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NO WAR

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ウエスト サイド ストーリー


再開発が進むニューヨークのスラム街ウエストサイドでは移民の子のシャーク団、スラムで生まれ育ったジェト団のストリートギャングの抗争が続いていた。そんな中、シャーク団のリーダー・ベルナルド(デヴィッド・アルヴァレス)の妹マリア(レイチェル・ゼグラー)と元ジェット団のトニー(アンセル・エルゴート)はダンスパーティーで出会い、お互いに惹かれあっていく。


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ブロードウェイの大ヒットミュージカルを巨匠スピルバーグが2度目の映画化。1961年の初映画化作品からして米アカデミー賞10冠の名作。そのリメイクにあたるチャレンジが注目されるが、一方でリメイクする意味が不安ではあった。


という懐疑心を抱きながら鑑賞(笑)。61年版と比較すると、楽曲はそのままだが歌っている人物はちょこちょこ変更。ストーリーもベースは活かして設定等は変えていた。61年版より舞台に寄せてるらしい。舞台を観てないので詳細不明。


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お馴染みの曲ばかりで長い上映時間も集中は途切れない。本作では「アメリカ」が個人的に大好物。街に出て交差点への流れはアガル要素しかない。61年版は舞台を観る客席からの目線が多かった気がするが、その辺は本作のほうが映画的。


ウエストサイドといえば「ロミオとジュリエット」をなぞった恋愛悲劇。時代性なのか、本作は移民問題もブラッシュアップ。60年以上経過してもなお根強く残っているということ。「私はアメリカ人じゃない!」は何気に痛烈。


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トニーを演じるエルゴート。「ベイビー・ドライバー」では線が細い気がしたが、大きいのね。マリア役ゼグラーはお初。今後ディズニー系大作出演が控えている。アルヴァレスはジョージ・チャキリスのインパクトはないがプエルトリカンらしい佇まい。


本作で大きく飛躍しそうなのがアニータ役アリアナ・デボーズ。表現力に加えエネルギッシュなダンスは強い武器。ゴールデングローブ賞に続くオスカー獲得なるか。61年版でアニータを演じたリタ・モレノがバレンティーナ役で出演されてて驚き。


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舞台的な演出が光った61年版に対し、映画的カメラアングルにこだわった本作。好みは人それぞれ。61年版を知らない若い方々には巨匠からの素敵なプレゼント。僕らもオリジナル贔屓の色目は取り払って「新作」を楽しもう。


シャーク団とジェット団は宗教や文化、習慣や考え方が違う人々。そんななか、互いに理解しあおうとするマリアとトニー。力で押さえつけても、争いは何も生み出さない。むしろ大きな犠牲を生むということ。



 DATA

監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ/脚本:トニー・クシュナー/原作:アーサー・ローレンツ/製作総指揮:リタ・モレノ/音楽:レナード・バーンスタイン/デヴィッド・ニューマン

出演:アンセル・エルゴート/レイチェル・ゼグラー/アリアナ・デボーズ/デヴィッド・アルヴァレス/マイク・ファイスト/ジョシュ・アンドレス/コリー・ストール/ブライアン・ダーシー・ジェームズ/リタ・モレノ



hiroでした。



61年版の邦題はウエストサイド「物語」でした


エルゴート出世作