昨日行われた決算説明会で、「ZOZO ARIGATO」を5月で止めると発表したらしい。始まって半年での中止と。年会費3000円で全品10%オフになる会員制度だったが、効果が薄かっただけでなく、それが理由で出店ブランドが撤退してしまうことになった。話題になってたよね。
まあ完全に失敗だったということで、それをスパッと止めるところは評価したいよね。変に意地を張らずに負けを認めるところは潔いし大事だよ。これができずにズルズルいってしまう企業は多い。それこそ取り返しがつかなくなる。大塚家具とかそんな感じだね。なのでこれは前澤社長の “軽さ” が良い方向に出た形だ。
記事によっては「保守的」だとか「弱気」だとか言われていたが、僕はそうは思わない。もし前澤社長が僕のクライアントなら僕もそうアドバイスする。加えて、離れていったブランドにも頭を下げに行けと言うね。「僕が間違ってました。すいませんでした。どうか帰ってきてください!」と。
離れていったブランドは自社ECサイトを充実させるみたいなことを言っていたが、ぶっちゃけそれはムリだ。ZOZOに来るような客は1ブランド目掛けて買いにいくようなことはしない。色んなブランドがある中から選びたいタイプなんだ。離れていったブランドにそこまでのブランド力はないでしょ?そもそもブランド力があるのなら最初からECサイトに出店したりしない。だから離れていったブランドも、実はまた声をかけられたら内心嬉しいはずだ。自分から戻りたいなんて言えないからね。
僕からもう一つアドバイスするとしたら、このZOZOの不安定さを生み出している一番の原因を取り除く。それはZOZOのPB(プライベートブランド)だ。これを中止させる。
ECサイトをしながらそこに集まってきた客に自社の服を売ろうなんて、これはダメだよ。出店ブランドは餌にされた気がするだろうし、客はブランドものを買いに来てるのに「ZOZOの服?」って感じだろう。「ZOZO ARIGATO」より悪影響になるよ。
多分ユニクロみたくなるのを思い描いているのだろうけどそれは難しいだろうね。ユニクロに来る客はユニクロが欲しくてユニクロサイト(もしくは実店舗)に行く。ユニクロが目的なんだ。高品質でシンプルで安い。強いブランディングがある。服屋が作った服だ。
ネット屋が作った服に魅力を感じさせるのはかなり厳しいだろうね。それをするには時間とお金がかかる。だからそんなのは僕なら止めさせる。その構想自体、今後一切口にしないようにさせるね。「機を見ろ。それまで封印しろ」と。
ZOZOには優秀な幹部がいるんじゃなかったのかな?まあここ半年くらいの動きをみると、大したヤツがいないか、想像以上のワンマン社長だったってことだね。
