起業には、運転資金と開業資金が必要であるというお話をして参りました。さて今回は、それら資金をどこから調達するのかを考える必要があります。代表的な資金調達先について説明いたします。

 

【自己資金】 

現金、預金、生命保険(解約を想定)、有価証券(株式等)、退職金、不動産(土地、建物)、動産(車、貴金属、美術品)、知人からの援助 等。開業に必要な資金の50%は自己資金で用意したいところです。

 

【融資】

●政府系金融機関(日本政策金融公庫)

起業・創業者にも積極的に融資。低金利、返済期間の長期設定OKで、月々の返済を軽くできます。

 

●自治体の制度融資

信用保証協会に保証料を支払って保証人になってもらい、民間金融機関から融資を受けることができます(自治体があっせん)。民間金融機関よりも低利の場合が多いです。 

 

●民間金融機関

地方銀行や信用金庫、信用組合など、地域密着型の金融機関を中心に最近では都市銀行でも、独自の開業資金融資制度があります。ただ、やはり過去の実績が評価の中心になるので、1年目の利用は難しいでしょう。

 

 まず、自己資金はどのくらいか(起業に使える自己資金はどのくらいか)を明確にし、あとどのくらい資金が必要なのか(不足資金)を明確にしましょう。そして試算した必要資金額が妥当な金額なのか、削ることができる部分はないか等、今一度精査した上で、最終的な不足資金を算出しましょう。問題はその不足資金の調達先をどうするのか?というところですが、融資を検討するのか、起業時期をずらして自己資金で対応するのか等を決定します。業種によって必要資金額も違いますから一概には言えませんが、できるだけ自己資金で賄うことをお勧めします。

 

 前回は運転資金についてお話しました。今回は開業資金についてお話したいと思います。

 

 事業内容を徹底的に考えて整理し、売上高と費用の試算を行いました。次に考えることは、実際に事業を開始するにあたって必要なモノ(店舗や事務所、設備、什器等)をピックアップする必要があります。具体的には以下のようなモノが想定されます。

 

●事務所・店舗

初回家賃、敷金、礼金、保証金、仲介手数料、看板・駐車場契約、内外装工事、看板製作等

 

●設備・什器

エアコン、電話回線、インターネット開通費、レジ、厨房設備、機械設備、陳列什器、ブラインド、カーテン、車両等

 

●事務用品

机、いす、照明、棚、パソコン、プリンター、インクカードリッジ、電話・FAX、印鑑、文房具、コピー用紙、封筒 等

 

●販売促進

名刺、案内状、チラシ、パンフレット、カタログ、広告出稿料、ホームページ制作費、販売サイト制作費等

 

●初回仕入

商品、原材料、外注加工、梱包材等

 

 これらを参考にして、まず必要なモノをピックアップし、次に金額を調査してください。合計してどのくらい開業資金が必要なのかを把握してください。

 

 数値編1~3で、売上と費用の試算をしていただきました。ここで考えていただいた費用を見ていただくと、ほとんどが毎月現金で出ていく費用であると思いませんか?これを運転資金と言います。さらに詳しく見ていくと、売上0円でもかかる費用が多いことも分かると思います。このような費用を固定費と言います。

 

 さてこの運転資金ですが、一般的に3~6ヶ月分は起業前に準備しておく必要があると言われています(もちろん業種によって準備額は違います)。つまり3~6ヶ月売上が0円でも大丈夫なように準備しておくという意味です。

 

 事業はお金が底をつけば終わりです。起業して早々にお金が底をつかないよう、しっかり自己資金で対応できるようにご準備ください。

 安定した事業運営、そのための更なる成長のために実施すべきことは何でしょうか?それは、業界や経済、競合他社の動向、法規制の変更、消費者ニーズの多様化等、外部環境の変化をしっかりと把握し、企業として意思決定を行い、状況変化に応じて柔軟に対応することです。

 

 ここで考えて頂きたいのは、外部環境分析から意思決定までの計画作成だけで満足していないか?ということです。環境は刻々と変化します。その変化に応じて柔軟に対応することを怠っていないか?ということです。つまり計画変更ということはつきものだということです。

 

 そしてもう1つ、この一連の流れを誰が行うのか?ということです。例えば経営コンサルタント等の専門家に丸投げ、丸投げまではいかないにしても経営者が経営コンサルタント等の外部専門家と密室で行っていないでしょうか。従業員を巻き込んで、全員で知恵を絞り、考え抜いて行うべきだと考えます。

 

 自分たちで何週間もかけて分析し、考え抜いて結論を出すというプロセスこそが最も重要であり、それが組織構成員1人1人の資産となり、さらに企業の資産となり、企業の血肉となります。

 大阪府内で昨年1年間に誰にも看取(みと)られないまま屋内で死亡し、1カ月以上たって見つかった遺体が382体にのぼることが大阪府警の調査でわかりました。「死後2日以上」で区分すると2,996人にのぼるそうです。65歳以上の高齢者が約7割、40~50代約2割を占めたそうです(10~20代=29人、30代=33人、40代=159人、50代=392人、60代=684人、70代=1,029人、80代=572人、90代以上=98人。男性=2,213人、女性=783人)。

 

 妻に先立たれ、近所付き合いもほとんどないという状況が高齢者の孤独死につながったのでしょうか。また働き盛りであろう40~50代の孤独死、40代はバブル崩壊後の就職氷河期の影響で非正規雇用を余儀なくされた人だったのでしょうか、また50代はリストラされた人だったのでしょうか。このように雇用の不安定さが孤独死を招いているのかもしれません。高齢者の孤独死は私の親の年齢を考えると他人事ではないと感じていますし、私は40代ですの40~50代の孤独死は他人事ではないと感じています。

 

 孤独死については統計データがなく、実態把握が困難だったそうです。今回の調査は大阪府警で初めて実施されたとのこと。孤独死の調査については全国で実施する必要があると感じました。実態をしっかり把握した上での対応策の検討、そしてその対応策の早期実行が必要なのは言うまでもありません。