それでも僕は、知床でヒグマを撮影する(第二回) | ねこままん
2018-07-26 06:32:54

それでも僕は、知床でヒグマを撮影する(第二回)

テーマ:カメラ・写真

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雨が降っていた。

 

相当量の雨だ。

 

そんな中、再び車を走らせる。

 

ヒグマを撮影するためだ。

 

 

曲がりくねった道を、進んだ時、再び路上に不自然に停車する車がいた。

 

正直、ここ知床では「ヒグマ」を探し見つけるよりも、停車している車を探す方が、ヒグマに辿り着ける。

 

知床の中心部をウロウロしている車の大半は、ヒグマとの遭遇を求める観光客や、カメラマン達である。

 

再びそれはいた。昨日とは異なる個体である。

 

しかし、その隣に蠢く小さな黒い物体を見たとき、僕は戦慄した。

 

 

子熊だ。子連れの母熊である。

 

これは、一般人である程度知っている事だと思うが、子連れの熊ほど危険度が高いものは無い。

 

子を守るためにナーバスになっているし、仮に生身で「子熊  人  親熊」のように、挟まれるような状況になった場合、人は100%襲われる。

 

100%である。

 

やがて、母熊は悠然と道路を横断し始める。

 

 

 

足元の草むらから、飛び出てくる子熊。

 

小さい。今年生まれた子熊だろう。

 

 

親熊に離されまいと、必死でついていく。

 

 

 

知床自然センターに張られていた写真だ。

 

子熊を取り囲むように、至近距離まで近づくカメラマン達。その表情からは笑顔すらうかがえる。

 

これは論外だが、「常時近くに人が張り付くことで、極端な人馴れを引き起こす」

 

エゾフクロウの記事でも書いたが、僕は野生生物と人間が接触する時間は、短ければ短い方が良いと考えている。

 

結果として、招く事態はこうだ。

 

 

信じられない光景かもしれないが、これが現実だ。

 

幸いにも、この時、車から降りる人はいなかった。

 

その危険度は、十分理解していながらも、カメラマンはやはり、「親子熊」を撮影したがる。

 

紳士の場合、どちらかというと成獣の方が魅力的に映るのだが、それでも子熊のかわいらしさは、北海道の生物の中でも指折りと言えるだろう。

 

しかし、子育て中の母熊は、極めてナーバスな存在であり、子を守るために攻撃的になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この親子熊は、再びすぐに道路わきに現れた。

 

道路わきにある紳士の車のすぐ横を通り抜けていくヒグマ。

 

すぐ近くにいると、その大きさが良くわかる。恐怖に心拍数が上がる。

 

片手で、カウンターアサルト(熊スプレー)に手を伸ばし、引き寄せる。

 

 

 

紳士の車の横を通り抜け、ヒグマは更に進む。しかし、その頃には既に大勢の観光客が車を停車させていた。

 

 

 

そして子熊がいるとわかると、喜んで窓を開け、手を伸ばしてスマホ撮影を行っている。

 

短いレンズを持った、観光客的なカメラマンは、2人が窓から身を乗り出して撮影をしている。

 

 

母熊は、ちらちらとこちらを見ている。

 

イラついているように見えた。

 

 

そして、身を乗り出して撮影している若い観光客に向けて、一瞬立ち上がり、明らかに威嚇した唸り声を発した。

 

 

 

車ににじり寄っていく母熊。

 

 

そして道路わきのガードレールまでくると

 

 

立ち上がり、ガードレールを乗り越える。

 

車の中からだと、姿勢が取れない。上手くフレームに収めることができない。

 

紳士の場所からは、望遠で撮影しているため、近く見えるかもしれないが、一定程度の距離はある。

 

だが、出ていけば死だ。

 

親子熊は、道路を悠然とわたり、反対方向にある山の奥に消えていった。対向車に隠れ、ヒグマを捉えることができなかった点と、車を降りるという行為はとても恐怖心からできなかった。

 

この様子を見て感じた事は、人を怖れていないというよりは、「人を自分より弱い生物」だと認識しているのではないか?と思った紳士だ。

 

どことなく、人間を、人間にとっての「ねこ」程度の存在にしか見ていないように思う。

 

だが、ねこであっても、赤ちゃんがねこに取り囲まれ、危害が加えられそうになったとすれば、母親は「ねこ」を追い払うだろう。

 

上半身が全て出るほどに、身を乗り出して撮影していた観光客が、もう一度この地に来るかは分からないが、ぜひ最低限度の知識は付けて欲しいと思ってやまない。

 

地元の人は、「観光客」に頼りつつも、その無責任さに怒りを覚えている。

 

これは、どんなジャンルでもそうなのだが、観光客が結果的に招いた事象に対し、尻拭いをするのは地元の人々である。

観光客にとっては楽しい思い出も、地元民にとっては迷惑でしかない。

 

人馴れ促進により、人里に降りて農作物被害や、漁業被害(定置網にかかった魚を、ヒグマは泳いで盗む)や、倉庫を荒らされるのも地元民。

 

