金勝アルプス(上桐生より周回)② | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

≪天狗岩を耳岩方面から見返す≫



「金勝アルプス(上桐生から周回)①」の続きです。

★  ★  ★

天狗岩から白石峰を目指す。

途中ビューポイントの「耳岩」を通過。
「耳岩」という表記はないので看過しかねない。

どこかの親切な方がポールペンで「ここが耳岩」と書いてくれていた。
登ろうかどうしようか迷った。
ほんとに狭いルンゼが気持ちを萎えさせる。
カメラも邪魔だし、もういいやと思った。
最近登山の諸々に慾がなくなったと自分でも思う。

でもここは押えておくべきだった。
天狗岩方面の眺望が最高なのだ。

そんなこととはつゆ知らず。


白石峰に到着した。

なんとこんな場所に登山ポストがある。
山域のど真ん中に置いてどうしようというのだろうか。

ただ、ベンチは豊富にあるので休憩には最高の場所だった。

この先、竜王山まで15分。


途中に磨崖仏の「茶沸し観音」がある。
もとよりここは金勝寺の参道。かつて参拝客目当ての茶屋があったとか。


ほとんど勾配のない道を歩き続ける。


あの僅かな突起が竜王山のようだ。


山頂基部には祠が祀ってあった。


竜王山に到着。
山頂は狭い。5人もいれば窮屈に感じる。

たった二人。ビールで乾杯した。
眺望は優れないが天気はいい。
30分ほど休憩して春山についておサルと語り合った。

そもそも山に特別な執着のないおサルと
過去の山行を振り返り
あんなこともあり、こんなこともあったと
語り合うひと時の充実。

翠が深まる早春の里山で
越し方を振り返ることの意義を噛み締める。

下山することにした。


風化した「重ね石」をへて…


立ち枯れた黒松の並木を歩いていけば…


この日歩いてきた鶏冠山と天狗岩がよく見える場所に出た。
既に天狗岩は黒山の人だかり。
(この写真ではよく見えないけれど…)


緩い坂道をくだっていくと「狛坂磨崖仏」に到着する。
苔むした平安仏教の廃寺の遺構に祈りを奉げた。


里が近いと思っているので、意外に長い山道にちょっと道迷いの不安。
その後、無事に出合を通過。
地図ではしっかりした車道のような表記になっているものの
実際はご覧のとおり。


ただ、所々に群生しているヤブツバキの真紅の花弁が美しかった。


舗装路にいたれば安心。
その割には逆周りのパーティはほとんどいなかった。


最後に「逆さ観音」を拝観。
許は当然逆さまなどではなかった。
明治の頃、下流にあるオランダ堰堤の石材として
岩の基部を切り出した。


そのせいで不安定になった岩が
はるか上部から滑り落ちてきたそうだ。


最後にオランダからの招聘技師ヨハネス・デレーケの設計によるその堰堤を通過。
これで今回のトレイルはほぼ終了。キャンプ場は眼と鼻の先。
こうした重力式の堰堤は鈴鹿山脈の三重県側にもあったと記憶する。


周辺の歴史遺構を観察するだけでも一見の価値はある。


戻ってみると予想したように駐車場の90%は埋まっていた。
管理人の小母さんに料金を払いに行くと
こっちが恐縮するほど、「ほんとにおーきに」と何度もお礼を言われた。

お礼をいうのはこっちの方なのだけどね(笑)。
暖かい春の日差しに満ちた山旅だった。

【行動時間】 5時間10分(休憩+道惑い含まず)

(おわり)

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