東京にいると タイガースのニュースは関西でのようには入ってこない。
スポーツ紙も巨人や相撲、サッカーがメインになるからだ。従って、私は東京にいる時は積極的にデイリースポーツを読むようにしている。

デイリーは確かにタイガースの太鼓持ち的な面もあるが その分、情報は たっぷりある。
そして3月28日付けの紙上ではプロ野球評論家の皆さんによる今シーズンの順位予想が出ていた。特に 誰が どんな予想をしていても気にはならないのだが タイガースをどのように評価しているのかは気になってしまう。

すると驚いたことに、なんとタイガースを最下位に予想している評論家が4人もいるではないか。5位予想も4人いる。誤解がないようにしたいのだが、私はこの8人の評論家に抗議しようなんて これっぽっちも思っていない。予想など、個人個人が自分の意思で決めれば結構である。

しかしよく見ると、中日OBとソフトバンクOBの方々に タイガース評価が低い事に気が付いた。確かに 阪神にとってナゴヤドームは「鬼門」で 勝てない時期もあった。

また、ソフトバンクにも 2003年 日本シリーズで負けている。実は 1964年(実はこれが後にも先にも唯一の在関西球団同士のシリーズなのだが)にも ソフトバンクの前身であった南海ホークスに日本シリーズで負けている。

しかし、これらの事がタイガースの低評価に繋がるとは到底考えられない。彼ら評論家の皆さんには「もっとよく見てよ」と、残念な思いを抱いてしまう。

そして次の日、CS放送、フジテレビONE「プロ野球ニュース」でも 評論家さん達が順位予想をしていた。すると、今度は15人中、タイガースをAクラスに予想したのが たった4人で 他の11人がBクラス予想だった。

えっ? 

デイリースポーツの評論家さん達といい、フジテレビ系の評論家さん達といい、そんなに評価が低いのかと驚いた。なぜなら今年のタイガースは 私の目には 非常に良い状態に見えるのだ。

もしかしたら、長年タイガース側に立ちすぎて、あばたもえくぼに見えてしまうのだろうか?冷静になって改めて 自分なりに 再度 今シーズンのセリーグの戦力を分析してみたが、どう考えても、タイガースが 中日やヤクルト、ベイスターズより下位に甘んじる事はない、と確信を持って判断した。

さらに言うと、2月のキャンプ中、ちんたら練習している巨人にも負けて欲しくないと思っている。仮にもあんなにダラダラ練習しているチームが優勝なんてしようものなら、私が野球を小学2年生から始めて今日まで 信じてきたポリシーが崩れてしまう。

一生懸命 練習する事、努力を怠らない事、「勝ちたい」という信念を持って練習する事など、今まで 勝つ事とは このような思いが大切なんだ、という持論が崩れてしまうのだ。なんとしても愛する野球がダラダラ練習していても 才能がある人間が集まりさえすれば勝つ、というスポーツにはなって欲しくないのだ。

話を戻そう。

私は、タイガースOB以外の大多数の評論家さん達が タイガースをBクラス予想している理由を知りたくなり、彼らの評論に耳を傾けてみたところ、だいたいの人が「投手力」の問題を上げていた。

では、セリーグの中で投手力の優れたチームは?と逆に質問したいところであるが、ここは抑えておこう。


さて、長いペナントレースが始まった。

開幕初戦、昨年の沢村賞投手・ジョンソンを打ち崩した。2戦目の岡田も打ち崩した。カープサイドから見れば予想外だったかもしれないが、タイガースにとっては 昨年手こずったジョンソンや今季カープ首脳陣が期待している岡田を打ち込んだ事は 攻撃陣の自信に繋がっただろう。

開幕3試合で 19得点もあげたのだ。攻撃に関しては 昨年より 相当 プラス要素はある。

問題は投手を含めたディフェンス面だ。3試合で 36被安打、24失点してしまった。しかも、8失策だ。その失策の内容も まるで 草野球レベルでお粗末な守備や あまりにも多い四死球が余計に敗戦のショックを煽る(あおる)。

開幕戦から この調子だと先が思いやれるのだが、それでも私は楽観視している。最初に悪い膿を出した、と思っている。

3試合で 24失点もしているのに 1つ 勝てたのだ。ジョンソンや岡田を打ち崩した事も 長いシーズンを考えればタイガースにとっては好材料なのだ。

「失意泰然」「泰然自若」。こんな時こそ、自分達の修正するところを見極め、落ち着いて行動する事が大事なのである。

起こってしまったことは仕方がない。今後このような事が起こらないように最善策を考える事が大切なのだ。

よく「野球は ミスをした方が負け」という言葉を耳にする。野球に限らずスポーツ全般、ミスをした方が負けると目立つのだ。そう、これは「目立つ」だけで 実際にミスをした方が 必ずしも負ける、とも限らない。実際はミスをしても勝つことはあるのに、その事実は注目されない。

先入観や固定観念に縛られると 正しく物事が見えなくなる場合がある。私は正しくは 野球は「ミスを取り返せない方が負ける」と思っている。野球にミスは付き物だ。打ちミスや投げミス、失策や作戦ミスなど 色んなミスが試合の中では起こる。 重要なのはそれらを 取り返せれば 何の問題もない、ということだ。

ゴルフ界では「バウンスバック」という。ミスショットやミスパットでボギーやそれ以上の事が起こった時、そのミスをすぐに取り返す事を「バウンスバック」という。世界ランキングの高いプレーヤーほど このバウンスバック率が高い。

当然、松山英樹もボギーを打つが 直ぐにバーディーを取り、バウンスバック率が高いのだ。

つまり、世界のトッププロでもミスは犯すのだ。考えてもみてほしい。昨年のカープは ミスも多かった。しかし、直ぐに そのミスを帳消しにするケースが多かった。だから、リーグ優勝をしたのだと私は思っている。

バウンスバック、今年のタイガースには ミスをしないチームではなく、ミスを直ぐに取り戻せるチームになって欲しいと思っている。若い選手が多いチームだ。ミスをするな、と指導するより ミスを取り返せ、と葉っぱをかける方が 彼等にとっては良いハズだ。

そのうち、ミスも減るだろう。ミスを取り返す、そんな若トラ達の活躍を大いに期待している。