「ECO EDO日本橋 アートアクアリウム2018~江戸・金魚の涼~」
往訪日:2018年7月29日
開催地:日本橋三井ホール(コレド室町1/5F)
期間:2018年7月6日~9月24日(11時~23時30分)
料金:(一般)1,000円/(子供)600円
≪巨大な球体の中で白眼をむく錦鯉≫
こんばんは。ひつぞうです。先週末の街歩きの続きだよ。ていうかこっちがメ
インエベントだったんだけどね。日本橋の三井ホールで開催中の「アートアク
アリウム 2018」を観にいったんだ。おサルが行きたいって言うからね。
「だってメチャ綺麗じゃない?」
~アートアクアリウムとは~
ま、知らないのは僕くらいのものなんだろうけど、気鋭のアーティスト・木村英
智氏がプロデュースする、アクアリウム(水槽)を用いた光と水の芸術。2007
年のスタート以来毎年、国内数箇所で開催されている。因みに今年は東京、
名古屋、上海らしい。
“アート”とはいうものの、純粋芸術とはジャンルを異にする、昔流行ったルミ
ナリエ系のイベントに近い。木村氏自身の芸術的生い立ちについては、どこ
にも記さていない。海水魚の買付師的な出自を語っているので、その辺りが
スタート地点なんだろうね。
~アートアクアリウム鑑賞の極意~
もともと夏場の暑気払いとして、金魚を飼う伝統が江戸の町にはあった。透明な
硝子の金魚鉢を通して、水の中をスイスイ泳ぐ緋色の生き物を見ることで涼を得
ようとしたんだろうね。
その伝統を最新式の飼育技術とLED技術を駆使して、巨大かつ絢爛豪華な金魚
の舞を演出した訳だ。断っておくけど、LEDでゴテゴテチカチカと照明を当てる演
出は趣味ではない。何度も折節に喋っているけどね。
「知っているよ。鍾乳洞とか水族館とかは自然に観たいんでしょ?」
そういうこと。ま、これはこういう「イベント」だと割り切っているけど。ただね。金魚
は見たい。子供の頃、空前の熱帯魚ブームってのがあってね。生き物万歳的な
少年だった僕は今でも水槽の中を泳ぐ魚は好きなんだ。因みに「昆虫すごいぜ」
の香川照之さんに、いたくシンパシーを感じる50代である。
話が脱線した。そういう伝統に焦点を当てて、やれ江戸切子だ、万華鏡だ、日本
刀だと外人好みのジャポニスムを詰め込んでもね、狙いはやっぱりインスタグ
ラムなんだよ。
「嫌なのち?おサルが好きなものにケチつけるのち?」
いやいや、そういうことではなくてね。いかにインスタ映えする写真を撮るか。
そこに焦点を絞って乗り込もうってことだよ。
~アートアクアリウム攻略法~
■どんだけ並ぶのか
11時開場だったけど10時前に到着した。まだ10人ほどだった。その後あっと
いう間に長蛇の列。最終的には400人くらいの列になっていた。なお、当日券と
前売券で列を分けられる(当たり前だけど)。なのでコンビニでの事前購入をお
薦めする。
■鑑賞時間はどれくらいか
サラッと観るだけなら30分程度で済んでしまう。ただ写真撮影OKで、そのため
に来たようなもんだから、あちこちで人だかりができる。照明が暗いので多少人
が入っても気にならないが、オヤジを入れずに奇麗に撮りたい人は3,000円(土
日)の優先入場券を買えば、あるいはコレドお食事セット券(6,000円)を買えば
列に並ばずとも開場10分前に優先入場できる。これなんか人形町の親子丼店
「玉ひで」にランチを予約して、行列すっ飛ばしての入店に劣らない優越感が得
られるだろう(笑)。
そんな話ではなくて、綺麗なステージを撮影できると云いたかったのよ。でも
ちょっと高い投資だね。
「長いね。相変わらず…」
参考になったかな?
★ ★ ★
では早速内部に侵入。
まずは今回初の演出となる≪天井金魚≫。実際にこれをやった江戸の豪商がい
たんだって。
昔ピンクレディがCMやってた雪印乳業のカップアイス「宝石箱」を思い出す。
もしくは駄菓子屋で売ってたフェイクの指飾りとか、そういうの。
なんとなく縁日とか、金魚市の雰囲気。
「おサルはね、いけす料理」
アートアクアリウム10年の集大成
≪超・花魁≫
女子高生かよ。
≪キリコリウム≫
スイホウガンの入った江戸切子。アーティスティックなセンスが欠落してるのか
魚屋の活魚にしかみえん。
≪アースアクアリウム・ジャポニスム≫
1.5mの球体が動いているそうな。ワシには判らんかった。
んで
≪大政奉還・金魚大屏風≫
プロジェクションマッピングで日本美術史の変遷を投じているそうだ。これっ
て俵屋宗達の「雷神図」っすかね。六曲二双の屏風は薄い水槽で出来ている。
証明が自然光に近いと、ほら金魚だよ金魚。
手をパンパンと叩くと、どんどん寄ってくる。面白いからずっとやっていたら
大変なことに…。
やっぱり金魚は数匹だけ水盤で鑑賞するのが一番だよ。琉金(キャリコ)だね。
金魚絵師・深堀隆介氏を思い出すよ。あれこそアート。
これ珍しいね。でも色が地味なせいか誰にも気にもされない。鰭といい形と
いい、最高の金魚だと思うんだけどね。
合わせ鏡のような金魚の舞い。
おお高級金魚オランダシシガシラだよ。
「オランダガラシ?」
クレソンじゃん。それ。
意外に動きがすばしこくて、シャッタースピードが合わない。こいつら全部で
幾らするんだろ?
「オヤメよ。なんでもお金に換算するの」
でも一番高価なのはランチュウだよ。
「幾らするのち?」
こういうこともやっているらしい。毎週木曜の夜は「獺祭デー」。なんで日本酒?
そろそろ終盤だよ。樹脂の突起を覗くと万華鏡になる仕組み。
ちょっと判りにくい?
デジャヴを感じていたけど今判ったよ。クリスチャン・ラッセンの色彩感覚に
似てるんだ。あのリアルなイルカと熱帯魚ばかり描いている億万長者の絵。
そして最後を飾る日本刀≪翔英美天命≫
月山鍛冶の流れをくむ刀匠・月山貞利氏による日本刀。どういう展示コンセプト?
なんでも木村英智氏がデザインしたらしいよ。
ほんとだ。金魚のレリーフが入っている。
新作≪床掛け金魚飾り≫
手前の銀細工はイタリアの宝飾ブランドの老舗≪CUSI≫とのコラボ。やるな
らBVLGARIとやって欲しかったね。でも完成度は高いね。どれも本物の標本
みたいだよ。組み合わせだけは理解に苦しむけど…。成金趣味?
★ ★ ★
以上、駆け足でお伝えしたけど、判った??
写真はなるべく他所様が入らないように撮ったけど、すんごい人混みだったよ。
コンセプトが「?」なものもあったけど、インスタ映えはおサルのお墨付き!
「ってかさ、おサルも撮っておくれよう!」
(終わり)
今週末こそは登山に行きたいのう!
いつもご訪問ありがとうございます。