指南役は鹿島茂先生。
ノートルダム・ド・パリってこういう小説だったのかー。おもしろかった。
ところどころに芝居を交えて石丸幹二さんが朗読してくれて、それも贅沢このうえない。
話はなんとな~く知ってたような気がしたけど、よく考えると醜いカジモドが美しいエスメラルダに恋をすると言うことしかしらなかった(ーー;)だから知らないことばっかり(^^;
まず、「ノートルダム・ド・パリ」という言葉が、ひとつのまとまった単語で、パリのノートルダム寺院のことだった。
それから、舞台は15世紀という設定らしく、すごく古い時代の設定なのだった。(しかしこれはなんだか無理があるように感じた)
そして、鹿島先生のおっしゃるところによれば、ユゴーは「霊媒体質」だったのだそうだ。詳しく説明してくれなかったが、なにか降りてきて書くような感じのことをおっしゃっていた。
そしてあらすじで言うと、
クロード・フロロというノートルダムの司教補佐が幼いカジモドを拾って、ノートルダムの鐘付きに育てた。カジモドは外に出てもいじめられるのでほぼノートルダム寺院の中の世界のみで生きている、生まれながらに外見の醜い男であった。(ここは、オペラ座の怪人と基本設定同じじゃないか!みたいな気がした。むろんこちらのほうが先だが)
広場で美しいジプシー娘エスメラルダが踊りを踊って、それを見たフロロはエスメラルダに情念を燃やすが、自分は結婚できない僧職であり、葛藤する。
パリには物乞いやごろつきの住む「奇跡御殿」という場所があり、そのなかでは身分や価値観が逆転。そこに迷い込んで殺されそうになったグランゴワールと言う芝居作者を助けるためエスメラルダは彼と形式上結婚する。しかし、エスメラルダはフロロの命令でカジモドに誘拐されそうになったときに助けてくれた射手隊の隊長フェビュスに恋するようになったのだった。このフェビュスは他に婚約者がいるがエスメラルダにも手を出す、イケメンだがちょっと悪いところのある人物だった。グランゴワールやフェビュスの存在を知ってフロロはますます嫉妬に苦しむ。
カジモドの方は誘拐未遂で捕まってむち打ちの刑になるのだが、命じたフロロは知らん顔で通り過ぎる。今までフロロだけを頼りにして愛してきたカジモドの思いが裏切られる。むち打ちにされて水を欲しがるカジモドに水を持ってきてくれたのはエスメラルダただひとりだった。カジモドはエスメラルダを慕うようになる。つづく。
というようなことでたいへん気になるストーリー。
しかし、この混沌のようなストーリーがなにと雰囲気が近いかというと、
国枝史郎とか吉川英治とかの伝奇ロマンにすごく近い。神州纐纈城の富士山地下(だったか)とか、ああいう場所のルーツは奇跡御殿だったのか。ああいうのは時代劇だが元々はフランスロマン派の後継小説だったのだなー。そういえば最初から「伝奇ロマン」と名前が付いてるじゃないか‥、と今更気づいたのであった。
鹿島先生はユゴー作品を「神話的」とまとめていらして、そうなのかと思いながら聞いた。
神話的なのでアニメ、ミュージカルなどでいろんな風に解釈しやすいそう。
あ、それから、フロロ、カジモド、エスメラルダ、フェビュスの主要4人の登場人物について、各人のキャラの特性を、容貌、性格、地位身分、知性、身体能力、愛情(嫉妬)という要素に分けて、おのおの++から--までの段階に分けて点を付けて表にして、マンガとかアニメのキャラはこうやって作っているんですよと言っていた。へー。
(ノートルダム・ド・パリの場合で言えば要素はじゃんけん構造になっていて、こっちではこの人が上だがこっちではこの人が上、となって、場面によっては下位に見える人物が上位に見える人物に勝つことも出来るようになっている)
要素の作り方によっては、アイドルグループの中の各メンバーのキャラ振り分けにも使えそうだと思った(^^;