北八ヶ岳温泉山行(にゅう~東天狗岳)② | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

≪東天狗岳からの稲子岳と左肩小さく「にゅう」≫




こんばんは。ひつぞうです。
ようやく近所の街路樹が色づいてきました。
10月になればキンモクセイの好い香りで秋の訪れを感じたもの。
(残念ながら現在の住まいの周囲にはないので)

さて「北八ヶ岳温泉山行」の最終回です。
復路は稜線を繋いでいきます。

途中寄り道もありますが全体的な余裕をみながら
時間を刻んでいきました。

以下、毎度毎度の山行記録です。




【 2 日 目 】


6時の朝食を平らげて歯を磨いたら直ぐに出発。
下山する人や夏沢峠を詰める人。いろいろだが
おさるとひつぞうは白砂新道を登り返す予定。

夏沢峠までの道も未踏なのだが、午後は下り坂の予報。
一刻も早く帰ろうという魂胆。



いきなりの崩壊地。
今年繰り返し襲った豪雨の爪痕だろうね。
全国至る場所にこうした痕があるので、毎回驚いている訳には
いかないが、登山道そのものが流されている山域もあったりして
出発前の自治体HPにアクセス(もしくは面倒がらずに電話)するのは必須の時代。



ちょっぴり急登。誰もこないね。
ここも割りとマイナールートですかな。



再びオオシラビソの樹下に。急斜面と緩斜面が交互に現れる。



森林限界を超えた。
見覚えのある稜線はすぐそこだ。



初日よりも天気は良さそう。
朝陽の差し方が随分と秋らしくなった。
こうしてみると稲子岳って存在感があるなあ。
「にゅう」はその奥にちょんと1mm程度覗いているのがそれ。



直下に広がる高層台地に顕著な縞模様。
これって人工的に植えられた二次林の跡だろうか。
???



白砂新道の分岐につきました!



やはり夏山と比較するとハイカーの数はグンと少ない。
それでも登りたいという山好きは沢山いる。
特に今年は天候不順だったし。

このあたりは7月頃であればコマクサの群生地になる。



赤岳、阿弥陀岳が頭を覗かせる。



偶然だけど、ハイカーのいない間隙に飛び込んだみたいで
前後に誰もいない。人の姿こそ見えていながら実に静かだ。



おさるこよ!よそ様を煽らないように!



東天狗岳山頂に到着。
前回の登頂は三年前の七月。まだ梅雨のあけきらない季節だった。

おさるの九州のお友達をよんで名古屋から三人で渋の湯から登った。
山びこ荘では、初めて「なまヤマネ」と「なまモモンガ」をみた。

よい思い出である。




八ヶ岳連峰は富士山よりも大きい巨大なコニーデ火山だったという。
それが磐梯山もびっくりの大爆発で山体崩壊を起こし
崩れ残った残骸が現在の八ヶ岳連峰。
残骸でこの規模だから凄い。

赤岳や阿弥陀岳など顕著な鋭鋒が連なる南八ツは
その後に噴火した新しい火山群。



くだりはまだ歩いたことのない擂鉢池を経由。



分岐。
まっすぐ行っても黒百合ヒュッテまでは大して違わない。



こっちにくるハイカーは殆どいないようだ。
岩がゴロゴロしているゴーロ帯。
しかも平坦なのでガスの掛かった時は回避したほうがよさそうだ。



こうしてみると実に平べったい。
ちなみにひつぞうは「テルマエ・ロマエ」の平べったい顔族が好きである。

「自分もそうじゃん」



けっこう浮き石が多い。気をつけましょう。



中央の平たい突起が中山のピーク。
黒百合平は、その手前の凹地にあるので見えない。



右に見えるのが擂鉢池。涸れているので雰囲気だけね。



ここから振り返ると天狗の双耳峰がみえる。
左の東天狗の突起が天狗の鼻にみえることから命名されたそうな。



山小屋が見えてきた。
中山も縞枯れ現象が明瞭に観察できる。
この現象、詳しい発生のメカニズムはわかっていないそうだ。



上から見るとこうなっているんですね。



黒百合ヒュッテ到着~!

暖かい陽だまりのような空間である。
ここのトイレを初めて借用したとき
こんなに綺麗なバイオトイレがあるんだと驚いた。

食事も旨いと聞く。いつか泊まってみたいものだ。



食事はしなくてもこれさえあれば!

ちーすっ!



なんとマムートとコラボのジョッキ。
マムートに作ってもらっているそうな。
60周年記念なのですね。

残ったつまみをボリ喰いしつつ、今回の山旅を振り返る。
なんと八ヶ岳の山域に来るのは2年前の二月以来。
実に1年8ヶ月ぶり。

毎年企画しながら、なぜかこの山域は縁遠くなっていた。
信越、上越、会越に浮気してばかりいたらこうなった。



いつまでも飲んでいられない。二杯で我慢(充分?)。



高気圧に押さえつけられていたガスが上昇してきた。



中山のピークに到着。
樹林帯なので眺望はないが、すぐ先に展望台があるらしい。



これはなかなかの展望。
お弁当を広げているハイカーがたくさんいた。
どういう訳か若者ばかり。

ここからの丸山周辺は縞枯れ現象がとりわけ顕著。
これもまた実に北八ツらしい光景。

「ひつぞう、ほんと好きだね。そのフレーズ」サルライダー

中山から高見石までは戸隠神社の桟道のようなまっすぐな道が延々続く。
残された距離がはっきり判るだけに、おさるはげんなり。めちゃ減速(笑)。

「見えてなければ、まだ頑張れるのににゃ…」サル




高見石小屋についた。
ここから白駒池は近い。そのためか軽装のハイカーが多い。

綺麗な小屋だ。静かな小屋にはリスや小鳥が訪れるそうだ。
冬を越すための薪がうず高く積まれている。
もうそこまで冬山の季節が近づいている。



最終ピークの丸山は高見石小屋の裏からすぐの場所に見えている。



ここだけは誰もいなかった。
これから先の季節。ついに一日歩いても誰にも逢わない登山が始まる。

期待で胸が躍ると同時に
そこはかとない不安と慄きに押し潰されそうになりながら
週末を迎える日々がやってくるだろう。

それでも山に登り続ける。
おさると一緒に。

「ぜひ、お頑張りよ」サルライダー


なんで!一緒に登ろうよ!

「考えとく」サル



麦草峠に還ってきた。

これで八ヶ岳の主稜線の大半を繋ぐことができた。
あとは「青年小屋で飲み明かそう!」計画が待っている。

しかし、いったいいつになることやら…。



結局、下山するまで天気はもってくれた。
蓼科高原は素晴らしい蜂蜜色と林檎色の紅葉に彩られていた。

バーモントカレーみたいである。

「つまんねー!」サル


(おわり)



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