ロマン・トラジック『桜嵐記(おうらんき)』
作・演出/上田 久美子 新人公演担当/熊倉飛鳥
令和3年7月22日 午後6時30分公演 東京宝塚劇場 1階19列センターやや上手側
日曜日に、本公演も見てきました。良いキャスティングでした...(笑)。
新人公演を見るのは、いつぶりでしょう...本当は、『はいからさん』が見れるはずだったんですけどね...Mmmmm...そっかー
『I AM FROM AUSTRIA』
以来だから、ほぼ2年ぶりですね。新人公演って、演者の芸が不足する分、
「作品自体の質」
が露わになるところがある気がしていますが...作品自体の感想は、本公演の記事の時に書きたいと思います (きっと、今更ですしね (笑))。
○ 規格外?
とは言え、そういった通例に収まらない方もいるわけで
④ 風間 柚乃(100期・9番・研8 「おだちん」「ゆの」「かざま」) 楠木正儀【老年】 芝居 ☆☆☆☆
本来なら、すでに新公は卒業している学年...とかいうレベルの実力ではないことは、皆様ご存じの通りですね。そして、もう一人
⑤ 天紫 珠李(101期・2番・研7 「じゅり」) 弁内侍【老年】 芝居 ☆☆☆☆
こちらも、すでに
「ヒロイン歴/3回」
ですものね。本来なら「長の期代表」でご挨拶する立場だったかな。まず、せり上がりで、「おだちん」が登場
「...緊張しております」
とか言ってましたけど...全然そんな感じじゃない(笑)。続いて「じゅりちゃん」が出てきて、この二人の極めて
「ハイクオリティー」
なお芝居を見せつけられ、その後の舞台に、期待は高まりました...
...はともかく、次の出番
第15場A 聖尼庵
での、「おだちん」の「セリフ回し」だけでなく、
「僅かな表情の動きや眼差し」
などから作り上げていく芝居は、実に素晴らしいものでした。通例の新公演者とは違って、本役さんとは、また
「違った役作り」
してくる辺り...って、まあ、それも想定内ですね(笑)
○ リベンジ?
っていうことでもないでしょうが、前作の新公の中止が決まった時
「悔しくてわんわん泣いた」
っていう記事をお見掛けしたので...って、そっかー
『ピガール狂詩曲』
で初主演のはずだったんですね...。でも、あの役よりも、今回の方が
「持ちキャラ」
向けだったのでは...って思うのは私だけ?
⑥ 礼華 はる(101期・17番・研7 「ぱる」「はる」) 楠木正行 芝居 ☆☆ / 歌唱 ☆☆
「ばるる君」、「背高」くて目立つし、外箱公演などで割と目立つ役に来ることが多かったし、前回の新公も見てるし...で、それなりに注目のジェンヌさんでした。↑にも書いた通り、その顔立ち、容貌からくる
「武者らしさ」
では、本役さんとは、また違った魅力がありましたけど...(この辺は、弟役の「いっけい君」も同様でしたが) 全体的に、やや
「芝居が薄い」
んですよね。特に
「セリフ回し」「表情の動き」
に「抑揚が乏しい」感は否めない。声質自体、やや
「響きが弱い」
せいもあるでしょうか。とはいえ、今回は「こういった役作り」だったのかもしれませんね。
「内に内に内に...秘める」
って感じの...(笑)。何といっても、本当の初主演は
「ジャック」
のはずだったんですから、こんな感じで、出来る役じゃなかったですものね。
○ 予想外?
さて、こちらは、どっちが良かったんでしょうね...。
⑦ きよら 羽龍(104期・5番・研4 「おはね」) 弁内侍 芝居 ☆☆ / 歌唱 ☆☆☆☆☆
こちらも、『ピガール狂詩曲』で、初ヒロインの予定だったんですね。二人とも、そのまま、横滑り (?) ってことか...。何となく
「ガブリエル」
の方を見たかった気もしますね。この役って、結構難しいのかな。正直、「本役さん」も、あまりはまっているようには思えませんでしたから。
「南朝に仕える美貌の女官」
役...そうですね、役柄的には
「じゅりちゃん」
が、一番ハマった気もしますね。
...はともかく、この新公ヒロインに一番感じたことって、(↑の主演の方とは真逆に)
「声の響きの強靭さ」
でした。セリフの語、一つ一つ、全ての音が
「会場中に響き渡る」
ビックリするほどに...。勿論
「歌唱の見事さ」
は、非の打ちどころがなく、歌姫タイプでもある「本役さん」に勝るとも劣らない...というか、声の響きでは、明らかに優っているでしょう。ある意味、
「現実離れ」
したほどの美声...。ただし、それ故に、芝居の台詞までも、「現実離れ」してしまって、何だか
「人の話し言葉」
のように聞こえないんですよね。言葉というよりは
「♪」
が聞こえてくるような感じというか...。ちょっと、「おとくりちゃん」と似ているとこがあるかな...。
「ヒロイン的な自然なお芝居 (?)」
をするには、その、あまりに「強靭過ぎる声の響き」を
「抑えるテクニック」
が必要なのかもしれません (ほぼ「不可能レベル」で難しそうですが)。すでに、劇団内でも
「屈指の歌姫」
だと思いますが、
「(トップ) 娘役」
という点では、まだまだ課題がありそうです。
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