ファミレスのガストが、一人客向けのボックス席を導入するらしい。席は簡易的な仕切りで囲ってあり、電源を備える。店内用の無料Wi-Fiも利用可能だそうだ。ガストの広報いわく、「スマホを見るなど自分の時間を過ごしたり、仕事をされたりする方の来店が増えているため」と。なるほどね。

一人長居客のファミリー席独占の防止と、まあアイドルタイムを埋めるための策だね。これはなかなか勝負に出たな。飲食店での一人客の長居は問題の一つだ。しかももともとファミリー向け(集団向け)のファミレスなら尚更。その解消のためだろけど、これなかなか危ないな。だってこの問題の解決って2つしかない。一人客が来にくくしちゃうか、一人専用席作ってそこににまとめるか。で、ガストは後者を選択したわけだけど、収まりきらない一人客は結局ファミリー席に座るよ。ちゃんと計算あっての取り組みだろうけど、、ホントに計算した??

席の写真を見たけど、これだと利用客側からの評判が良過ぎるだろうね。つまり、客側の「得」に偏りそう。商売は店側も同等に「得」にならないといけない。商売は売り手買い手がWINWINである必要がある。そうでなければ成り立たないし続けられない。例えば300円のハーゲンダッツを100円で売ってたら客は喜ぶしジャンジャン売れる。でも売る側の仕入れが200円だったら売れば売るほど赤字だ。つまり買う側だけが過剰に「得」な場合、売る側に「損」が発生している場合がある。一時的にコマーシャルとして赤字覚悟でやる場合はあるけど、継続的に定番でやることはない。

今回のガストの場合の注目点は、一人ボックス席設置での「得」と、それによって生じる「損」との間での計算だ。得は「一人客の更なる取り込み」と「アイドルタイムを埋められる(かも)」だね。損は「お金を落とさない長居客の増加(顧客単価・回転率の低下)」だ。そこを計算の上、ガストは設置に至ったのだろうけど、それが正解だったかはこれからわかるね。

ちなみに僕の読みだと、このままだったらNOだね。失敗。このバランスだとうまくいかない。一人席から溢れた一人客がこれまで通りファミリー席を独占し、一人席はパソコン開きながらうたた寝してる客で埋め尽くされるという地獄絵図すら浮かぶ。それでもガストは「失敗でした」なんて発表はしないだろうけど。

もし僕がガストからアドバイスを求められたら、この一人席は一応廃止にはしない。ただ、もう少し形と仕組みを修正する。

 

↓こんな心置きなくドリンクバーだけで5時間居られる居心地の良い場所なんて作っちゃダメだな。