AIやらロボットやらテクノロジーのその先 | 在宅医療の現場から〜若手在宅医の奮闘記〜

在宅医療の現場から〜若手在宅医の奮闘記〜

東京都足立区の強化型在宅療養支援診療所の久光クリニックのブログです

テクノロジーが発達すればするほど

 
人間の仕事をロボットやらが代替するようになり
 
職業から人間が淘汰される未来が
 
すぐそこにまで迫っている。
 
 
 
冗談みたいな話だが
 
「アレクサ、ケアプラン作って」
 
「オーケーグーグル、介護タクシー手配して」
 
そんな状況が現実になるかもしれない。
 
さすがに「ハイ、メルセデス」とはいかないだろうが…
 
IT化がすすめば、技術的にはきっと簡単。
 
法整備さえすすめば色んなことが可能になる。
 
 
 
 
極論を言えば
 
ケアマネージャーはAIに丸投げし
 
出来上がったプランにハンコ押すだけ
 
それで沢山の仕事量がこなせるようになる。
 
 
 
調剤薬局だって
 
AIと調剤ロボットを駆使すれば
 
より正確に、より早く
 
大量の調剤&会計が可能になり
 
お飾りの管理薬剤師が一人いれば事足りる。
 
 
 
医師も他人ごとではない。
 
症状や病歴、服薬歴などが正確に把握できれば
 
どんな名医も
 
AIの診断力を凌駕することは難しい。
 
 
 
優秀な人間なんていらない。
 
その他大勢の中のたった一人が
 
名目上の責任者になるだけでいい。
 
突出した人間をのぞき
 
優秀な人を含む多くの人の存在価値がゆらぐ。
 
そんな未来。
 
 
 
全くの私見だが
 
そんなテクノロジーが発達したその先では
 
逆説的だが
 
より原始的なもの、より人間的なものに価値が生まれ
 
差別化されていく。
 
工業化が進めば
 
今まで当たり前だった手作りのものに光が当たる。
 
デジタル化が進めば
 
アナログの良さが見直される。
 
医療技術が進歩を続け
 
誰しもが高度な医療を享受できるようになったたその先には
 
肌にふれることだったり
 
笑顔だったり
 
投げかける目線だったり
 
問いかけるときの声色だったり
 
そんな人間らしさにこそ価値が生まれるのではないか。
 
 
 
テクノロジーが発達し
 
高品質なものを享受することが当たり前になるのは良いことだが
 
高品質なものだけでは人は満足できない。
 
合理的なものだけで世の中は成り立っていない。
 
人間とは合理性と非合理性の入り混じった中に存在していて
 
理屈ではない何かを求めたりするもので。
 
 
 
自分の症状を説明できない人もいれば
 
痛みを隠す人もいれば
 
思いとは裏腹の言葉を口にする人がいて
 
生活背景も価値観も人それぞれ。
 
そんな多様な人たちの
 
声にならない声をひろい
 
瞳の奥の不安や猜疑心に目を向け
 
痛みをこらえる表情に気づき
 
さりげなく手をそえること。
 
物質的なものや合理的なもので満たされない
 
幸せや安心感を満たすこと。
 
それはまだAIやロボットにはできない。
 
そんな人間らしさを追求した先に
 
テクノロジーを凌駕する
 
突出した医療者になるためのヒントがあると思う。
 
 
 
だからといってテクノロジーを否定するものでは決してない。
 
テクノロジーに踊らされるのではなく
 
テクノロジーを積極的に利用し
 
リーズナブルに高品質なものを広く届ける努力から
 
眼をそむけてはいけない。