チェルヴィーノ(=マッターホルン・4478m)

等アオスタ自治州を囲む4000m級の4つの名峰(4人の巨人)を望みながら進む巨人の旅です。

 

スタート&ゴールは、アオスタ川のリゾート地、クールマイヨール。(UTMBのほぼ中間地点)

レースコースは、アオスタ自治州の山々を反時計回りにぐるりと一周する。

トレッキングルートであるAlta Via1(アルタ・ヴィア:天空の向こう)とAlta Via 2をつなぎ

標高2000mを超える25の山々、30の山岳湖、2つの国立自然公園をノンストップで走ります。

 

2018年は9/9(日)~15(土)の7日間で行われます。

   ※4人の巨人には登りません。周囲の山々を走ります。

 

 

トルデジアンは長時間で過酷なレースなため、チャラケた仮装で走るランナーはいません。

そのため、このピカチュー・キャップは大いに受けました。

1日平均で10回以上は写真を頼まれ、慣れてくると一緒に撮りたがっている事が分かって来たので

「トゥゲザー(一緒に)」と言うと、みんな嬉しそうに並んで撮ります、時に幼子を膝に乗せて撮った事も。

 

そして、私の使ったイタリア語は3つ。 これだけで7日間行けちゃいました。

 ① チャオ   : こんにちは・さようなら (ボンジョルノはほとんど使いませんでした)

 ② グラッチェ : ありがとう (時々「モンテ グラッチェ」 = どうもありがとう)

 ③ グランデ  : すごーい

 

イタリア人はみんな気さくで、ピカチューを被っているとかなりの割合で話しかけられます。

話しかけられるとそれに対する返答をしなければならず、イタリア語の分からない私には大きなストレス。

  どうしようか…

 

 

考えた末思いついたのは、相手を見たら話しかけられる前にこっちから「チャオ!」と挨拶する事。

相手の話しは大体、ピカチューの事か「TDGの挑戦がすごい」というどちらかなので

ニコニコしながら、「グラッチェ」の連発と「チャオ(さようなら)」で話しは済みます。

 

もっと話しかけられた時は、ピカの耳を振りながら「ピカピカ」と言うと、「Oh ! Pika-pika」と言われて

会話が成立するので、ずいぶん愛想のいい日本人だと思われた事でしょう。

 

 

第1のライフベース(LB)「ヴァルグリセンセ」(50,0キロ地点)で仮眠を終えると先ず食べます。

寝る前にお湯を入れた「牛めし」は冷えて旨くなくても、エネルギーだと思って無理にでも詰め込みます。

そして嫌だな~と思いつつ、埃だらけ・汗まみれのウエアを着ます。

ヴァルグリセンセを出たのが午前4 : 03。2時間12分いた計算、約1時間チョットの仮眠でした。

 

スタート前日のパーティーで聞いていたのは、「偶数日が大変で、一番キツイのは2日目。」

2日目は第2のLB『コーニュ』(106㎞地点)までの56㎞中に2800mの山1つと、3000m級の山が2つ。

初日の2800m級の山2つで、大変な思いをしたばかりなので、正直ビビりながらスタート。

 

この時点で私の頭の中は、「まだ自分の計画で完走できるのかわからない、もっと急ぐべきなのか?」

常に迷いながらの歩きでした。

 

 

2日目・第1の山『Col Fenetre』(フェネトル山?/2854m)は傾斜が緩く、反面長い時間登ります。

次第に明るくなると、何だか凄い景色の中にいる事に気付き、グル~っと360度見回し驚愕する。

以前、UTMBのコンバル湿原での夜明けでも、その雄大さに驚いたものの、その比ではありません。

  「今、この風景の中に自分がいるんだ。」 と何とも言えない興奮に包まれる。

 

登りとは逆に、急坂をリズム良く大股・速歩きで下るとCP『レメ』(65,6キロ地点)午前8時29到着。

スタートして、すでに20時間29分歩いているいるも、痛む箇所もなくまだ元気。

塩っぱいパスタ入りスープと、甘いものを口いっぱい詰め込んでスタート。

 

 

第2の山『Col Entrelor』(エントレラー山?/3002m)は、さすがに2800mとは苦しさが違います。

富士山の3000mはもっと楽だったのに、そろそろ疲労が溜まって来たのか脚がすごく重い。

下り始めると脚が軽くなるので、やはり薄い酸素のせいだったのでしょう。

 

下るとCP『ウー・ロウセ』(81,4キロ地点)午後13:43到着。

しかし、ここはあまり記憶になく、多分パスタスープ等を補給して出たのではないかと思います。

2日目はまだ、完走できるか心配で心に余裕が無く、写真を撮る時間も節約していました。

 

そして午後2時過ぎ、第3の山・TDGの最高峰『Col Loson』(ロソン山?/3299m)に取っ掛かる。

それなりに苦しいものの、何故か先の3002mほど辛くない。

 

 

第2のLB『コーニュ』(106,2キロ地点)到着が午後21時43分。

『ウー・ロウセ』からの24,8㎞に、ピタリ8時間00分かかり、さすがに疲れを感じました。

面倒でも『モンベル・リゾッタ』と『アルファ米・牛めし』にお湯お入れ、プロテインを飲んで食事。

仮眠場所でコット(簡易ベッド)を確保してからシャワーを浴び、寝着に着替えて約4時間の仮眠。

『コーニュ』に5時間28分滞在して、いよいよ3日目に入ります。

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この日誌を書いていて、フッと疑問が湧いてきました。

第1のLB『ヴァルグリセンセ』では、シャワーを浴びていなかったのではないかと。

どうもハッキリ思い出せず、第2のLB『コーニュ』と記憶が混同しているような気がします。

曖昧な記憶で大変申し訳ありません。

                                               ~第3話に続く~

 

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