みなさん こんにちは
私自身もそうですが、私の同世代(50代)の親の世代が人生を全うする時期にきているようです。
私自身、自分の親が今年始に亡くなったのですが、自分の同世代やその上下の世代について、昨年から今年の前半でけっこう、親や親戚が亡くなったという話を聞きます。
故に同級生や友人から「相続税」や「相続登記」「遺産分割」等について相談を受けることが多くなっています。(相続税は一般的な事項しか答えられませんが)
なかでも多い相談が「相続登記ってしなきゃいけないのか?」「しなくて良いんだったら、しないでおいて、何か不利益は無いのか?」という相続登記に関してのものです。
法律上は表示登記(不動産登記の表題部になされる登記)については法律で義務(しなければならない)とされています。
(土地について不動産登記法36条、建物について不動産登記法47条・・・所有権取得の日から1ヶ月以内に申請しなければならないとされています。)
権利の登記(登記簿の甲区、乙区になされる、権利の内容、種類等が表示される登記のこと)については、このような(義務の)規定はありません。
相続登記はほとんどの場合、権利の登記ですので「法律上(登記をする)義務は無い」ということになります。
「それなら、(相続登記を)しないことで不利益はないのか?」
当事務所の実務経験から、下記の事項について不利益となる場合があると考えられます。
1 相続登記を行う前に、また新たな相続が開始され、権利関係が複雑となる。
相続登記を行わないまま、更に新たな相続が開始されると、相続人の人数も増えて、相続財産の承継について、スムーズにいかなくなったり、時間の経過と共に、財産価額の変更(例:建物について期間経過により財産価値の減少となる)となったり(遺産分割をしていた場合に)遺産分割を再度行い、財産の調整を行わなければならなくなる場合もあります。
そして、相続人を確定する為に戸籍を調べるのですが、調査対象が膨大になり、また、古い記録が破棄されている可能性もあり、容易に確定できないことが多くあるので、時間と手数がかかる場合があります。
また相続人のうち、行方不明の者や連絡のつかない者がいる場合は、家庭裁判所に「不在者の財産管理人」の申立を行う必要がでてくる等、面倒な手続が必要になる場合もあります
例:Aさんの父親Bさんがなくなりました。
相続人はAさんの母のCさんと妹のDさんです。
その後、相続不動産に対して相続登記をしないまま、数十年が経過し、Aさんも亡くなりました。
Aさんの相続人はAさんの妻のEさんと子のFさん、Gさんです。
その後、Aさんの妹のDさんも亡くなりました。
以下、法定相続をしない場合(相続人の協議により相続財産の取り分を決める場合)のプロセスを説明します。
Aさんの相続人は、Bさんの相続財産について相続人を確定する為にDさんの相続人を調査して、その相続人及びCさんと協議しなければなりません。
勿論、Eさん、Fさん、Gさんの間の協議も必要になります。
相続人が多くなり、Bさんの死後時間も経過しているので、相続手続(調査や遺産分割協議も含む)も複雑になり、時間や費用がかかることになります。
2 遺産分割で合意した内容と異なる登記がされることの不利益
産分割協議を行って、法定相続分とは異なる分割協議となったが、(若しくは法定相続分で相続する合意をしたが、相続不動産については分割をしない旨の合意をした場合等)名義変更(登記)をせずに放置していたところ、相続人の一人が単独で法定相続分どおりの相続登記を行った。
(法定相続分による登記であれば、相続人の一人から相続人全員への名義変更となる登記をすることが可能です。)
例:Aがなくなり、Aの配偶者Yと子らB,C,Dが相続しました。
法定相続分では、Yが1/2、B,C,Dがそれぞれ、1/6づつですが、 遺産分割協議で相続不動産の相続分についてYが2/6、Bが2/6、Cが0、Dが2/6づつという合意をしました。
その後、相続登記をせずに放置していたところ、CがY,B,Dの同意を得ずに単独で法定相続分であるY1/2、B1/6、C1/6,D1/6の相続登記をして、すぐにC持分をEに売り、その名義変更の登記をしました。
この場合、Y、B,Dは遺産分割による登記をしていないため、Eに対して原則、(遺産分割協議で合意した)持分の権利を主張することができなくなります。
3 固定資産税の納付の問題
相続登記を行っていない場合、相続人のうち、一人だけ(代表者)に固定資産税の納付請求が来ることになるので、特定の一人が支払いを請求されることになります
( 遺産分割で合意した不動産所有者と代表者が異なる場合には、支払後、相続分に応じて立て替え分の返還を他の相続人に請求することになりますが、面倒です)