私は、家を飛び出した。

夜中、彼の強い気持ちが伝わってきた。


夫と一緒に暮らしているのが嫌なのが、痛いほど伝わってきた。


私は、彼が受けとめてくれるならと思い、家を出ることに。


夜中に、必要なものはすべてまとめた。

思い出は、すべて置いてきてほしいと伝わってきたので、必要なものはすべてまとめた。


朝が来るまでに、離婚届の、私が書く箇所の記入、そして、最後のブロック解除。


そして朝がきた。

夫に離婚のことを伝えると、荒れに荒れた。

色んな物をなぎ倒す。投げる。


私は、好きな人ができたから、別れてほしいと伝えた。

夫の顔は、見たことのないような恐ろしい顔だった。

こわい。


なんでここに彼はいないの。


私は、重い荷物を抱えて近くのコンビニへ。

私は、彼がいると信じて待つ。


大荷物の、いかにも訳ありな女。

恥ずかしい。


1時間程度待ったけど来ず。

まさかと思い、何度も彼に呼びかけるも、来ず。


ありえない。ありえない。

今さら家に帰れない。


どんな顔して夫に会えばいいの。


そのときの絶望は、本当に忘れられない。

1夜にして、すべてを失った。


あるのは、少しのお金だけ。


私には、助けてくれるような友人知人はいない。

どうしようもなくなり、昔からカード鑑定をお願いしていた方に電話する。


3時間後ということならでお願いする。

この方の声を聞くと、どうにもならないことでも、なんとかなりそうで安心する。


大荷物をかかえ、途方に暮れて歩いていると、急に、体が震えるほどの強い怒りがわいてきた。


かつて感じたことのない、強い強い怒りだった。

拳の震えが収まらない。


こんな人、いらない!

私のことを何度も何度も裏切った!


私はこれから1人で生きていくんだ。

私に2度と関わってこないで。


そのとき、いつも感じていた彼のテレパシーを、頭の外に追いやっているのに気づいた。