ジークの安楽死計画は、エレンの協力が得られず失敗しました。
ここで、もしもエレンが賛同していた場合、計画は成功したのか?について考えてみます。

道の世界で、ジークが「ユミルの民の生殖能力を奪え!」と始祖ユミルに命じたとき、ユミルは了解といった感じで、座標へ向かいました。
だがしかし、それは実現可能なのでしょうか?
始祖ユミルの力の源は、生命の起源?である光るムカデ。
こいつは、何としてでも生き延びるという意思が力の源でしょう。
そのような存在が、自ら繁殖し生き延びる力を放棄することがあるでしょうか?

始祖は何でもできるように描写されますが、ジークの叫びで無垢の巨人にされたピクシス達をエレンは人間に戻せませんでした。
ジークが叫ぼうとしたときに「待て!」と言ったことから、ピクシス達を巨人にしたくはなかったのでしょう。
であれば、人間に戻す能力があるのであれば、戻したのでは?
その方が、アルミンたち仲間を危険にさらすこともないですし、エレンもピクシス司令には少なからず恩義を感じているはず。
始祖の巨人であっても、できない事があると考えるのが妥当な気がします。

同じように、始祖ユミルに「ユミルの民の巨人化能力を奪え」と命じた場合も、ユミルの民という種が生き延びるために有効な巨人化能力を光るムカデが放棄することはないのでは?
ちなみに、ここでの「生き延びる」の意味は、本当にただ生きているだけの状態を意味します。
104期生のユミルが「悪夢」とよんだ状態です。
自由意志もないけれど、うなじを削がれない限り死ぬことはない、生命としては滅茶苦茶強い状態。

力の源である光るムカデが、何としてでも生きる、どんな状態でも死なずに生き延びるという意思で、力を発現しているのであれば、結局のところ、安楽死計画は失敗に終わる運命だった気がします。