危険に晒されながら、結果として駆除をしなければならないのも地元民。

 

仮に人身事故が起きれば、この地域の立ち入りは規制される可能性高い。そして、知床の観光客は激減する。

 

だが、忘れていけないのは、「観光客」と書いているが、僕自身の存在も、それと大差ないということだ。

 

 

 

MIKIOジャーナルというコーナーが、地元北海道のテレビニュースでは放送されている。

 

上記は、昨年の記事でも紹介したのだが、カメラマンなどの影響によって、2匹のクマが人馴れをおこし、人里に頻繁に降りるようになり、結果として駆除されるまでの顛末を描いたレポートである。未視聴の方には、ぜひ見て欲しい動画だ。

 

ここには、一人の知床財団研究員が出てくる。石名坂主任研究員という方だ。

 

ラスト、撃たれたヒグマを見て、彼は泣きながら、カメラマンに訴えていた。

 

僕は、その姿に忘れられない程の衝撃を受けた。

 

深く、ヒグマを愛している事が、とてもよく伝わってきた。その時から、一度お会いしたいという気持ちも募った。

 

 

最終日、再び僕は知床を走る。

 

一匹のヒグマと再び遭遇した。

 

 

坂を下り、歩き始めるヒグマ。

 

再び、道路わきに多数の車が停車し、撮影を開始している。

 

望遠が多い。車から降りてはいない。

 

 

その時、後方から叫ぶ人の声が聞えた。

 

「すいません!!追い払います!!」

 

 

知床財団だ。

 

彼らは、頻繁に道路をパトロールし、ヒグマの追い払いを行う。

 

人とクマとの距離を適切に保つ。その役割を彼らは担っている。

 

その手法は、大きな声を出して威嚇する、さらには、轟音玉とよばれる球を使用したり、空砲を撃ったりすることでクマを人から遠ざけるのだ。

 

 

見ると、右手はカウンターアサルトがしっかりと握られている。

 

いつでも抜けるようにしているのだ。

 

当たり前だが、紳士も熊スプレーは装備している。だが、車内で行う撮影時にまで装備してはいない(手の届くところにおいてある)。

 

全く憶することなく、大声をあげて、ヒグマに近づき、ヒグマを追い払う知床財団。

 

ヒグマは、おそれるように、身をかがめ、なんどか振り返ったのちに、森の奥へ逃げ込んでいった。

 

被写体がいなくなった後は、停車していた車たちは続々と去っていく。だが、僕は車をうごかさずにいた。

 

どこか見覚えのある顔だったのだ。

 

停車したままの僕の車に近より、彼は言った。

 

「すいませんね。今はすぐ車から降りる人が多いので、距離が近い時にはどうしても追い払わないといけないんです」

 

配慮のある言葉だ。僕はあなたの仕事を邪魔している人間にすぎない。

 

「もしかして、石名坂さんじゃないですか?」僕が問うと、一瞬びっくりしたような顔を見せ、そうだとうなづく。

 

僕は車から飛び降りた。

 

あのテレビを見た感動と感謝を伝えたかったのだ。

 

彼は、驚いたと同時に、少し照れたような表情を見せ、僕にさまざまな現状を話してくれた。

 

「昨日は、久しぶりに熊スプレーを使用しました。観光客とクマの間に割って入った際、ヒグマに突進されたのです。だから今このスプレーは新品です((笑)」

 

怖ろしい事を、日常の出来事のように語る。いや、実際日常の出来事なのだろう。

 

彼らは日常的に、命の危険に晒されている。観光客の命を守るためにだ。

 

「実際、今はヒグマの人馴れを止めることはできないのではないかとも考えてもいます。ただ、私たちはヒグマに嫌われている。だから事故をおこさないためにも、追い払いをできる限り続けるしかないんです」

 

さらりと言うが、僕は彼がどれだけヒグマを愛しているか知っている。

 

そのヒグマに、嫌われ続ける事を、仕事としなければならない。嫌われることで、大好きな生き物の生命を守る。

 

人馴れ促進は、僕も一因となっている事を告げた。なぜなら僕は、番組で彼が涙ながらに訴えていたヒグマ撮影のカメラマンの一人だからだ。

 

「羆を撮影したいという気持ちは、すごく自然な欲求だと思います。何枚か撮影するのはいいんですよ。ただ、長時間取り囲んだりするのはやめて欲しいです」

 

僕は驚いた。

 

彼はヒグマを撮影するカメラマンを憎んでいると思っていたからだ。

 

番組でも放送されていたが、追い払いを行う知床財団に、ヤジを飛ばしたり、怒ったりするカメラマンが実際に存在する。

 

自らの欲望に忠実なカメラマン達だ。彼らにとってみれば、なぜせっかくのシャッターチャンスを無にするのかと憤るのだろう。

 

かつて、ヒグマ撮影中に、知床財団に怒鳴ってやったと自慢げに話していた高齢のカメラマンがいた。

 

僕はヒグマ撮影を行うカメラマンであり、人馴れ促進の一因子となっている。だが、最低限守るべきことはあるし、自分の被写体が、どのように守られているかどうか、その程度の事を考えれない、もしくは知ろうとしない人は、野生動物カメラマンとして失格だ。そう思っている。

