俺の車に三人は乗車し、俺は車を発進させた…。
助手席に嫁、後ろに御父さん御母さん…
車内は緊迫した雰囲気だった。

別々の車に乗って移動するのも考えたが、俺の実家は三台も車は置けない…。
一台置けるスペースに頑張って詰めて二台だ。
相談した結果俺の車で行く事になった。

そうなると必然的に帰りもご両親を送ることになるが、
きっと帰りの車内は、三人とも鼻琳の呪縛が解かれ、和気藹々の雰囲気の中帰れるだろう!そうだ!その通りだ。

車内では誰も話さなかった。

唯一交わした会話が御母さんの「すわり心地悪いわね」という車への駄目だしだった…。チクショー


そして車が実家に到着した。
よし!親父が居ない!
実家の車がないという事は親父が今日は休みでは無いという事だ。

三人を玄関に招く…
そういえば家の玄関を開けるたび地獄が始まってるな…またしても地獄かっ…

俺は玄関の扉を開いた!


玄関ではおかんが迎えてくれた。

「あらあらあらまぁまぁ帰ってきたと思ったらー、どうもお久しぶりですー(ペコリ」

ああ、いいね。この雰囲気。
雰囲気が丸くなるのを感じる…。いいぞおかん。

「ちょっとアンタ!嫁ちゃんのご両親も来るなら連絡の一つぐらい寄こしなさいよ!!まったく!!」

御母さん「おほほ。いえいえ、おかまいなくw」

おばちゃん二人はトークで盛り上がってる。
この後俺の部屋に行くまでに、少しでも雰囲気を良い状態に持って行きたい…

「さぁさ、嫁ちゃんも久しぶりねw どうぞリビングに…」

俺はおかんの言葉を遮るように言った。

「いや、このまま俺の部屋に案内する」


「  え”……   」


おかんの顔が青ざめた。サァーという音が聞こえた気がした…


そりゃそうだろう。家族以外には秘密にしていた事だった。
嫁との交際当時からおかんには、絶対言うなよ!絶対言うなよ!と迫り、
たまに実家に嫁が来る時は、アリバイ工作に参加して貰っていた。(グッズを母の部屋に置いて貰うなど…)
そして震えた声で言った。

「ア…ア……アンタ…あんなごみ屋敷に…」

ごみ屋敷言うなや!部屋は綺麗で片付いとるわ!!

「あわわ…あわわ…」
おかんは混乱している。何故?という言葉が彼女の頭の中をぐるぐる回っているのだろう。

その時、階段から誰かが降りてきた。
マズい…ヤツだ!

「こんにちわ~…ってえぇっ!……嫁さんが来たと思ったらご両親も。」

弟だ!完全に誤算だ!
糞!今日は予備校はどうしたんだ!?畜生!


紹介するが弟はお調子ものだ…。
一筋縄ではいかない自称 "面白いもの好き"だ…。
常に彼は面白いものにアンテナをのばし、普段くだらない事をいつも言っている。

「ささっw玄関ではなんですから…暖かいリビングに…」

このお調子ものめ…
俺はこういう時の対応のよさに少し感心した。
そしておかんが口を開いた。

「お兄ちゃん…自分の部屋に連れて行くんだって…」


「  え”……   」


弟も顔を青ざめさせた。
つーか同じ反応かよ!!やっぱし家族だなお前ら!
お前らが同じ反応するから、明らかに三人ともびびってんだろうが!!

「まじかよ兄貴………正気かよ…」

やめろ…俺は正気だ…狂ってるみたいに言うのはやめなさい。


「う…うるさいな…ちょっとした事情があるんだよ…」
俺は三人を二階の俺の部屋に誘導した。

「僕もwww行くwww」

来るな!!畜生!!
俺達は階段をあがる。+1名を連れて…


そして俺の部屋の前までついに辿り着いた。
このドアを開ければ今までの誤解は解けるだろう…。
ここまで長かったな…ほんと。

俺はドアを開ける前に三人に言った。

「最初に言っておきます。かなり衝撃的だと思います。
だけどここが今まで俺が話した事の証明に必ずなります。」

俺はワンクッションいれておかないと、三人は衝撃に耐え切れないと思いちょっと説明しようとした。


「御母さん御母さんww兄貴の事嫌いにならないであげてねww」
「え?ええ、大丈夫だと思うわよ(苦笑)」

弟ぉおおお!!!御母さんと仲良くすんなぁああああ!!!


