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被災地視察とボランティア 2日目

○七ヶ浜町でのボランティア登録

2日目 5月2日、
災害ボランティアセンターのホームページを通じて、
昨日訪れた七ヶ浜町へと向かい、ボランティア登録をしました。
(他の市町では県外からのボランティアを締め切っていたところもありましたが、
 この七ヶ浜町では募集中とのことでした。)

 ※参考:ボランティアセンター(社会福祉協議会)
  http://msv3151.c-bosai.jp/group.php?gid=10119


○被災地の子どもたちへのサッカー用品の仕分け

この七ヶ浜町での作業は翌日分からとのことでしたので、
昨日お会いした塩竈FCの理事長のご紹介で、
宮城県サッカー場へ向かい、
被災地の子どもたちへと送られたサッカー用品の仕分け作業をお手伝いさせていただきました。
スパイクや服など、多くの物資が寄せられていました。

 ※宮城県サッカースポーツ少年団協議会での支援物資について
  http://mfa4.com/

○松島へ

サッカー用品の仕分け作業が昼過ぎには終わったため、
午後から松島へ向かうことにしました。

新聞で、当該地域の住民が高台への移転を希望しているものの、
その場所が松島一帯の文化財の保護区域に含まれているため、文化庁が難色を示しているということを聞いていたからです。
文化財と人命、どちらが大切なのでしょうか?
簡単な問題ではありませんが、良いかたちで協議・調整が進む事が望まれます。

 ※参考:景観保護区で住宅建設を要望 宮城・松島の被災住民(47NEWS)
 http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050601000100.html

また一方で、松島が津波の威力を半減させたとの話もありました。
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110323-OYT1T00077.htm?from=navr


松島に着くと、津波の被害を受けた様子があり、
海沿いの道に面した店舗のシャッターが折れ曲がっていたり、津波の跡が残っていたりするものの、
多くの店舗が営業を再開し、震災から立ち上がろうとしている様子でした。
GWということもあり、それなりの観光客も来ていました。
(おそらく、例年と比べて少ないのだと思いますが。)

人だかりができていると思ったら、
ちょうどテレビのロケがやっていました。
日テレの「ミヤネ屋」で、1ヶ月前の松島と比較して放映して松島の復興の様子を写し出し、
東北を応援しようという番組だったようです。
http://www.ytv.co.jp/miyaneya/backnumber/oa_20110502.html


観光が主要な産業の地域には、
観光で訪れることも、産業の再興のために一般の人にできることの一つのように思いました。


○名取市沿岸地域へ

その後、うちの会社が受託している名取市の沿岸地域へと向かいました。
一部、通行止めになっている道路もありましたが、
行ける範囲で車でまわった後、東部道路近くから海側へ向かって現地を歩きました。

田畑には流れてきた住宅の破片や家財、沿岸の松の木、船舶が散在し、
仙台空港やその近辺の工業団地も、建物の構造物は残りながらも大きな被害を受けていましたが、
海に近い住宅地が壊滅的な被害を受けており、
基礎から上がない家(恐らく木造)も多く存在し、
鉄骨造の建物も、柱を残して1階部分の壁面が残っていない状況でした。

小・中学校は、体育館には津波による流失物が展示され、
校庭は壊れた自動車置き場になっていました。

この世のものとは思えない、目をつむりたくなるような光景でした。

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ちょうど歩いた名取市閖上地区あたりが、
名取市沿岸部の市街化区域であり、
おおむね同範囲に建築基準法第84条第2項に基づく被災市街地における建築制限と、その制限期間の延長がかけられているようですが、
この地区にもう一度住むのか、住む場合はいかに構造物(堤防等)によって守るのか、
住まない場合は、どの事業手法により土地の移転(換地)を行うのか、跡地をどのような土地利用を行うのか、
そして、その地域の方々の生活と仕事をどう取り戻すのか、
非常に課題が多く、考えさせられました。


 ※参考:仙塩広域都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(p.67)(宮城県都市計画課)
  http://www.pref.miyagi.jp/tosikei/kityou/outline/masterplan/MP_senen.pdf

 ※参考:建築基準法第84条第2項に基づく被災市街地における建築制限の期間の延長について
  http://www.pref.miyagi.jp/kentaku/110311_earth/kenchikusidou/110411_84entyou.htm


