銃撃によって死亡した安倍晋三元首相に、心から哀悼の意を表します。
私自身は安倍氏が進めた政策のほとんどを支持していませんし、「モリ・カケ・サクラ」の疑惑に対する不誠実な対応等には嫌悪すら抱いていますが、そのことと、安倍氏が今回巻き込まれてしまった惨事とは全く切り離して考えなければなりません。
安倍氏なりの政治信条で、政治家としての活動にまだまだ邁進するつもりだったのでしょうが、二発の銃弾が冷酷にもそれを奪ってしまいました。さぞや無念だったことでしょう。
安倍氏の命を奪った卑劣な行為を強く憎み、再発防止と、言論を戦わす民主主義社会のより一層の発展を強く望みます。
さて、今回は、最近のエンタメのフィールドで、色々と考えさせられた事例や番組についてご紹介してみたいと思います。
■ 1本目;山下達郎氏の感動的な名言
「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日系・日曜日23:00~)は秀逸な音楽番組ですが、6月19日&6月26日と、山下達郎氏へのロングインタビューを、音声と静止画像で二週にわたって放送してくれました。
(ちなみに、①テレビに出ない②日本武道館ライブはやらない③本を書かない……が、達郎さんの三大モットーですので、この①との絡みで、音声と静止画像というスタイルになったのだと思います。まあ、ボラギノールのCM方式ですが笑笑笑…。)
SNS上でも「神回」という声が沸騰している今回の特集でしたが、私が最も感銘を受けたのは、6月26日放送の以下の発言部分です。
――海外のリスナーからも、達郎さんの作品にさらに注目が集まっています。異国でのライブの可能性は?
という最後の質問に対して、達郎さんは、
「ありません。そんな暇があったら、もっと日本のローカルタウンに行きます。」
と、即座に言い切りました。
その上で、
「ポップカルチャーっていうのは基本的に、大衆への奉仕と、人間が生きることに対する肯定。その上にアバンギャルドとか、そういうものがあるので。『僕がやるべきことは何か?』をずっと考えていると、そういうことなんです。だから、海外進出とかそういうことは考えたことがない。そんな暇があったらもっとローカルタウンに行って、そこで真面目に働いてる人たちのために公演する。それが、僕の与えられた役割だと思ってる。じゃないと、自分はなんのために音楽をやっているか。『自分が音楽をやる意味は何か』と常に問いかけていかないと、音楽家としてのスタンスが曖昧になる。それだけは嫌なので。」
と、言葉を続けました。
つまり、「大衆への奉仕と人間が生きることに対する肯定」がポップカルチャーの要諦であり、山下達郎という音楽家の最重要なベースとしてある……ということですよね。
職業人としてこれだけ筋の通った、そして、人間存在に対するハートフルな眼差しに満ちたメッセージを、私も結構長く生きていますが、初めて聞きました(*^_^*)。
このくらいの矜持(きょうじ)と信念を持ち、かつ、それを(達郎さんのように)まさに実践している政治家さんは…………、まあ、いないでしょうね。さみしい話ですが。。。
【参照】
(この記事が、番組内での山下達郎氏の発言を詳細に紹介していますので、引用もさせていただきました。)
■ 2本目;『晩酌の流儀』(テレビ東京・金曜深夜24:52~)
グルメドラマといったら、それはもうテレ東さんの独壇場(どくせんじょう)ですが、7月1日から始まったこのドラマは、番組公式サイトの説明を引用すると、
“お酒”をテーマにした新たなグルメドラマ!
1日の最後に飲むお酒を、
どうしたら最高に美味しく飲めるのか…
そのことをひたすら考えて1日を行動する、
一人の女性の物語。
……となります。
怜悧(れいり)かつ冷酷な女性スナイパー役なんていうイメージが強かった栗山千明さんが、このドラマでは市井(しせい)の不動産屋のベテランOL役に扮するという”ギャップ”。
そして、ジャスト18時には必ず退勤して、19時半頃から自宅で最高の飲酒をするためだけに全力を傾注する……という、何ともステキなストーリーのドラマです。
高級な食材等は一切登場せず、スーパーで値引きシールが貼られた食材等を活用して調理されるおつまみは、とても参考になりますしね(^_-)-☆。
私は今春、約二年間継続した完全禁酒を解き、機会飲酒(飲み会等の機会のみの飲酒・ちなみに6月の飲酒機会は4回でした…)をしていますが、家飲みはまだ控えています。
つまり、家飲み自粛中の代償行為として、このドラマの視聴は最高に楽しいです!
【参照】
(このサイトでまだ、第1話(7/1放送)・第2話(7/8放送)ともフルで視聴できます。)
■ 3本目;『僕の大好きな妻!』(東海テレビ・フジテレビ系・土曜23:40~)
番組公式サイトはこのドラマについて、
物語は主人公の知花に「発達障害」の特性があることが分かるところから始まります。
誰にでもある得意なこと、不得意なこと。その差が脳の特性によって大きいがゆえ、平均点を求められる現代社会では「障害」という概念になる……
自分ではどうすることも出来ない困難に直面し、試行錯誤しながら自分たちの“普通”をアップデートしていくエネルギッシュな知花と夫の悟。そしてそんな2人とともにほんの少しだけ変わっていく周囲の人々。
きっと世界は愛で溢れている―――
発達障害を抱え、それでも前を向いて歩く知花と悟の姿を通じて、皆さまにもほんの少しの愛を届けられればうれしく思います。
……と、紹介しています。
ちなみに「発達障害」について、厚生労働省のHPでは、
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。
発達障害があっても、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。
と、説明されています。
その上でさらに、
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
と、説明されています。
【参照】
事程左様(ことほどさよう)に、「発達障害」は概念的にも臨床的にも単純には論じられないものだと思うのですが、そこはドラマだけあって、(いい意味で)わかりやすくストーリーを展開させています。
ももクロのリーダーである百田夏菜子さん扮するヒロインの知花が、周囲の空気を読めずに一気呵成(いっきかせい)に捲し立てる……というようなシーンも出てきますが、百田さん特有のあの鼻に抜ける声音での独りよがりの鋭い舌鋒(という演技)は、「発達障害」に見られる一つの特質をよく捉えているように感じました。
さらに、一度は知花を「派遣」で雇ったものの、他のスタッフからの評判が芳しくないことを理由に雇用を打ち切ったアパレルショップ店長(雛形あきこさん)が、知花の発達障害を知った上でもう一度雇うと決めます。
果たしてその決断は、吉と出るのか? それとも凶と出るのか?
……というのが、次回(第7話・7月16日(土)23:40~)のストーリー展開の要です。
ご興味のある方は、ぜひご視聴なさってみてください。
【参考】
最後に、もう一度書きます。
故安倍晋三元首相のご冥福を、心からお祈り申し上げます。
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