「あ…あの…まず、開けたら抱き枕があり…」

「いいから開けたまえ」

「はい…」

御父さん…もう知らないですよ…。本当に貴方の思っている以上のnのフィールドが、
いや otaのフィールドがこのドアを開けたら広がっているんですからね?

ええい!南無三!

俺は扉を開いた。


うっ…自分でも、これは酷い…と思ってしまった。
見慣れている俺が思うのだから、始めて見る一般人のお三方はどう思われているのでしょう?

広がる漫画棚…フィギュアゾーン…部屋一面のポスター…


そして華琳様抱き枕…
ひぃぃぃぃぃぃぃ!!俺は急いでとりあえず布団を畳んだ。
ここまで来て往生際が悪いが、ベッドシーツ(恋姫のキャラ、主要メンバー三人の温泉姿がプリントされている)
は隠したかった。ちなみにそのベッドシーツはググルとすぐに出てきます…

ロリはやばいロリはやばい……
掛け布団でまだ見えていないから、俺は華琳様ごと(華琳様ごめん!と思いつつ)S字にふとんを畳んだ。


「はぁ…はぁ…ど…どうぞ…ソファにお座りください…」

三人はキョロキョロしながら三人掛けソファに座った。
弟は…多分ベッドシーツの件が分かっているので、笑いを堪え、空気を含んだ顔でソファの横に立っていた。
弟のその顔が凄いムカついたが我慢…我慢。

「こ…ここが夫君の部屋…」

「ええ…そうです。驚いたでしょう」

糞ぉぉぉ…恥ずかしい…恥ずかしいよぉ…
失神してもおかしくない。俺は涙目になった。

「すごいな…これは…キョロキョロ」
「あら…まぁ…お人形さんがいっぱい…」

御父さんと御母さんは関心していた…。
嫁はよくもこんなに隠していたわね、という顔で俺を睨んでいた。


すると御母さんが指を指して言った。

「これも、その恋姫っていうアニメのお人形なの…?」

御母さんが興味を示したのは、楽器を持っている女の子のフィギュアだった
お人形って言われると恥ずかしいな。なんか子供みたいだ…。

「そっ…それは、違い…」

俺が説明しようとしたら、

「け・い・お・ん!! だよねw兄貴っ」

弟ぉおお!!しゃしゃりでてくんなぁああ!!!!つか出てけぇええ!!


「あっそうなのwいや、私も昔、楽器演ってたからww」

「まじすかwwちなみになんの楽器ですか?」

「少しだけしか出来なかったけどねwベースよ」

「うはwwキタコレwwwwみおみおww」

盛り上がるなぁあああ!!つかお前らコンビ組んでんじゃねえええええ!!!!

俺だって知らなかった。御母さんがベースやってたなんて…
糞、弟めええええ…

「私達が若い頃はバンドブームっていうのがあってね。お父さん。」

「う…うむ」

「セッションしましょうwww俺ギターでwwww」

ふざけんな弟ぉおおおお!!御母さんとセッションすんのは俺だあああああ!!!


けど、少し弟に感謝した。こんな風に空気を丸くしてくれるのも、弟の好意なんだろう。
俺だけだったら恥ずかしくて、何も話ができなかっただろう…。
居てくれてよかった…。

そして嬉しそうに弟が俺に話しかけてきた。

「けど、恋姫もバンドやるよねぇ?兄貴ぃ」

えっ…なんだ?演らないぞ…恋姫はバンドなんか…まさか…

「この間秋葉原一緒にいった時買ったじゃんw

恋 姫 無 双 ラ イ ブ レ ヴ ォ リ ュ ー シ ョ ン wwww」



前言撤回。

ふざけんな弟おおお!!!
アレは特別版だぁあああ!!!

