賃貸の仲介手数料はなぜ1か月分払うのか? | 行政書士 大田法務事務所の日常

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専門分野は交通事故・遺産分割・遺言といった民事法務全般です。
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依頼人のためにさまざまな角度からアイデアを出し、
証明することを得意としています。

こんにちわ、きのう(今朝)の男子サッカーで

ふがいない試合を見せられて不機嫌です。


さて、タイトルはいずれ何かの折に書こうかな、と思っていて、

きょうたまたまこんな記事がでていたので、

引っ掛けて書いてみることにしました。


敷金0、礼金0の賃貸物件はどうなっているか
賃貸物件を探していると、敷金0、礼金0という、いわゆる「ゼロゼロ物件」というお得なものがあります。借..........≪続きを読む≫


あらかじめ断っておきますが、私は不動産業者ではありませんので、

業界の常識や慣習などといったものとは無縁です。

業界内でのローカルルールに基づいた

批判は受け付けませんので、あしからず。


不動産屋さんで物件を借りる場合、

礼金・敷金・日割りの家賃のほかに

仲介手数料1か月分を支払った経験のある方は多いと思います。

その際、これってどういうものなの?とあまり考えず

たぶん、そういうものだ、と習慣的に支払っていると思います。


高いなあ、と思っても

「これが決まりですから」

「法律で決まってますから」と言われた方もいるでしょう。


この仲介手数料というのは、

実は宅建業法という宅建取引主任をやっている人は

絶対に勉強する(試験科目ですから)法律に書いてあります。


「第46条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の

売買、交換又は賃借の代理又は媒介に関して

受けることのできる報酬の額は、

国土交通大臣の定めるところによる。
宅地建物取引業者は、

前項の額をこえて報酬を受けてはならない」


で、この中にある国土交通大臣の定めるところとは

昭和45年の建設省告示1552号の

「宅地建物取引業者が宅地又は建物の賃借の媒介に関して

依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、(中略)

一月分の1.05倍に相当する金額以内とする。

この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して

依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、

当該媒介の依頼を受けるにあたって

”当該依頼者の承諾を得ている場合を除き”、

借賃の一月分の0.525倍に相当する金額以内とする。」


ごちゃごちゃしていて何が書いてあるかわかりにくいですが、

法律では

「国土交通大臣が決めた額以上の報酬とっちゃダメですよ」と書いてあり、

大臣の通達では

「賃借の報酬は賃料1.05か月分以内ですよ」

「原則として当事者(大家・店子)それぞれから半分ずつですよ」と

書いてあるんです。

ただし、通達の下から2行目

””でくくった部分が曲者で、

「本人たちが納得してるなら1か月分丸々どっちかが

 負担してもいいですよ」と解釈されているわけです。


これに基づけば不動産屋さんが

「仲介手数料は法律で決まっている」と言ったら、

これはうそですね。

手数料の上限が法律で決まっているだけで

手数料の金額が定められているわけではありません。

100円でも1000円でも1か月分より安ければ、いいわけです。

1か月分まるまる借り手に負担させることについては

礼金制度などもそうなのですが、

元を正せば戦後の圧倒的な貸し手(大家)有利の時代に

とにかく不動産業界は大家さんが大事なお得意様だったので

大家さんに有利になるように様々な取り計らいをしてきた

その名残でしょう。

(ちなみに礼金制度にいたっては法的根拠はありません

 強いてあげれば商取引における慣習でしょうか)


最近では仲介手数料は0.5か月分を売りにしている

不動産業者も増えました。

ただね、これには裏話があって、

ひとつは彼らはなにも遵法精神にあふれて

自主的に行っているのではないということ。


もうずいぶん前になりますが、

きちんとした説明もせず、借主から一か月分の

仲介手数料をとっていた不動産屋が

国土交通省から「行政指導」を受けたんですね。

(たしか、社長が呼び出されたはず)

それで仕方なく0.5か月分にすることにして、

逆に大々的に宣伝しているんです。

ちなみに業者によっては

物件によって仲介手数料0円としているところもありますが、

こうしたところは大家さんの側から1か月分の仲介料をもらったり、

あるいは広告料などの名目で別に収入があると思われます。

逆に言えば、仲介手数料0円にしてでも

借り手が欲しい物件ということですが。


そして、もうひとつ、

これは私の実体験ですが、

こうした0.5か月分を謳っている大手の中には、

たしかに仲介手数料は0.5か月分ですが、

クリーニング代(出て行く人からもとってるはずですが・・・)や

防虫剤の散布、鍵の取替え、24時間管理サービスなどの

いろいろなものを”黙って”見積もりにつけてきます。

(消費者契約法違反じゃないか、という気がしますが)

私はこのひとつひとつを法的根拠がない、

必要がないと全部ナシにさせましたが

つまり実質1か月分くらいはなんやかんやで取ろうとしてきます。


ただし、ここからが大事なんですが、

じゃあ、法律論を振り回して0.5か月分しか払わない、

1か月分まるまる負担するのは

納得しませんと言ったら、どうなるのか?

最近は借り手有利なのでひょっとしたら

納得してくれるかもしれませんが、

通常は「じゃあ、よそいってください」といわれます。


仮に納得してくれても

なんだかんだで大家さんとの間がギクシャクすることもあるでしょう。

そう考えると、あまり強硬に主張するのは賢くないということになりますね。


でも、賃貸不動産市場は今は借り手有利です。

(一部の人気地域や人気物件は除く)

たとえば家賃を値引いてもらう。

礼金を0にしてもらうといろいろと交渉の方法はあります。


ちなみに私は現在のマンションの前のマンションは

家賃を月3000円引いてもらい、礼金はナシ、仲介は0.5ヶ月

(敷金は最初から1だったので、さすがに0にして、とはいえなかった)

その前は礼金2・敷金2のところを1・1、仲介は20%引きにしてもらいました。

(敷金は全額回収しました。)


関東の基本的な(これがそもそもおかしいのですが)

仲介手数料1・礼金2・敷金2の5か月分の支払いと

家賃そのもののそれぞれに交渉のポイントはあるわけですから、

トータルで考えてあまり仲介手数料だけにこだわらず、

少しずつ削って、2~3か月分くらいにまでできれば、

OKかなと交渉したほうが、賢く交渉できることは間違いないです。