「お客様のご来店が減少しております」――。ステーキレストランチェーン「いきなり!ステーキ」の店舗で、客の来店を願う言葉がつづられた張り紙がされている。運営するペッパーフードサービス社長の一瀬邦夫氏が語りかける内容で、文字は手書きのようだ。同チェーンは足元の業績が芳しくなく、取材に応じた同社によると、張り紙は一瀬社長が直筆したメッセージだという。13年末の1号店開業以来、急成長を続けてきたいきなりステーキだが、勢いには陰りが見えている。既存店売上高は18年4月から前年同月比マイナスを続け、19年10月には41.4%減にまで拡大。ペッパーフードサービスは11月、自社ブランド同士の競合が発生しているとして、いきなりステーキの出店計画を210店舗から115店舗に縮小し、さらに既存44店舗を退店すると発表した。と。なるほどね。
これ、火に油だな。もう衰退は止まらないよ。改善策が見出せず、とうとう客の感情に訴えてきた。これはもう末期。復活するための策を考えることをもう諦めている。思考停止状態。張り紙で感情に訴えて来店してもらおうなんて愚策中の愚策。でかい会社がやることじゃない。どこかのコンビニチェーンが「シュークリーム仕入れ間違いしてしまいました」とか、飲食店が「30名の予約が急にキャンセルになってしまいました」と同レベルの手だよ。コンビニや飲食店ならいいよ、客も「しょうがない買ってやるか、行ってやるか」って気も沸く。でもいきなりステーキがやっちゃダメ。これは突発的ピンチを回避する手だ。慢性的ピンチのところがやっても大した効果はない。逆に消費者に本当にヤバいことを自ら宣伝しているだけ。働いてる従業員だって更に不安になるよ。百歩譲って一時的に客が来たとしてもその後は続かない。毎月新しい張り紙出す気??これは悪循環しか生まない。文章の内容も自慢から始まってなんだか鼻につくし。書くなら書くで覚悟を決めて土下座するつもりで書かないと。
復活を諦めたら復活はできない。僕もコンサルする上で、クライアントが諦めていたらやれない。でもまあ復活の策を見せればみんなやる気はモリモリ回復してくるんだけどね。そういう意味ではやはり社内で復活のアイディアが全く出ていないんだろうね。僕はいきなりステーキはここからでもまだいけると思っているのだが。
