すごく遅くなってしまったけれど、

ミュージカル『マリー・アントワネット』のことを。

2018年上演版より、ぐんと素敵になっていた。

なんだか行間が埋まった感じで

ドラマが締まったうえに、情感があふれているのだ。

 

中央は花總まり (写真提供:東宝演劇部)

 

 これ、再演と言っていいと思う。

ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの

ヒット作コンビ+栗山民也演出によるミュージカル

『マリー・アントワネット』の世界初演@帝劇は

2006年だったけれど、以降、長い時が開いている。

 

 久々登場の2018年版では演出が

ロバート・ヨハンソン演出になり、新曲2曲も加えて

かなりテイストも変わっている。

これは、もうリメイク版と言ってよさそう。

というわけで、今回の再演。

 

中央はソニン (写真提供:東宝演劇部)

 

 ドラマも展開も18年版とほぼ同じ。

贅沢に暮らすナイーブなマリー・アントワネットと、

革命の煽動役に回る貧しいマルグリット・アルノー、

それぞれの成長と、かすかながら気持ちを寄せ合うまでの

物語だ。もちろん、マリーとフェルセン伯爵の恋も

物語の大きな要素。

 

 メイン・キャストがダブルなので、

とてもゼン組み合わせとはいかない。

ある日の組み合汗は、

マリーが花總まり、マルグリットがソニン

フェンセンが甲斐翔真。

 

左は花總まり、右はソニン (写真提供:東宝演劇部)

 

 ”最強の女王女優”こと、花總まりは

相変わらず健在。奇跡のン歳!な美貌も、だけど、

ドラマ前半の愛らしさ、後半の変貌に驚く。

 

 ソニンが、すごい!歌声もすごく伸びる

初演からさらに熱くて強いマルグリット。

ドラクロワの絵を、ちょっと思い出してしまった。

「民衆を導く自由の女神」、ね。

 

 甲斐フェルセンが、とっても純情。

ルイ16世を演じる原田優一が、温かくて

演技もうまくて、役にふくらみが出た。

 

 キャストがそれぞれに似合ってるのと、

シアター・オーブの空間も予想越えで作品に似合って、

とても満足度が高い舞台だ。

 

2月21日(日)まで東京・東急シアターオーブ

3月2日(木)~11日(木) 大阪・梅田芸術劇場