⑦出産 : 「産まれた」感覚 | 妊娠6ヶ月(20週5日)で後期流産、Tくんとの思い出ブログ。

妊娠6ヶ月(20週5日)で後期流産、Tくんとの思い出ブログ。

6ヶ月までおなかにいてくれた、Tくんとの思い出ブログ。




このブログは


主に20207月の妊娠発覚からの出来事を


日記を見返したり記憶を掘ったりしながら


遡って書いています。






初めてこのブログを訪れてくださった方は


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「産まれた」


と、思った。





声は聞こえないけど、


ちゃんと産まれてくれたと感じた。






産まれたってわかった瞬間、


喜びと感動と感謝と寂しさと、


いろんな感情で涙が止まらなくて、


声を上げて泣いてた。


夫も泣いてた。






分娩前、お医者さんから


「赤ちゃんが小さすぎるために


途中でへその緒が切れてしまって


胎盤がうまく出てこないことが


あるかもしれません。


その場合は掻き出す手術が


必要になります。」


と説明を受けてたけど、


へその緒も綺麗につながって


胎盤までちゃんと全部出てきた。


願ってたことができた。






胎盤を出すために下腹部を押されまくって、


そのあと内診するねーってなんか入れられて、


めっちゃ痛くて「痛い!」って叫んだ。


痛いよねーすぐ終わるからねーって


ずっと声かけてくれてた。






ナースさんや助産師さんたちも


「おはよー!」


「おめでとう」


「いいお天気の日に生まれたね」


って言ってくれた。






それが心の底から嬉しかった。


20週の我が子を、


1人の存在として扱ってくれたことが


堪らなく嬉しかった。







軽くパニックになってたから


あんまり詳しく覚えてないけど、


血圧測ってもらってた右手が


全然動かなくなっちゃって


焦ったのはよく覚えてる。







「右手が全然動かないんですけど、


これ大丈夫ですか?!」


って聞いたら


血圧測ってるからね、


一回止めようか。


って止めてくれて、


そしたら動いたから安心した。







Tくんの顔を見せてもらった。


あまりに可愛くて、


涙が止まらなくて、


「可愛い」って


溢れるように出てきた。







ありがとう、大好きだよ、


っていっぱい話しかけた。


白いトレーに乗ってて、


すっごい軽かった。


夫は


「ようこそ世界へ」


って言ってた。







体重320g、


身長24cm。






思ってたより大きくて、


はっきりした顔立ちで、人間で、


びっくりした。






手は私に似てるなって思ったし、


耳と眉毛は夫に似てるなって思ったし、


姿が見られて本当に嬉しかった。


本当にただの小さい小さい赤ちゃんで、


本当に可愛かった。


声は聴けないけど、目も開かないけど、


存在が幸せだった。








まだ心臓も微かに動いてて、


聞こえてるかもって夫と沢山話しかけて、


お祈りもした。






トレーのままだけど胸元に乗せてもらって、


ほっぺたを触った。


ぷにってした。


明らかに脂肪が少ないし、小さいし、


新生児ではないんだけど。


でも全ての部分は胎児っていうより


新生児みたいで(気持ちの問題もあるかも?)、


頭蓋骨も硬いし顎もスッと骨が通ってるし、


ほんとにほんとに可愛かった。


ちゃんと男の子だった。


命ってすごい。


ちゃんと育ってたんだ。







手にも足にも綺麗な爪が生えてて、


指はすらっと長くて、


愛しい愛しい、Tくん。







夫との間に生まれてくれたこと、


本当に嬉しいなーと思った。


ちゃんと出産できたっていう喜びがあった。





続く。