被災地視察とボランティア 1日目

○東北へ

5月1日、
レンタカーを借りて、10時頃に東京を出発。
東北道は目立った混雑もなく、仙台16時頃に着きました。

仙台東部道路を通ると、その右手(海側)に津波を受けた惨状が見えました。
ニュース等で、東部道路が津波を食い止めたと聞いていましたが、
本当に東部道路の左右で見える景色が全く異なりました。

 ※参考:国土地理院 浸水範囲概況図
  http://www.gsi.go.jp/common/000060133.pdf

○塩竃FC理事長を訪問

塩竃市に向かい、
会社の方から紹介していただいた、塩竈FCの理事長にお会いし、
お話を伺い、明日以降のボランティア情報をご紹介いただきました。

戦後復興期のドイツにおける「ゴールデンプラン」というスポーツ施策についてのお話を伺い、
今回の震災復興においても、日本版ゴールデンプランがあると良いのではないか、
スポーツによって、皆が元気になることができるのではないかと、持論を熱く語っていただきました。

 ※参考:塩竈FC理事長の日記
 http://blog.livedoor.jp/shiogama/archives/51750838.html

○沿岸部視察

その後、周辺地域の沿岸部の視察に行きました。
そこは、翌日からボランティアに行くことになる、七ヶ浜町という町でした。

後から調べてみると、町の名前の通り七つの浜と地域からなる町とのことで、
その名前からも海と人との密接な関係がうかがえますが、
その浜という浜のほとんどが、低地の奥まで津波が押し寄せたようで、
言葉を失うような惨状でした。

一方で、高台にある新興住宅地は、津波の被害はほとんどなかった様子で、
浜辺や低地部分の惨状とは非常に対称的でした。

 ※参考:七ヶ浜町のあらまし(七ヶ浜町HP)
  http://www.shichigahama.com/town2/outline/index.html
 ※参考:七ヶ浜町の浸水範囲(google map)

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○仙台に戻る途中

下道で仙台市内に戻る途中、郊外部の沿道にも瓦礫が残るなど、
津波の被害の大きさを感じさせられました。

その被害範囲の大きさと、
大きな被害を受けているにも関わらず、そこで営業を再開している沿道の店舗を見て、
人々と土地との結びつき、簡単には土地を離れられないということ、土地区画整理事業や高台移転等によってどうにかできる問題ではないということを感じさせられました。

○仙台市内にて東北支社の同期と夕食

仙台市に戻ると、仙台市の中心部は至って平常時に戻った様子で、
ホッと安心した心持ちでしたが、
東北支社の同期と会って話を聞くと、
地震後はインフラが絶たれ、大変だったとのことです。

彼は河川の堤防の専門で、震災発生後ほとんど休みなしで被害状況の把握や応急的な復旧の計画をしているとのことで、翌日も朝早くから石巻市に向かうとのことでした。
他にも、東北支社での震災復旧・復興業務の様子について話を聞きました。

もう一人、九州支社から東北支社に駆けつけている港湾・堤防が専門の同期は、
この日も忙しいとのことで、会えませんでした。

被災地視察とボランティア

5月1日~4日、会社の同期と共に、
宮城県へ被災地の視察とボランティアに行ってきました。

宮城県では津波被害の大きかった沿岸15市町での復興計画づくりを進めており、
建設コンサル数社が合同で受託しています。

自社でも、15市町のうち3市を担当しており、
仙台にある東北支社を中心に、東京や各地からも人が入り、
自分がいる部署の人も数人が東北支社に行っています。

東京の本社でも、その後方支援をしており、
自分は残念ながら東京残り組ですが、僅かながらその後方支援をしています。

その中で、一コンサルとして、現地を見ないままで上記のことをしていることに違和感を感じており、
やはり現地の状況を見ておきたいという想いがありました。

また、
母方の親戚筋でも、家が流されている方がいたり、
父方のルーツもこの地域ということで、
一個人として、できることをしたいという想いがありました。

そんな時に、会社の同期K氏から連絡を受け、
GWを利用して、5月1日~4日という短期間ではありますが、
宮城へ被災地の視察とボランティアに行くことにしました。

1~4日の1日分ずつ、
現地で見たものや体験したこと、感じたことをブログにまとめたいと思います。


尚、この行程中に、i-phoneが故障してしまいました。
i-phoneで撮影した写真も取り出せないため、文章だけでの表記となりますことをご了承ください。

また、当面はi-phoneが使えないため、
山口への連絡は、hiroto1123■gmail.com(全て半角小文字。■には@が入る)へお願いいたします。