 

実際、知床財団は、ヒグマを見つけ次第、すぐに追い払っているのかどうかを聞いてみた。

「う~ん。状況によりますね。危険があると判断すれば、すぐに追い払います」

 

知床財団は、観光客目線を忘れている訳ではない。ただ、事故が起こってしまう事は何としてでも防がなければならない。そう考えているに違いない。

 

 

 

 

 

あまり引き留めても、僕はさらに彼の仕事をじゃますることになってしまう。

 

こうしている間にも、またどこかでヒグマが出没し、観光客がそれを取り巻いているかもしれないからだ。

 

別れ際、彼は僕にこう言った。

 

「お願いしたいことは2点。車から降りない事と、渋滞が起きそうになったら、車を移動させる。この2点をまもっていただくようお願いします」

 

もっと色々と聞きたいことがあった。だが、それはまた近いうちに、会うことができた際に聞いてみたい。

 

僕は星の数ほどいるブロガーの一人で、微少な存在かもしれないけども、幸いにして多少なりとも人に広める事はできる。

 

あまり取り上げる人が少ない彼らの活動を、少しでも人々に知ってもらうことができれば、僕のブログは少しだけ意味のあるものになるかもしれない。

 

 

 

僕は、ヒグマ撮影のアマチュアカメラマンだ。

 

僕だけが、正しいというつもりは毛頭ない。

 

被写体としてのヒグマに興奮し、他のカメラマンと同じように、より鮮明に、より美しくヒグマを捉えたいという欲望を持つ。

 

だが、ルールは守りたいし、このヒグマたちが、いつまでも変わらずに生活できるこの「知床」という場所を、愛し続けていく。

 

これからも、財団の人にはいろいろと聞いていきたいし、できる限りの協力もしていきたい。

 

だが、もし「撮るな」と言われれば、野生動物と人間のように、それは分かり合う事はできないだろう。

 

知床財団のヒグマ保護の将来像の中には、「撮影施設の設置」というものが盛り込まれている。

 

野生生物の人馴れの危険と人身事故のリスクを軽減する撮影施設の設置は紳士も心から望んでいる。

 

だがそれすら、国立公園内、かつ世界自然遺産の中に人工物を建設するという事は、収容能力を備えた駐車場の用意も含め、乗り越えるべきハードルが多い事は理解できる。

 

もちろん有料にすべきだし、資金調達方法ははクラウドファンディングをはじめ、現在は多岐にわたる。実現できない事はないのではないか?と思う。

 

野生生物の行動を抑制できないのと同じように、カメラマンや観光客の欲望を抑えることもまたできない。

 

 

そうした諸問題が、解決する日を心から望んでいる。

 

 

 

うわべだけのマナー記事や、よい子記事を書くのは簡単だ。知ったようにヒグマの危険性を訴えるのも簡単だ。

 

そうしたyahooコメントレベルの人々はたくさんいる。

 

でもその人たちの大半は、見てもいないし、撮影してもいない。知床の現状も大して知らないし、ヒグマと生身で対峙したこともない。

 

深く問題を理解し、解決の糸口を見出そうとしない、代替案を持たない人のカメラマンに対する一方的な批判に、僕は知床の将来像を見出すことはできない。

 

 

僕は野生動物を被写体とするカメラマン。

 

いろいろなスタンスを持つカメラマンがいる。だが、僕は程度問題を語ることに、それほど意味を感じないという考えを持つ。

 

だからすなわち、僕の存在は「悪」だ。それを自認しながら・・・・・

 

 

 

 

 

それでも僕は、知床でヒグマを撮影する。

 

 

 

 

 

■あとがき

今回全2回でお送りしたヒグマ記事は、紳士の記事の中で最も攻めた作品となっています。

正しく伝わればいいと思っているのですが、人の読解能力も様々で、一般人である私は、現在万人に理解させるほどの技量を持ちません。

なるべく容易に、読みやすく、人に伝えることができる文章を目指していますが、一般ビジネスパーソンでもあり、時間的制限の中では、まだまだ道半ばです。

それは、今後も私が努力していこうと考えています。ブロガーとしてそうする義務があると考えています。

 

それでも、一般的なブログの常識を大きく逸脱する程に長文で難解な文章を理解いただき、リブログしてくださる読者のみなさんや、いいねしていただける皆さん、コメントをいただける読者の皆さんに感激です。全てありがたく拝読しています。こうした記事にコメントするのは、かなり考えなければいけなかったはずです。心から感謝です。

「ねこままん」は、読者の皆さんに支えられて、もうすぐ8周年を迎えます。本当に感謝です。

(´;ω;`)

 

今回の知床撮影遠征は、いつになく真面目な記事が多く、疲れた読者も多いでしょう。

わかっていますぞ!!

(`・ω・´)

 

次回は千歳基地航空祭記事!!

なにかから解放されたような紳士が、いつもの紳士節を取り戻します!!

(゚∀゚)ノ

 

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