僕には、年の離れた兄がいる。兄は、僕が小学生の時から引きこもり、途中働きに出たが、結局、父親が亡くなってから働きだした。今では、100万人いるニート、引きこもりであるが、当時は珍しかった。客観的に見て、兄がそうなった原因は、障害をもつ次男の兄の存在だろう。

僕の生まれる前に、次男の先天的な障害から、家族は都内から地方に移住する。転校した学校で長男はひどい虐めにあう。転校する前はそのようなことは、無かったが長男は家族の都合の犠牲になる。当時はそのことが分からず、引きこもりの長男を酷く恨んだ。 毎日、死ねばいいと本気で願った。 

今のようにyoutubeやニコニコ動画で引きこもりが配信する時代ではなく、引きこもりを持つうしろめたさが当時はあり、近所、同級生などに隠すような生活を送っていた。

大人になり、当時の事情を理解し、長男に対して不思議と恨みはない。長男は現在、実家を出て人手不足業界で働いている。幸いなことに親には迷惑をかけないように生きている。最後に踏みとどまることが出来ているのかも知れない。