ヘッジファンドにとって、オバマはヘッジだった!?(私物化・買収される政治) |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

前回は、政府や議会が、
ウォール街の金融機関に取りこまれている事
を物語っている発言をまとめました。
資本主義化する民主主義/買収・私物化される政治(ウォール街編)

そして今回から、ウォール街に、
議員や政府が買収されている様子
を、
すこし具体的に見ていくわけでありますが、

今回は、ヘッジファンドとオバマとの関係について、見ていきたいと思います。

 
 浜田和幸『オバマの仮面を剥ぐ』は、
興味深いことを教えてくれています。
 

 バラク・オバマの大統領就任の宣誓式――史上初の黒人アメリカ(そしてアメリカ史上初のユダヤ教信者の)大統領の誕生――は、
「100年に1度」と呼ばれる経済危機の最中であるにもかかわらず、祝賀行事や関連イベントや、歴代大統領をはるかに上回る強固な警備体制を敷く事情もあって、史上最大規模の予算がかかったようです。
 

 興味深いのは、ココからでして、
バラク・オバマの大統領の就任式に向けて組まれた、
史上最大の予算は、
何と”ヘッジファンド業界”に、
オバマ陣営が募金を要請したこと
で、
はじめて間にあった、というのです。


 ヘッジファンド業界の大物たち約120人からの資金提供額は、
360万ドル以上にのぼったようです
――その次が法曹界で250万ドル。
その次がメディアやエンターテイメント産業で170万ドル――。
そのヘッジファンドの大物たちの中には、
DE・ショー・グループのデイビッド・ショーの姿もありました。
なぜDEショー・グループを取り上げるのか、
以下に書きます。


 このDEショーに、
スキャンダルでハーバード大学学長の座を追われたローレンス・サマーズが、取締役として、DEショーに雇われてていました。
サマーズが、DEショーに、
取締役として雇ってもらえたのは、
同じクリントン政権で、財務長官をつとめた、
ロバート・ルービン
(元ゴールドマン・サックスCEOで、クリントン政権退官後はシティ・グループの会長)の斡旋(あっせん)のおかげです。
ルービンサマーズは、
バブル経済を可能にする土台を用意した、
クリントン政権における新旧の財務長官
です。

 オバマは、大統領指名選挙中に、
ITバブルをもたらしたクリントン政権の金融政策を
演説で批判して
喝采を得ていた
にもかかわらず、
その張本人の一人であるサマーズを、
大統領補佐官兼経済会議議長に任命したのです。
( 「ローレンス・サマーズ大統領経済顧問が
 “やっと” 辞任

Democracy Now 
http://democracynow.jp/video/20100922-1
 

 しかも、
オバマの選挙資金の取りまとめ役は、
批判先の一人ロバート・ルービンの息子
ジェミー・ルービンだったのでした。
 

 就任して1ヵ月も経たないうちに
オバマ政権は、
ウォール街の金融機関に
公的資金を注入しはじめた
”のでした。
 

 ルービンとサマーズの子分である
ガイトナー財務長官は、
オバマ大統領の指示を受けて
大手金融機関に対する救済策”を取ります。
 

オバマ政権は、
”国民の税金および借金”である巨額の「公的資金」を、バブル経済をつくった張本人である金融機関が抱える、不良債権や不良資産に投入するのですが、
この不良資産や不良債権の受け皿となっていたのが、
ヘッジファンド」なのでありました。

ヘッジファンドが、
オバマに投資した見返りが、返ってきたのです。


というのも、ヘッジファンドが、
その不良の債権不動産を、
安値で引き受けて、その後値上がりすれば
それは儲けになりますし、
また”値下がりしたとしても、
オバマ政権により
公的資金の援助を受けて損失補填(そんしつほてん)されるので、損をすることが無い”からです。


こうした模様を踏まえて、
オバマの仮面を剥ぐ』には、
こう書かれています。


彼らオバマ大統領の就任式最大のスポンサーになったことも、一種のヘッジであった」

 

(つづく)