サルヒツのグルメ探訪♪【第228回】
Esaka's Italian OKAMU‐
℡)06-6155-4040
カテゴリ:カジュアルイタリアン
往訪日:2024年2月9日
所在地:大阪府吹田市豊津町23-5
営業時間:(月曜定休)
(L)11時30分~14時
(D)18時~24時
アクセス:御堂筋線・江坂駅北口から5分
駐車場:なし
■26席(カウンター+テーブル)
■予算:6,000円+アルコール
■予約:可
■カード:可
■オープン:2020年3月
《普通であること、一番大切なこと》
ひつぞうです。二月初旬に江坂のイタリアン、OKAMUー(オカムー)を訪ねました。いつものようにおサルのセレクト。以下、往訪記です。
★ ★ ★
御堂筋線・江坂駅北口と東西に交わる道路がある。江坂ポプラ通り。ちょっぴり昭和の匂いがする可愛らしい名前のメインストリートだ。その通りもダスキン本社前を過ぎるとウソのように喧噪が薄れ、サッカーの練習に明け暮れる中学生の歓声しかしない住宅地に変貌する。道はいずれT字路で潰え去り、その突当りにOKAMUーはあった。
「結構人気らしいのち」
家に近いと意外にオーラを感じないものだよね。
毎朝ジョギングで前を通る店だった。気にはなっていたが、江坂界隈には幾らでも店がある。目移りするばかりで頭が回らなかった。調べてみると料理も旨く何より安いらしい。そのうえ肩肘張らなくていい。その週末は予定もなかったし、タイミングもよかった。
「もう予約すた!」 ワイン飲む
定刻通りに灯りが灯った。人声がするのは二階の学習塾。僕らが最初の客だった。
暖かくなればオープンスペースもいいだろう。だが季節はまだ二月。思わず足どりが早くなる。
この日はコースをよしてアラカルトで好きにやることにした。
まずはスパークリングワインで乾杯。この瞬間が一番ワクワクする。そして期待通りの店だろうかというわずかな不安も。
「盛り合わせをお頼む」 野菜もとれるし
=本日の前菜盛り合わせ=
(11時の位置より時計回りに)
鱈のコンフィ
チーズケーキバスク風
クスクスと海老
イカ墨のコンキリエ
さつま芋のキャラメリゼ
鶏ハム
ブロッコリーのマリネ
プロシュットコット(火入れのハム)
南瓜バルサミコ仕立て
ラタトィユ
四十代まで暗記など訳なかったが、近頃は瞬間記憶力が衰えて二度三度と訊き直してしまう。なので盛り合わせはできれば頼みたくない。
「本末転倒でしょ」
覚えきれずペンの動きを止めた。若いカメリエレをそっと覗う。澄ました感じの彼は必死にメモする僕を冷やかに眺めているように見える。ところが声をかけると相好を崩して寄ってきて「何でも聞いてください!」とどこまでも明るかった。憎めない若者だった。
「被害妄想だにゃ」
まずは白ワインを頼むことにした。
カッサラ アッパシメント テッレ・シチリアーネ2020
生産者:カッサラ
ヴィンテージ:2020
タイプ:白(辛口)
品種:グリッロ100%
地域:シチリア(イタリア)
アルコール:13%
酸化防止剤使用
輸入:モンドトレード
カブのみ系のワインであることは間違いないが、ネット上に拡散していないので割と輸入されていない国内消費銘柄かも知れない。
幾つか見せてもらったが、どのワインも開栓済み。エチケットが擦り切れて裏ラベルに(スタッフ用の)虎の巻(香り、味の表現)がペンで記されている。少し興覚めだったが、差し替えられる料理の器を見て、店の良心を改めて感じた。どれも綺麗で料理にあわせてある。少し心持ちに余裕ができた。それにワインは嗜む客層次第。捌けなければどうしてもこうなるもの。
「ソフトドリンク飲んでるお客が多いもんね」
第一の皿を頼むことに。
=鳥取県産鰆のポワレ・ヴァンブランソース=
白ワインよりも生クリームが前面に出ている。海老や季節野菜も交わり愉しい皿だ。そして、とにかく量が多い。三人前くらいはありそうだ。
続いてパスタ。
=山口県産剣先イカのイカ墨スパゲッティ=
お腹がいっぱいになる前に好物のイカ墨パスタを頼む。コクがあって旨い。やや太めの生麺に刻んだトマトがよく合う。厨房では三人のスタッフが互いに絶妙な間合いで分担して料理をこなしている。果たして誰が店主なのか。
「多分端っこの偉そうな人だよ」
会話に入らずとも、客の動きを把握している空気が伝わってくる。いい感じだ。こういう店に失敗はない。
勿論(行儀は悪いが)ソースはパンで拭って綺麗に頂いた。詰まったパンがまた旨い。
いよいよメインディッシュ。合わせて同じカッサラの赤ワインに。
カッサラ アッパシメント テッレ・シチリアーネ2020
生産者:カッサラ
ヴィンテージ:2020
タイプ:赤(辛口)
品種:シラー100%
地域:シチリア(イタリア)
アルコール:14%
酸化防止剤使用
輸入:モンドトレード
価格:2,500円(税抜)
=牛ホホ肉の4時間半赤ワイン煮込み=
当店人気の逸品だ。これ二人でもかなりの量。
ナイフを添えると判るだろう。
長時間煮込んであるので肉もホロホロ。ソースが染みて赤ワインによく合う。
=和歌山県産しらすと九条ネギのクリームピッツァ=
止せばいいのに最後に炭水化物をガッツリと。
「だってピザも名物らしいし」
窯焼きの熱熱を頂戴する。
どうでしょう。このチーズのねっとり感。ごくごく普通の業務用ピザ用チーズなのだが窯で焼けば間違いなく美味い。勿論褒めている。
さすがにお腹いっぱいになったので最後はグラッパでしめることに。
「御馳走さんですた!」
想像どおり、総じてカジュアルなイタリアンだった。それは好い悪いではない。それこそが店の個性。勘定をすませて店外に出ようとすると、てっきりアシスタントとおサルが断言した方がシェフの山本翼さんだった。店名の由来はオーナーの名前と聞いたが…。これは最後まで謎のまま。
「岡村さんかと思ってただよ」
料理を味わうこと。外食を愉しむということ。大袈裟だが改めてそんなことを考えた夜だった。
「相変わらずだのー」 ぷっ
(おわり)
ご訪問ありがとうございます。