コナミスポーツは23日までに、コナミスポーツクラブとエグザスで展開するスポーツジムについて、11都道府県の16店を5月末で閉店すると発表した。新型コロナウイルス流行の影響で外出自粛が続き、利用客が落ち込んだことが要因という。
確かに室内で人も多くて器具も共有するスポーツクラブは、コロナ感染の危険度は高いだろうし、そう認識されてしまう。
スポーツクラブはコロナで不利な事業の一つだね。
実は学生の頃、コナミスポーツでアルバイトをしていた。今回閉店する中に僕が働いていたジムがあるかつい注目しまった(無かったです)。
そんな縁もあってこのニュースに触れてみた。
スポーツクラブの収入は会員からの会費が9割。
つまり会員数の増減がそのままビジネスの成績となる。
会員は一度入会したらすぐには辞めないから、クラブとしては入会対策を常に行っている。
“入会金無料”なんて1年のうち350日くらいやってるんじゃないかな。
入ったら辞めないから入会時は思いっきりサービスしていい。「入会金無料+会費2ヵ月無料」とかでも採算は取れる。
ただこの、「入会したらなかなか辞めない」という会員の性質が、クラブ経営にとって実は落とし穴となる。
スポーツクラブは入会対策と同時に、退会対策をしなければならない。退会防止策だね。
会員が辞めないのをいいことに、この退会防止、つまり顧客満足の構築を怠ってしまう場合が多い。
辞めにくいとはいえ、やはり居心地がよくなければ辞める。
何かのタイミング、例えば近くに新しくスポーツクラブができたりとか。そしてこのコロナもそう。
コロナ禍であっても会員をしっかり繋ぎ止めているスポーツクラブは多い。
コナミスポーツの中でもそういう店舗もたくさんあるはず。
今回閉店した店舗は、会員の顧客満足度が低かったんじゃないかな。コロナはキッカケというか。まあトドメでもあるけど。
顧客満足の特性についても少し話してみる。飲食店や美容室などにも共通して言えることなので。
顧客満足は急には上がらない。
1点2点の何か、1回2回の何かでは上がることがない。
顧客満足は時間をかけてジワジワと上がっていくものだ。
新しいマンションに引っ越して何か月かして、「この部屋住みやすいな」みたいな感覚に近い。
なので、「業績が悪くなってきたから顧客満足を」なんて言ってもこれはもう遅い。
顧客心理を理解した日々の細やかな取り組みがジワジワと効いていく。
繰り返すが“1度や2度の何か”では上がるものではないから、例えば一度お客様が喜んでくれたからといって顧客満足度が上がったと気を抜いたら失敗する。
スポーツクラブでも飲食店でも美容室でもマッサージ店でも、顧客満足を理解した経営者こそ、こんな不利な状況であっても勝ち抜いていけると言える。
入ったら終わりじゃない、入ったところが始まり。