つか彼女の両親と一緒にレヴォリューションできるかああああああ!!!!!

すると御父さんが呟いた。


「ほう…ライブ……レヴォリューション…」


御父さんお願いします……興味を…沸かせないでください…
つーか御父さんのバイタリティすげぇ!

「見ます?御父さんもみます?見るなら僕の部屋のPS3もって来ますけどww」

殴る。絶対に殴る。
俺はご両親が帰って全てが終わったら弟を殴る決心をした。

「いやいやいや…それはね?ね、ちょっとそんなに時間ないから…弟、時間ないから」

俺は語気を強めて弟を威圧した。
弟はチェーとでも言いそうな顔をした。

嫁はずっと顔を俯けて顔を真っ赤にしている…。
嫁も恥ずかしいのかな…そりゃ俺の妻だもんなぁ…

「そこにあるのは…なんだい?」

御父さんが部屋の隅にあるフィギュアの箱を指差した。


「こっ…これは…そっ…その、前に買っておいた…フィギュアです……」

「見てみます?ww」

くそう。弟まじで調子に乗ってんなチキショー。
弟が嬉しそうにカサカサと移動し、その箱を拾い、御父さんに渡した。
ゴキブリかテメーと彼にツッコたかったが、ご両親の前で乱暴な言葉は使えなかった…。

「ほほぅ…これは…たい なかつ?」

「御父さんwwそれは田井中 律ちゃんですよw」

あぁー…うん。そう読めるよね。珍しいよね。その苗字。

「それは兄貴がもったいぶって中々開けないフィギュアなんだよねーww」

うるせーよ。余計な説明いらないんだよ。
御父さんが繁々と箱を見ている。


「この作品も好きなのかね…夫くんは…」

「ええ…はい…すいません…」

俺は何故か謝った…。
弟と御母さんは盛り上がってる。

「御母さんwwwこの子wwドラムww」

「あっそうなの(苦笑)」

おいいいい!!ちょっと御母さん引きつり笑いしてるじゃねーかよ!!
御父さんはフィギュアを関心しているようだ。
そうそう。そうでしょう。そのフィギュアはちょっと出来がいいんですよ。出来が。
すると御父さんは信じられない言葉を言った。


「 開 け て も い い か ね 」


んんんn!?御父さんいいけど、どうしてそんなにぐいぐい来るの?
もしかして…俺の趣味を理解しようと頑張ってくれているのか?
だとしたら俺はその好意を受け止めないといけない。

「どっ…どうぞ…」

俺はさっと鋏を渡した…

弟と御母さんは話をしている。
御父さんは箱を開ける作業をしている。

俺は嫁にすかさず擦り寄り話しかけた。

「嫁…ごめんな…もうちょっとで終わるから…後はメールアカウントの表示見せて…だな」

「……ぅぅぅ……恥ずかしいよぉ……夫ぉ……」

うっ…。ちょっと照れてる嫁かわいい。
普段Mな俺に嗜虐心がちょっと沸いてしまったw


パキッ!パキッ!
御父さんが包装を外していく。

「おおーっ…」

いい反応だぁああwww
なんか恥ずかしいけどちょっと嬉しかった。

「御父さんwこれ!これ!台座。付けてあげてくださいww」

「おっ…ありがとう弟君w」

御父さんがフィギュアを台座に載せる。

「おおおおおーーーwwwwwいいじゃないかこれwww」
「おおおおおwwwwおほおほおほwwwいいですよね御父さんwww律ちゃんいいですよねwwドラムですよwwドラムw」


「いやーwwかくいう僕も律ちゃんが一番好きでねー…」
これこれ二人とも…意気投合するんじゃないよw
御母さんはあきれた顔しつつも、微笑ましそうに二人を見ていた。
でも嬉しかった。
少し泣きそうになったんだ。御父さんの優しさに。
誰もキモイって言わない。
思っていて言わないだろうが、それだけでも嬉しかった。

この人達と家族になれて良かった…

心のそこからそう思った。


脳内の鼻琳は憎らしそうに、姿を消していった…。
ありがとうな。鼻琳。今思えばお前がくれたこの機会のおかげで、
この人たちの真の優しさに触れられたよ…。なんてちょっとしか思ってないけどな。早く消えろ。


