近江八幡からマントヴァ | 近江八幡の料理人は  ~川西たけしのブログ~

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近江八幡で寿し割烹と日本料理を楽しむお店「ひさご寿し」

料理長のかわにしたけしが料理のことや、近江八幡のこと、営業日誌などを徒然なるままに書いとります。

(マントバのビビエナ劇場)

11月14日、6月に近江八幡マントヴァ音楽祭で来日してくれたマエストロ・ギドーニが、近江八幡からの訪問団のためにビビエナ劇場でモーツァルト、ブラームスとあとなんだったかな(笑)、をピアノとのコンチェルトで聴かせてくれた。マエストロの情感が乗った響は音楽に大した教養のない私でも染み渡るもんだった。音楽、建築、デザイン、歴史、哲学、ライフスタイル、多くのコトが絡み合ってこの美しい時間につながっているのだろう。

 

 

ビビエナ劇場はアマデウス・モーツァルトがそのオープンの折に演奏し、ともに劇場にいたモーツァルトの父は「人生の中でこのように美しい劇場は見たことがない」と言わせた。

 

 

 

 

マントヴァは近江八幡の姉妹都市である。

 

天正少年使節団がバチカンに向かう道中に立ち寄った事が記録された古文書が、マントヴァの国立古文書館に保存されている。

使節団の主正使・伊東マンショが記した正使文書も見せてもらった。

 

使節団は当時の安土城天守閣が描かれた屏風絵をバチカンに送っており、そこに描かれている天守の姿を見たいがために旧安土町が探していた。その際、イタリア側のパートナーシップを得られる市町を探しており、マントヴァが応えてくれたのが現在の姉妹都市提携の出発点である。

 

 

とはいうものの、近江八幡市長がマントヴァを訪れたのは今回が初めてである。実のところ6月の近江八幡マントヴァ音楽祭でも、マントヴァ市長も来日したいところが公務日程が重なり難しかったとの事。という事で、こちらから参りましょうという流れか。

近江八幡市長のマントヴァ訪問の事はあちらのHPにもニュースとして出ている。

マントヴァ市のHP

 

人への信頼性は出会った回数が多いほど増すというのが脳科学の答えだ。姉妹都市として何かを共にしたいのであれば、信頼関係は大切だろう。そういう意味では近江八幡と富士宮が夫婦都市としてむすぶ提携は毎年の往来があって、冨士と琵琶湖を結ぶ会が琵琶湖の水を浅間大社奥宮で剣が峰に掛ける儀式をつづけているのも、ペーパーだけの乾いた姉妹都市関係よりも深い絆を生む土台となっているはずだ。

 

という事で、近江八幡とマントヴァとの姉妹都市としての信頼関係はこれからなのだが、この訪問団しかり6月の近江八幡マントヴァ音楽祭の成功も、ヴィーテの高岡さんと壱製パンの谷さん、そしてバルベッタの岡村シェフがコツコツと自費で往来を続け、そしてマントヴァのディレッタ女史やその他町の人たちとの間に信頼関係を築いてきたからである。今回の訪問でも多く彼らの親切をもらった。それは「高岡や谷が連れてきた仲間なんだから」というのをイタリア語は分からないながらも伝わってきたので、次に彼らに出会うときには受けた親切よりも返したいものだ。

 

 

2015のミラノ万博ではミッションはハードで、街の文化を堪能することも少なかったが、美しい水辺の景色と歴史文化深く、人情味が篤いところにふれるにつき、パルマにも似た温かいもんが得られた。

 

 

マントヴァのうまいもんはまたの機会にまとめよう。