ゴルフ讃歌 : 大西久光オフィシャルブログ

初めまして。
ゴルフ評論家の大西久光です。
この度、こちらでブログを開設させて頂きました。

こちらのブログでは私の長いゴルフ歴でお目にかかった
名手の言葉などを紹介していきたいと思っております。

どうぞよろしくお願い致します。


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久々の記事更新となりました。

今日は先日「月刊 ゴルフ用品界 8月号」に寄稿し、

掲載された記事をご紹介したいと思います。

 

ゴルファーに寄付を募る「代替案」

利用税撤廃の新提案に私は断固反対する

 

ゴルフ場利用税は1989年に「娯楽施設利用税」が撤廃された時、ゴルフ場に対してのみ「贅沢税」として残された。娯楽施設利用税はパチンコなどの娯楽施設に対する課税だから、本来ならゴルフ場にのみ残されることは不自然だった。しかし、当時のゴルフ界はバブル景気で会員権が暴騰し、利用税を気にする事もない好況に浮かれていた。そのため、反対の声すらなく導入されたのだが、今になって振り返ると、なぜあの時に反対運動をしなかったのかと悔やまれる。

利用税が制定された14年後の2003年、日本ゴルフ協会の後藤田正晴会長のご尽力もあり、70歳以上、18歳未満等の免税措置が施行された。その結果、同年の「免税ゴルファー」は延べ約400万人となり、その大半を70歳以上が占める結果となった。これらシニアゴルファーはゴルフ場の平日利用を促進し、過去15年間のゴルフ場業界を支えてきた。高齢化に伴い、免税ゴルファーは毎年約100万人ずつ増え続け、2016年度には約1600万人に達するなど、「課税ゴルファー」の減少分を埋めてきた事実がある。具体的には、2003年の課税ゴルファーは8427万人で、2016年には7031万人(1396万人減)にまで落ち込んだが、逆に免税ゴルファーが約1000万人増えたことで、差引き200万人程度の減少にとどまった点が注目される。

ゴルフ界はこの間、利用税撤廃運動を展開してきたが、撤廃どころか減税すら行われていないのが現状である。その最大の理由は、ゴルフ場利用税交付金はゴルフ場所在地の都道府県に3割、市町村に7割が振り向けられ、自治体の貴重な財源であるからだ。2015年9月には「ゴルフ場利用税堅持のための全国市町村連盟」(代表三木市・兵庫県)が「ゴルフ場利用税の堅持を求める意見書」を衆参議長、総理、総務、財務、文科大臣に提出し、総額493億円(2013年度決算)の利用税は地方の創生に不可欠との主張を行っている。これらの抵抗勢力に、ゴルフ界は屈した格好だ。

 

「三税」に苦しむゴルフ場

 

現在、利用税額は460億円ほどだが、バブル期と比べて60%以下と言う売上に苦しむゴルフ場にとって、税負担は深刻な圧迫要因となっている。ゴルフ場は利用税だけでなく、8%の消費税や、固定資産税も課せられており、固定資産税がゴルフ場開発前の山林と比べてかなり高いことはすでに知られている通りだ。

日本は人口の減少が続き、それに比例してゴルフ人口も減少傾向にある。特に20~30歳代の若者の参入が少なく、ゴルファー全体の老齢化に歯止めが掛らない。新規ゴルファーの創出や一人当たりのプレー回数を増やすためにも、利用税の撤廃が求められる。

そもそもこの利用税は、ゴルファーは金持ちだから担税能力があるとの主旨に起因している。戦後、ゴルフ市場の黎明期はそうだったかもしれないが、バブル崩壊後のデフレ経済下では一般的なゴルファーが増え、担税能力のある人ばかりではない。また、ゴルファーは人口の10%に満たない少数派かもしれないが、シニアが延べ1600万人もプレーしていることが、健康増進に貢献していることを考えてほしい。パッティング時の集中力がアルツハイマーの予防に効果的との研究もあるなど、ゴルフには様々な効果が期待できる。

 

税が「寄付」になる奇妙な提案

 

そんな中、新たな動きが起きている。超党派ゴルフ議員連盟は利用税撤廃の方向で活動しているが、撤廃の代替え財源として先頃、

ゴルファーから「寄付金」を募る案が提起されたのだ。利用税は3割が都道府県、7割が市町村に納められるが、都道府県分を廃止して、市町村分全体の最大4分の3を国からの交付金で賄い、残りの4分の1をゴルフファーからの寄付で埋めるもの。同時に、ゴルファーに「ふるさと納税」を呼びかけて、地域の活性化を目指す方針だが、強制力のない寄付金をアテにした財源に実現性はあるのだろうか。それ以前に、税金が寄付に代わるような奇妙なこの提案に正当性はあるのだろうか。これに対し、わたしは断固反対の立場を表明したい。

寄付を求めるくらいなら、減税によってゴルファーの負担額を減少させた方が公平であろう。例えば、70歳以上の免税を60歳以上に広げるなど、条件闘争の余地はあると考える。利用税の撤廃は供給者団体のためではなく、ゴルファーの負担を軽減する事が本来の趣旨。今回の寄付は、困ったらゴルファーの懐をアテにするという悪しき体質が根強くあることの証左といえる。

 多くのゴルフ団体は供給者(業界)団体であり、需要者であるゴルファーの声を聞く機会もない。また、東京五輪の開催で「日本はゴルフで税金を取っている」ことが世界に知れわたる。そんなことでいいはずがない。ゴルフ界は「ゴルフ場利用税」への取り組みをもっと真剣に考えるべきだ。日本の課題は健康寿命の延伸であり、これに寄与するゴルフは素晴らしいスポーツと断言できる。だからこそゴルフ振興は意義深いのだ。

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