「私の家に飾ってもいいかい?ww
これ持って帰ったら、夫君もよくうちに来てくれるようになるでしょ?w」

「あはははwどうぞどうぞ」

「冗談だよw冗談wははは。いやしかしこれ本当にすごいなぁw」

俺も久しぶりに笑顔になった。
まさかフィギュアで打ち解けるとは…
ありがとう律ちゃん。買って良かったマックスファクトリー…

俺は雰囲気のいい間に、さっさとメールアカウントの説明をしてしまおうかと思った。

「御父さん…そのメールアカウントなんですけど……ちょっと弟出てもらっていい?」

俺は弟を外に促した。弟に聞かれるとマズイ。てゆうか1から説明するの恥ずかしいし、
ヤツに面白いものを提供するのも腹が立つ。


「いやいやw大丈夫だよ。夫君。もうわかった。確かに夫君の言う通りだったよ。」

やっと…終わったんだ…。やっと…。
長かった…。まさか誤解を解くのにこんな時間が掛かるなんて…

「嫁子もいいよな?」

「……よくないけど……いいわよ…」

あああ。いつもの機嫌の良い時の可愛いふくれっつらだ。
嫁…早く二人の家に帰ろう。そして抱きしめて良い子良い子したい…。

その時、部屋のドアがゆっくり開いた…


「あらぁぁどうもねぇー…本当にすいませんねぇこんな馬鹿息子でぇ」

おかん…余計な事いうなよ…。

「しょっちゅう宅急便で届くんですよぉwwその度にこの子ったらこっちに戻ってきてww」

恥ずかしいww恥ずかしいけどおかんから良いパスを貰った。

「そうだおかん!このカレンダーで俺が最近帰った日に○つけてくれ!」

「は?何いってんのアンタ…しょっちゅうアンタ帰って来てるでしょうが…昨日だって晩御飯食べて…」

ナイスおかん!!その言葉が聞きたかったんだぁあああああああ!!!
逆転ゴールだぜ!!かっこいいぜ!!
俺のパスを上手くさばいてシュートを決めてくれた!!
やっぱ流石だよおかんwww

そのおかんの言葉を聞いて三人は本当の意味で安堵した顔になった。
そして御母さんは言った。

「だから言ったじゃない御父さん。私は最初から夫君はそんな事する子じゃないってww」

おいいいいい!!!忘れねーぞあの生ゴミを見る目つきはよぉおおおお!!!
御母さんは調子がいい…。忘れていた…


「ささっ、もうこんなむさ苦しい部屋でて一階にどうぞwお茶を用意しましたんで…」

むさ苦しいってなんだよ。まったく。
でも良かった。また平穏な日が帰ってくるんだな。
今度はもっと大切にしよう。嫁を。そして御父さん、御母さんを…


「どうもすいません。それじゃあ…行こうか。」
「ええwええ。ご馳走になりましょう」

二人は立ち上がり、弟と共に部屋を出て行った。


そ し て 部 屋 に は 俺 と 嫁 が 、 二 人 … 残 っ た 。


二人立って向かい合う。。
嫁「ふぅぅ…まったく…」

俺「ごめんな。嫁。けど浮気なんかしてなかっただろ?本当に愛してるのは…これから先もお前だけだ」

嫁「鼻琳は?」

俺「えっ!?ははっwwwえーっと、フッたwwもう卒業しようかなww」

嫁「ふふっw」
嫁は抱きついてきた。

嫁「いいよ。オタク趣味…続けても」

俺「えっ!?本当!?」

嫁「たーだーしっ」m9っ(。・∀・)ビシッ

俺「んっ?」


嫁「わたしにもやらせなさいよね!!」

俺「えっ?なっなにを」

嫁 「     こ・い・ひ・め  ♪     」

やるんかよいいいいいいいいい!!!!!エロゲだぞおおおおおお!!!!!
またピンチかああああああああ!!!!!


おわり



最短1日!アメブロをプロ仕様にカスマイズします。