文庫 2020年3月13日
2017年刊行の単行本の文庫化
東京創元社 376ページ
★★★☆☆ 3点:個人的な感想
【あらすじ】
幻と言われる青いバラが、別々の人物から同時に発表された。
バラの温室の中で起きた密室殺人事件。
並行して語られる、ある少年とある家族の物語。
青いバラと不気味な実験体。
【感想】
私は単行本派です。
単行本化で改稿される作品があるためです。
けれど今回は、単行本が手に入らなかったので文庫で読みました。
この物語も、一部改稿されているそうです。
前作『ジェリーフィッシュは凍らない』に続く、
「マリア&漣」が登場し、この後シリーズ化されています。
登場人物のシリーズ化は、よく行われていますね。
私も、好きなキャラが登場する作品があったりします。
でもね、それは魅力的なキャラに限ると思うのです。
このマリアと漣には、私は魅力を感じられませんでした。
会話も取り立てて面白くないし、
漣がマリアをバカにしたようなセリフを言い、
マリアが怒るっていうだけ。
漣のセリフはとても失礼だし、
マリアのセリフも、他の人に対してとても失礼だったりします。
マリアは他の人物にも、小馬鹿にされていたり、
マリアもヒステリーっぽかったりしています。
そのあたりも、ちょっと不快に感じています。
物語の感想です。
不可能な密室殺人事件の謎と、
合間に語られる不思議な物語。
現実の物語と、とても似ているのにどこか違う。
どこがどうつながるのか、事件の真相はと、
後半の真相部分に入るまでは、とてもわくわくしました。
けれど・・・
なんとも強引な真相で、残念でした。
作者は、前作もそうでしたが、専門なのでしょうか。
DNAの解説など詳しくされていて、説得力があるように感じます。
でも、バラに関しては私自身知識があるので、
説得されきれない部分もありました(架空の世界だからそういう設定なのかも)
前作もそうでしたが、動機やその過程が弱いです。
今回は、動機はともかく、
そこまでする必要性を感じられませんでした。
そこは、密室殺人事件の成立のための、強引なトリックなのかとは思いますけど。
個人的には、強引な無理やりな本格派でなくていいので、
面白いミステリーが読みたいです。
忘備録を兼ねた個人的な感想なので、勝手な辛口感想です。
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