- 科学者という仕事―独創性はどのように生まれるか (中公新書 (1843))/中央公論新社
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とても素晴らしい本だと思いました。研究者として,どのような心構えが必要なのか,が書いてあります。もちろん,新しいことは書いていないかもしれませんが,改めて,まとめて書いてあることがありがたいです。また,研究は苦しい,論文が出るときは喜びがあるが,それまでは苦しいやり直しと出直しの連続である,と書いてあり,励まされました。また,研究者たるもの,人付き合いや,政治活動などに興味を持つべきでなく,孤独に自分の研究を続けなければいけない,研究者に土日はなく,朝から夜まで研究しなければいけない,という言葉に共感を覚えました(その割には,日曜日は休むし,たまに飲みに行ってしまいますが…)。
筆者の方は,とても博学で,出てくる例が非常に幅広いです。また,科学についての考え方も非常に丁寧に書いてあり,参考になる点が多かったです。たとえば,アインシュタイの「科学というものは,人間には何等かの法則がある,という前提に基づいている」という言葉は知りませんでしたが,なるほど,と思いました。
よく私の仕事でも,「経営というのは科学だけではなく,アートの部分が多い」と言われます。私自身は,アートの部分があるのは結構だが,少なくとも研究者としては,科学の部分だけでもしっかり説明ができればいいのではないかと思っていました。そして,経営には法則がない,と言われますが,法則があるという前提に基づいて行えばよい,というのは,確かに,と思うところです。
本のいくつかの章については,どちらかというと学部生や大学院生向けのような気がしましたが,この内容で,この価格はかなりお買い得です。
この手の本はたまに読んだほうがいいな,と改めて思いました。大切なことを思い出させてくれます。そういう意味では,「科学者の熱い心」と「研究力」も必読ですね。
- 科学者の熱い心―その知られざる素顔 (ブルーバックス)/講談社
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- 研究力/著者不明
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