人は年齢を重ねるといろいろな意味でバランスが崩れてきます。
身体は大丈夫だけれど心が、とか
頭はしっかりしているけれど体が、とか、
今までできていたことができなくなってしまったり、とか。
今まで自分よりも家族のことを優先してきたのに
人一倍動けていたのに、
それがどんどんできなくなってしまって。
お母さん自身が
本当は自分の息子や娘に迷惑をかけたくないのにって
すまないね、って謝りたいのに謝るすべもなくて
痴呆ってそんな辛いことを
自分で意識しなくて良いように
わからなくしてくれてる、そんな気もします。
でも息子や娘の立場だと、
理想のお母さん像というか、
今までのお母さんと違うから、
なんでそんなこと言うの?
どうしてこんなことするの?
って、今までできていたことができなくなったお母さんを
見るのが慣れなくて、お母さんのことも自分のことも責めるんです。
治してあげることは、もう、ほぼ無理なんです。
でも、生きててくれてます。
それだけでありがたいですよ。
できていたことができなくなっても、
それは、
私たちが子供のころから
できないことをできるようにしてくれてたからこそ、
私たちができるようになったから、
お母さんはできていたことをできなくなったんです。
バトンタッチです。
自分の親だからこそ、辛いです。
客観的に見るなんてなかなかできません。
でも、視点を変えることはちょっぴりでもチャレンジできるかもしれません。
お母さんは、脳の理性は少なくなってしまっても、
憎まれ口をたたくほど、
今日もカラダは元気です。
自分自身も、お母さんも、生きてるうちにしか、
親孝行も恩返しもできないですもの。
私自身が6年前に
乳がんで死んでいたら、
私は私の母の面倒を見ることなんて
できなかったって思うから。
そんな風に思っても、
私の母は仙台で一人暮らし、ほっぽったらかしの、
ひどい娘です。
あなたはそばにいてくださるんだもの、
お母さんは心強いですよ。
きっとおかあさんは毎日、心の中で
ありがとうってあなたに言ってくださってると思う。