Amazonは現在、朝8時から深夜0時まで最短2時間で商品を届ける、Amazonプライム会員向けサービス「Prime Now(プライムナウ)」がある。日用品をはじめ、パンや生鮮食品も買えるのだが、そこにスーパーのライフが参加すると。もう店舗に行く必要がどんどんなくなってくるね。

しかもなぜかネットスーパーって、変なものは送ってこないという安心感がある。黒くなり過ぎたバナナとか届かなそうな。僕も東京にいた時は、イオンとSEIYUのネットサービスを利用していた。近くにコンビニもスーパーもあったが、ビールとか水とか思い物を玄関まで運んできてくれるから。かなり便利だった。

さて、表題について。宅配を一番喜ぶのは、買い物に行けない人、行くのが大変な人だ。それは時間的に、体力的に、立地的にと理由は色々だが、一番買い物に行けない人、つまりこのサービスを求めているのは田舎の老人だ。でも当然、このAmazonのサービスは利用できない。2時間で届けられる範囲に住んでいないから。一応田舎でも、例えばイオンネットスーパーは配達区域が広いから届けてくれるが、ネットを使えることが前提になる。あとはCOOP(生協)というのもある。これの注文はアナログで、カタログを見て注文書に記入して提出するスタイル。だがこれは地域にもよるかもしれないが配達が週に1度だ。商品を届けてくれた時に翌週分の注文書を渡す形になる。とまあこれが現状だよね。老人がネットが使えて、Amazon倉庫が日本全国に点在しているのが理想だが、まあどちらも難しい。10年後なら実現しているかもしれないが、今現在は難しいのは誰が見てもわかることだ。さあどうする?どうやって田舎のネットを使えないご老人に、なるべく早く生鮮食品を届ける?これはかなり急務なはずだが、「解決は無理」と諦めて無視している部分だね。

 

僕ならこうするかな。2案ある。1つは「食品セット配達」。まず比較的田舎にも出店しているイオンに動いてもらう。3日分ほどの食材セットを4種類ほど用意する。1セット2500円。老人宅はネットは通ってないが新聞はとっているから、そのチラシを新聞広告に入れる。もっと言えば一軒一軒訪問してチラシを配れればベスト。客はチラシからお好みの食材セットを電話注文する。初回だけ住所等の情報がいるが、2回目以降は会員番号のみでOK。支払いは宅配時に直接か、最初にまとめて払ってもいい。例えば1万円払っておけば4回分注文できる。何なら都会にいる子供達が田舎の親のために払っておいてあげられるシステムがあれば尚良い。で、セットの中身は変えられないから、「このセットで豚肉やピーマンは欲しいけど豆腐は要らない、、」みたいなクレームを生む可能性もあるが、そこは「栄養バランスを考えたセットにしています」ってことで乗り切る。そもそも選択肢が多いと選べなくなるから、セット4種類からの選択のみにして、あえてカスタマイズできないようにする方が売れる。配達は週3回。月木土。最短配達で当日、最遅でも3日後の配達になる。こんな感じかな。

で、もう一つは、「イオン買い物バスツアー」。これは老人宅をバスで回って拾っていって、イオンに行くバスツアーだ。まあ足替わりだね。さっきの「食品セット配達」で入ってない食材や、その他の日用品を自分の好みで買うことができる。集合時間だけ決めて自由時間(買い物時間)だ。買い物をし終わったらあとは家まで送り届けると。

 

こういう場合、効率を求めてシステマティックにし過ぎると失敗するから、これくらいの手間はかけた方が上手くいく。まあイオンがここまでできればかなりの囲い込みができるが、この潜在的需要を掘り起こすエネルギーとアイディアがイオンにあるかはわからないな。