癌は高体温で死滅するの? | Dr.Hisacchi:誰もがわかりやすく健康・予防・医療を理解する事ができるブログ

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我々はよく、体温を高める事の大切さを書いたブログやFacebook記事を目にする事があります。
私も度々投稿しています。
  
今回は「癌と体温」について着目します。
一般的には、癌細胞は体温が35度台の時に、最も増殖しやすいとされています。
  

 

  
#心臓は温度が高い
体温は一般的に36.5度前後ですが、心臓の温度は何と40度近くもあります。
これこそが、心臓には癌が発生しない大きな理由の1つなのです(他にも理由はありますが)。
  
同じ理由で脾臓癌も存在しませんし、膵臓癌はありますが統計的には他の癌ほど多くはありません(4%前後)。
  

 

  
#癌になりやすい臓器
胃や大腸、食道、子宮、卵巣、肺といった管腔(かんくう)臓器と言われるものです。
すなわち細胞が周囲にしか存在せず、中空になっている臓器なので、臓器全体としては温度が低いのです。
その上、体内よりも常に温度が低い外界と通じているので、さらに温度が下がってしまいます。
  
また管腔臓器ではありませんが、乳癌は女性では最も罹患率が多い癌です。
乳房は体表面に突き出ているので、内部温度が低いと考えられます。
  
ちなみに肝臓は41度とされていますが、アルコール・偏った食生活や肝炎ウイルスなどで、正常の肝細胞が減っていく結果、肝臓癌が増えると思われます。
  
また小腸は管腔臓器ですが、人間の免疫細胞の約70%が小腸に集中しているため、仮に癌が発生しても、すぐに退治されてしまいます。
  
  
尚、ここまでの癌と臓器温度の関係は、医学的な論文ではありません。
当然、それぞれの臓器別に癌になるリスク・ファクターがあります。
  

 

  
#癌は39.3度で死滅するの?
いくつかのサイトを見ると、癌は39.3度で発症しにくくなるとするものがありました。
ですが要注意、一度発症した癌は39.3度では死滅しません!!
  
もし、発症した癌が39.3度で死滅するのならば、癌患者全員をインフルエンザに罹患させればいいわけです。
もっとも、そんな事で癌は死滅しませんが。
  
  
#腫瘍熱
感染症など熱の原因になるものがなく、1日に1回は37.8度以上の熱が2週間以上続いたとき、癌が隠れている可能性があります。
これを腫瘍熱といい、時には40度くらいの熱が出る事もあります。
ではその腫瘍がある時に発生する熱、40度くらいの熱が出ると癌は死滅するのか?・・・残念ながら死滅しません。
  

 

  
では一度発症した癌は、高熱では死滅しないのでしょうか?
  
実は、癌が高熱に弱いという事を治療に利用する考え方は、医学会では相当前から考えられてきました。
それは、民間の温熱療法とは比べものになりません。
 
 

  
#温熱療法
日本ハイパーサーミア学会』のホームページより参照しました。
  
癌の治療において、「局所温熱療法」というものがあります。
文字通り「局所」すなわち癌のみに対して、ラジオ波やマイクロ波というもので、41~42.5度の加熱で、癌を死滅させる方法です。
  
これができる医療機関は、全国でもごく僅かです。
  
ただし、温熱療法は検査上、明らかに癌がわかる局所のみにしか使用できません。
転移段階(血液、リンパ節転移)のように画像ではわからない癌があるので、抗癌剤などとの併用が必要です。
  
  
尚、40.5度以上の「全身」の温熱療法を行なうと、今度は正常な細胞まで死滅の危険、すなわち「死」と隣り合わせを意味します。
これを行なっている医療機関はほとんどありませんが、医学的に全身の体温を無理矢理上昇させる方法なので、全身麻酔など厳密な身体管理が必要となります。
「ほとんどない」という事は、もちろんエビデンスもありません。

  
一般のサイトを見ると、発症した癌が高熱で死滅するという内容のものを、多数散見できます。
  
癌の発病は39.3度で予防できたとしても、一度発症した癌を死滅させる可能性を高めるためには、最低でも41度(できれば42度)、すなわち正常の細胞まで死滅する危険があるくらいの高熱が必要なのです。
  
「体温を上げて、癌を死滅させる」というようなサイトをよく目にします。
くれぐれもそのようなサイトに騙される事がないようにしてください。

  

    
次ページ⇒ 『体温を上昇させる事の意義と長寿の条件
  

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(画像はネットより拝借)

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