●最後の味付け




お母さんが作ってくれた物のことを、


お袋の味っていいますね。







美味しいものの代表によくあげられます。




では、



なぜ美味しいと、感じるのでしょうか?








それは、






それは、最後にひとあじ。




母親の愛情が入っているって、よく言われますよね。












でも、








でもね。


それは、


料理を美味しくする




本当の最後の味付けではないのです。













じゃあ、


本当の最後の味付けって・・・












ある少女が、


京都で一人暮らしをする事になった。











九州の親元を離れる前日。



母親は、娘が大好物なスキヤキを作り始めました。







娘の為に、



一番高いお肉を奮発して買いました。



卵も一番良い物を買いました。










ネギを切りながら、



明日、家を出てゆく娘の


幼い頃を思い出していた。





幼稚園に行きたくないと困らせた日々。


小学生の時、参観日に行ったら分らないの張り切って手をあげて指されて困ってた事。



中学生の時、バレーボールの試合に応援しに行った事。


高校生の時、一緒に服を買いに行ったら姉妹に間違えらた事




などなど、



そんな娘が、大学生に・・・・・


嬉しいやら悲しいやら・・・・







その時、


突然、後ろから夫が、







「母さん、煮立ってる、煮立ってる!」



「ああ、止めて!止めて!」



「こんなに煮込んだら、良い肉も硬くなったんじゃなのか!


 何、考え事してんたんだぁ!!」






遅かった。




肉は硬くなってしまっていました。




母親は泣きそうになりました。






よりによって、こんな大事に日に失敗するなんて!








お母さんは、手の熱さなど忘れて、


さわって、


お肉の中で一番硬くないものを娘に急いで取り分けました。



一番硬いものを自分の所へ。







「ごはん、できたわよぉ~」



みんなが食卓へ集まってきました。



これが、当分の間の


最後の3人での食事でした。




なのに、


失敗してしまった。



いただきま~す」



母親は、娘の反応が心配でした。


明らかに不出来だった今日のスキヤキ。




心の中で、


「ごめんね・・・」とつぶやきました。






と、


その時でした。








「母さん、美味しいよ


「とっても美味しいよぉ!!」




と娘がとても嬉しそうな笑顔で言ってくれました。





それを聞いた母親の目から、



一筋のが・・・








味付けって、


作る人だけのもの


じゃないんですよ。






最後の味付けは、


食べる人。


そう、



貴方の一言です。





貴方は、


美味しいよ。」って


作ってくれた人に言ってあげてますか。




それが最後の味付けです。